<長岡で回転寿司(2)>
鮪の次はなににしようかな・・・。
二組の客が次々と入ってきてテーブル席に座った。
一台しかない切符の自動販売機とかATMのわたしの後ろにずらりと並ばれた気分だ。別に慌てる必要がないのに、回転寿司慣れしていないので早く決めなければと焦ってしまう。
前のカウンターのなかにいた寿司職人が、客の新規注文を受けるのに移動していなくなってしまう。
急がねば・・・。こんどは二皿同時に頼もう。
えーと、鮪が赤だったから、次は白でいこう。白身づくしとついでに大好きな南蛮えびも頼んだ。
白身は真鯛、マトウダイ、平目である。どうれもあっさりして淡泊な甘みがシャリを引きたてる。
(なんてぇ立派なエビだ!)
南蛮エビは大きくて吃驚した。海老の頭の味噌をちゅうちゅう吸ってから、一気の頬張る。や、やばい。自分の南蛮エビ感がちょっと変わってしまうぞ。
夢中で二皿食べきり、ああ食べながらなぜ次を考えていなかったかと自分を叱る。
次も二皿注文だ。まあ、すっかり忘れていたお茶でも飲もう。ガリも皿にとっておこう。
赤、白ときたから、次は青で決まり。鯵がいいかなあとメニューをみてたら、カマスの文字が飛び込んできた。生のカマスは珍しい。いってみよう。
もう一皿は・・・と、えーい白子いっちゃえ。
(生のカマス・・・って、こんなに甘味があって美味しいんだ!)
カマスの強烈パンチにさきほどの白身がかすむ。
店に入る前に、適当につまんだら車のなかから見つけた蕎麦屋に行こうと決めていたのだが、どれも美味しいこの回転寿司、このまま最後までいってしまおうか。
わたしの麺類関係の旨い店的中率は、八十パーセントを超える高いものである。ただし旅先に限って嗅覚がするどくなるという話であるが・・・。
蕎麦にいたっては九十パーセントぐらいの的中率を誇るのだ。あとで後悔しても知らないぞ、と悪魔の声が囁く。うーむ、悩む。この店に入ってから、迷ったり悩んだりばっかしだ。
白子で締めることにした。富寿し、ご免。またくるからさ。
勘定して蕎麦屋に移動する。
運ばれてきたざる蕎麦をみて、にんまりする。どうだ、この見事な蕎麦は・・・。
箸でひとつまみ食べて、納得する。新潟だけでなく、長野県人でも満足するのではないか。
さて、つゆはどうか。つゆをいつものように軽く少量啜って、眼を白黒させる。というより眼が吊りあがり口がひん曲ったのだ。得意の松田優作のモノマネ「なんじゃこりゃあ~」を派手に振り付けつきでやりたくなるが、かろうじて押しとどめた。
イガイガのある、刺だらけの辛いつゆだ。あの東京の辛いと言われる藪系のつゆでも、醤油を三週間寝かせた「かえし」に出汁を加えてつくるので、辛さに刺はないのである。
落語のようにちょびっとだけつゆを付けて、なんとか食べきったが、この店は大失敗だった。八割越えの打率でも、一割チョットは凡打や空振り三振するのである。
ああ、この蕎麦早く忘れたい。口直しにすぐ近くに小嶋屋とか由屋の支店でもあればいいのに・・・。あっても腹一杯で食べられんか。
→「長岡で回転寿司(1)」の記事はこちら
→「正統派のへぎそば」の記事はこちら
→「へぎそばダブル」の記事はこちら
鮪の次はなににしようかな・・・。
二組の客が次々と入ってきてテーブル席に座った。
一台しかない切符の自動販売機とかATMのわたしの後ろにずらりと並ばれた気分だ。別に慌てる必要がないのに、回転寿司慣れしていないので早く決めなければと焦ってしまう。
前のカウンターのなかにいた寿司職人が、客の新規注文を受けるのに移動していなくなってしまう。
急がねば・・・。こんどは二皿同時に頼もう。
えーと、鮪が赤だったから、次は白でいこう。白身づくしとついでに大好きな南蛮えびも頼んだ。
白身は真鯛、マトウダイ、平目である。どうれもあっさりして淡泊な甘みがシャリを引きたてる。
(なんてぇ立派なエビだ!)
南蛮エビは大きくて吃驚した。海老の頭の味噌をちゅうちゅう吸ってから、一気の頬張る。や、やばい。自分の南蛮エビ感がちょっと変わってしまうぞ。
夢中で二皿食べきり、ああ食べながらなぜ次を考えていなかったかと自分を叱る。
次も二皿注文だ。まあ、すっかり忘れていたお茶でも飲もう。ガリも皿にとっておこう。
赤、白ときたから、次は青で決まり。鯵がいいかなあとメニューをみてたら、カマスの文字が飛び込んできた。生のカマスは珍しい。いってみよう。
もう一皿は・・・と、えーい白子いっちゃえ。
(生のカマス・・・って、こんなに甘味があって美味しいんだ!)
カマスの強烈パンチにさきほどの白身がかすむ。
店に入る前に、適当につまんだら車のなかから見つけた蕎麦屋に行こうと決めていたのだが、どれも美味しいこの回転寿司、このまま最後までいってしまおうか。
わたしの麺類関係の旨い店的中率は、八十パーセントを超える高いものである。ただし旅先に限って嗅覚がするどくなるという話であるが・・・。
蕎麦にいたっては九十パーセントぐらいの的中率を誇るのだ。あとで後悔しても知らないぞ、と悪魔の声が囁く。うーむ、悩む。この店に入ってから、迷ったり悩んだりばっかしだ。
白子で締めることにした。富寿し、ご免。またくるからさ。
勘定して蕎麦屋に移動する。
運ばれてきたざる蕎麦をみて、にんまりする。どうだ、この見事な蕎麦は・・・。
箸でひとつまみ食べて、納得する。新潟だけでなく、長野県人でも満足するのではないか。
さて、つゆはどうか。つゆをいつものように軽く少量啜って、眼を白黒させる。というより眼が吊りあがり口がひん曲ったのだ。得意の松田優作のモノマネ「なんじゃこりゃあ~」を派手に振り付けつきでやりたくなるが、かろうじて押しとどめた。
イガイガのある、刺だらけの辛いつゆだ。あの東京の辛いと言われる藪系のつゆでも、醤油を三週間寝かせた「かえし」に出汁を加えてつくるので、辛さに刺はないのである。
落語のようにちょびっとだけつゆを付けて、なんとか食べきったが、この店は大失敗だった。八割越えの打率でも、一割チョットは凡打や空振り三振するのである。
ああ、この蕎麦早く忘れたい。口直しにすぐ近くに小嶋屋とか由屋の支店でもあればいいのに・・・。あっても腹一杯で食べられんか。
→「長岡で回転寿司(1)」の記事はこちら
→「正統派のへぎそば」の記事はこちら
→「へぎそばダブル」の記事はこちら
