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実在の「Dr.コトー」に感謝状、離島医療39年支える

2023年05月10日 01時41分08秒 | 地域

寄付返礼品に漫画イラスト入りグッズ追加 薩摩川内市

 2023年5月9日 (火)配信南日本新聞
 

 鹿児島県薩摩川内市下甑島の手打診療所の元所長で、漫画「Dr.コトー診療所」のモデルにもなった瀬戸上健二郎さん(82)=鹿児島市=が1日、薩摩川内市の田中良二市長から、離島医療を長年支えた功績に対する感謝状を受けた。

 瀬戸上さんは1978年、当時の下甑村に赴任。2017年まで39年間、診療所に勤務した。4月30日に下甑であった映画「Dr.コトー診療所」のチャリティー上映会に出席したのを機に市役所を訪れた。

 田中市長は「多くの島民の命を守り、離島の魅力の発信にも尽力された」などと感謝。瀬戸上さんは「島にお世話になり、楽しい39年間だった。離島医療は一朝一夕につくり上げることはできない。努力を重ねることが必要」と話した。

 市は4月から、ふるさと納税の使用目的に「離島医療」を追加。寄付金を「Dr.コトー診療所基金(愛称)」に積み立て、医療従事者の確保や機器整備などに活用する。1日は返礼品に追加されるマグカップとトートバックも披露された。漫画の作者、山田貴敏さん直筆の文字や主人公の五島健助のイラストが入っている。

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[スキャナー]5類移行、コロナ外来は手探り…診療時間区別・医師に研修

2023年05月10日 01時37分33秒 | ウイルス

[スキャナー]5類移行、コロナ外来は手探り…診療時間区別・医師に研修

 2023年5月9日 (火)配信読売新聞
 
 
 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に引き下げられ、季節性インフルエンザ同様、幅広い医療機関で診る「平時の医療体制」に移る。8日から新たにコロナ診療を始めた医療機関がある一方、外来対応の広がりは限定的だ。次の感染拡大に備え、自治体と医療機関が協力し、引き続き受け入れ体制を整えていく必要がある。(医療部 鈴木希、影本菜穂子)

新たに準備

 「今後はコロナ患者も何とか工夫して診ていかねばならない」。東京都内の開業医中川靖章さん(54)は語る。ビルの1階にある診療所は入り口が一つで、コロナと他の患者の動線を分けられない。免疫が低下したがん患者らを多く診ているため、これまでは発熱外来を設けてこなかった。

 2類相当だった当時は特定の医療機関で対応していたが、5類移行後は幅広い医療機関で対応することになるため、「コロナ感染やその疑い」のみを理由に診療を断ることはできなくなる。このため、他の患者と時間帯を分け、月水金の夕方1時間だけ、コロナ診療を始めた。8日は3人の患者を診察、うち1人の感染を確認した。

 コロナ診療の経験がない医師らに対し、感染対策や診療のノウハウを伝える研修会を開く自治体もある。

 札幌市は3月から、外来編と入院編に分け2回の研修会を開き、計約700人の医療関係者が参加した。講師を務めた福家聡・KKR札幌医療センター感染制御部長は「オミクロン株以降は、一定の感染対策をすれば『特別に恐れる病気ではない』と医療者に理解してもらうことが、対応する医療機関を広げるための第一歩だ」と語る。

拡大目指す

 厚生労働省が先月末にまとめた5類移行後の医療体制の集計では、今月8日時点で外来対応する医療機関は約4万4000か所。移行前より2000か所増えたが、目標とする季節性インフルエンザの診療実績がある医療機関数に相当する約6万4000か所には程遠い。ある自治体の関係者は「かかりつけ患者や医師本人が重症化しやすい高齢者であることを理由に、インフルより感染力の強いコロナへの対応を避ける例もある」と語る。厚労省は段階的に対応できる医療機関を増やしたいとしている。

 入院は、9月末までの移行計画では、全国約8300医療機関で最大約5万8000人を受け入れ可能とする。これまでの約5万3000人より多くなる計算だ。政府は10月以降も、移行計画をベースに、さらなる受け入れ拡大を目指す。

「広く薄く」課題も

 幅広い医療機関で診る体制は、感染拡大時に十分に機能するのか、懸念する医療関係者は少なくない。

 外来に関しては、今のところ、参加医療機関数が目標より2万少ないだけでなく、〈1〉コロナの診療時間が短い〈2〉かかりつけ患者のみ――など限定的な対応をする診療所が多い。

 入院に関しては、これまでコロナ患者を積極的に診てきた大学病院が、5類移行を機に、コロナ病床を縮小している。本来の役割であるがん手術などの高度医療に軸足を戻すためだ。千葉大病院は、確保病床を67床から12床に減らした。同病院の猪狩英俊・感染制御部長は「他の多くの医療機関が入院患者を着実に受け入れてくれることを見込んで縮小した」と説明する。

 ただ、新たに入院対応を始める中小病院では、数人単位の受け入れが限度のケースが多い。スタッフが充実した大学病院が縮小した分を、中小病院などの広がりで補えるのかが課題だ。

 高久玲音・一橋大准教授(医療経済学)は「大学病院が高度医療に軸足を戻すのは自然な流れだが、その分、感染拡大時には公的病院など地域の中核病院に集中的に協力してもらうことが必要だろう」と指摘。そのうえで「自治体には、今後も医療機関任せにせず、地域の状況把握に努め、医療機関ごとの受け入れ目安を示すなどの対応を続けてほしい」と注文をつける。

ワクチン先行接種開始

 新型コロナが5類に移行しても、ワクチンは2023年度中は無料接種が継続される。8日からは、65歳以上の高齢者や持病のある人などを対象に、先行接種が始まった。

 東京都港区の集団接種会場では、初日から高齢者らが次々と訪れた。6回目の接種という中島道夫さん(63)は持病で人工透析を受けており、「重症化リスクがあるので感染したくないし、同居する高齢の母親にもうつしたくない。5類になっても今まで通りの感染対策を続ける」と話した。

 ワクチンは当初、感染拡大を防ぐ狙いもあったが、厚生労働省は、重症化予防を目的と設定した。全世代を対象に秋冬の年1回接種を基本とし、高齢者らは春夏と秋冬の年2回接種できる。接種を強く呼びかける「努力義務」の対象も高齢者らに限定した。

 これは、世界保健機関(WHO)の方針にも沿った対応だ。WHOが3月下旬に改定した指針では、重症化予防には有益として高齢者や持病のある人、妊婦などに接種を推奨。一方で、3回目まで打ち終えた健康な成人や子どもは、オミクロン株の流行が続く状況下では、「得られるメリットはわずか」として、追加の接種は推奨しないとした。

 しかし、日本は欧米と比べ、感染による抗体を持つ人の割合が少なく、まだ流行を繰り返す恐れがある。

 中山哲夫・北里大特任教授(臨床ウイルス学)は「人の動きが活発化し、感染者数は増えるだろう。免疫低下に備えるため、特に高齢者や持病のある人は接種を受けてほしい」と語る。

 注意すべきは、23年度は接種券の配布方法が自治体ごとに異なる点だ。全ての対象者に自治体が送るケースもあれば、希望者が申請する方式もあり、自治体の情報を確認する必要がある。(科学部 村上和史)

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