<読んだ本 2014年10月>
おっ、凄いぞ。
「ねーねー聞いてよ海ちゃん、おとといの金曜日についに累積アクセス数が90万を突破したぞ!」
「・・・・・・」
いつも横着して尻尾で返事するのに、ピクリとも動かない。
(あれっ、まさか死んじゃったんじゃあるまいな)
だいじょうぶかなと覗きこむと、面倒臭そうに頭をもたげたのをみて、ホッとする。
この調子なら念願の100万アクセス突破も来年には達成できそうである。今後とも変わらぬご愛顧をお願いいたします。
十年前の2004年6月28日から、思い立って読書録を付け始めた。能天気なわたしだが、すこしは几帳面なところもあるのである。
過去になんども挑戦して、なんども挫折したのだが、今回は続いている。2008年1月から開始したブログの「雑読録」を書くためにも記録しているのだが、読んだ本をまた借りてしまう愚を避けるためもある。
リストを見てみると、2014年の10月末で、776冊読んだ。
因みに作者名「宮本輝」でソートしてみると、流転の海シリーズでは、「天の夜曲」は2004年10月、「花の回廊」は2009年5月、「慈雨の音」は2012年5月、「満月の道」は2014年9月に読んだことがわかる。
十年分のリストを眺めていると、感慨深いものがある。
さて、今月に読んだ本ですが、今月はまあまあの6冊、累計で69冊だ。
1. ◎血脈の火 流転の海 第三部 宮本輝 新潮文庫
2.◎天の夜曲 流転の海 第四部 宮本輝 新潮文庫
3. ◎花の回廊 流転の海 第五部 宮本輝 新潮社
4. ◎慈雨の音 流転の海 第六部 宮本輝 新潮文庫
5. ○あなたも眠れない 山口恵以子 文芸春秋
6. ○あるじは家康 岩井三四二 PHP文芸文庫
流転の海第三部「血脈の火」。
麻衣子に「哲学って、何を教えてくれる学問やのん?」と訊かれた熊吾が答えて言う。
『「わしに、ベルグソンの哲学を講釈した大学生は、女にふられて睡眠薬を服んで死にかけよった。
ニーチェのツァラトゥストラを読みかけたが、わしには何が何やらさっぱりわからんけん、
途中で投げだした。どんなものでも、根本原理というのは簡潔明瞭なはずじゃ。そうでなきゃあ、
根本の原理と言えん。しかし、世の中に存在する哲学は、難しいて、何が何やらわからん。
世界の根本原理、人生の根本原理、事物の根本原理・・・。ふん、そんなものを学問の範疇に
組み入れることが、すでに根本原理から外れちょるのよ。わしが辞典を作ったら、哲学とは、
人間にとって何が幸福か、人間はどうしたら幸福になれるのかを考察する学問じゃ解説してやる。
そうすりゃ、人情の機微についても、じっくりと考えるようになるじゃろう」』
熊吾の博識、知恵にはなんども驚かされる。
「天の夜曲」のあとがきより。
『「流転の海・第四部」となるこの「天の夜曲」を「新潮」に連載中、私はしきりに運命という言葉を思った。
運命とひとことで片づけるしかない事態が主人公・松坂熊吾とその妻子を大きく包み込み始めたからである。
右の道を行くか左を選ぶか、それとも引き返すかという選択は、ふだんの生活においてはさしたる熟考もなく、
そのときどきの気分や、ふとした思いつきや、曖昧な動機によってなされている。
しかし、そのことが突如大きな人生の変転につながるとしたら、私はそうやって得たもの与えられたものを
運命とは呼びたくない。自らが選んだかぎり、それは運命ではないと思うのである』
「あるじは信長」、「あるじは秀吉」、「あるじは家康」と三冊読み終わって、どうしてもどれか一冊を薦めてくれと言われたら、秀吉くらいかな。
→「読んだ本 2014年9月」の記事はこちら
→「読んだ本 2009年5月」の記事はこちら
→「読んだ本 2012年5月」の記事はこちら
おっ、凄いぞ。
「ねーねー聞いてよ海ちゃん、おとといの金曜日についに累積アクセス数が90万を突破したぞ!」
「・・・・・・」
いつも横着して尻尾で返事するのに、ピクリとも動かない。
(あれっ、まさか死んじゃったんじゃあるまいな)
だいじょうぶかなと覗きこむと、面倒臭そうに頭をもたげたのをみて、ホッとする。
この調子なら念願の100万アクセス突破も来年には達成できそうである。今後とも変わらぬご愛顧をお願いいたします。
十年前の2004年6月28日から、思い立って読書録を付け始めた。能天気なわたしだが、すこしは几帳面なところもあるのである。
過去になんども挑戦して、なんども挫折したのだが、今回は続いている。2008年1月から開始したブログの「雑読録」を書くためにも記録しているのだが、読んだ本をまた借りてしまう愚を避けるためもある。
リストを見てみると、2014年の10月末で、776冊読んだ。
因みに作者名「宮本輝」でソートしてみると、流転の海シリーズでは、「天の夜曲」は2004年10月、「花の回廊」は2009年5月、「慈雨の音」は2012年5月、「満月の道」は2014年9月に読んだことがわかる。
十年分のリストを眺めていると、感慨深いものがある。
さて、今月に読んだ本ですが、今月はまあまあの6冊、累計で69冊だ。
1. ◎血脈の火 流転の海 第三部 宮本輝 新潮文庫
2.◎天の夜曲 流転の海 第四部 宮本輝 新潮文庫
3. ◎花の回廊 流転の海 第五部 宮本輝 新潮社
4. ◎慈雨の音 流転の海 第六部 宮本輝 新潮文庫
5. ○あなたも眠れない 山口恵以子 文芸春秋
6. ○あるじは家康 岩井三四二 PHP文芸文庫
流転の海第三部「血脈の火」。
麻衣子に「哲学って、何を教えてくれる学問やのん?」と訊かれた熊吾が答えて言う。
『「わしに、ベルグソンの哲学を講釈した大学生は、女にふられて睡眠薬を服んで死にかけよった。
ニーチェのツァラトゥストラを読みかけたが、わしには何が何やらさっぱりわからんけん、
途中で投げだした。どんなものでも、根本原理というのは簡潔明瞭なはずじゃ。そうでなきゃあ、
根本の原理と言えん。しかし、世の中に存在する哲学は、難しいて、何が何やらわからん。
世界の根本原理、人生の根本原理、事物の根本原理・・・。ふん、そんなものを学問の範疇に
組み入れることが、すでに根本原理から外れちょるのよ。わしが辞典を作ったら、哲学とは、
人間にとって何が幸福か、人間はどうしたら幸福になれるのかを考察する学問じゃ解説してやる。
そうすりゃ、人情の機微についても、じっくりと考えるようになるじゃろう」』
熊吾の博識、知恵にはなんども驚かされる。
「天の夜曲」のあとがきより。
『「流転の海・第四部」となるこの「天の夜曲」を「新潮」に連載中、私はしきりに運命という言葉を思った。
運命とひとことで片づけるしかない事態が主人公・松坂熊吾とその妻子を大きく包み込み始めたからである。
右の道を行くか左を選ぶか、それとも引き返すかという選択は、ふだんの生活においてはさしたる熟考もなく、
そのときどきの気分や、ふとした思いつきや、曖昧な動機によってなされている。
しかし、そのことが突如大きな人生の変転につながるとしたら、私はそうやって得たもの与えられたものを
運命とは呼びたくない。自らが選んだかぎり、それは運命ではないと思うのである』
「あるじは信長」、「あるじは秀吉」、「あるじは家康」と三冊読み終わって、どうしてもどれか一冊を薦めてくれと言われたら、秀吉くらいかな。
→「読んだ本 2014年9月」の記事はこちら
→「読んだ本 2009年5月」の記事はこちら
→「読んだ本 2012年5月」の記事はこちら
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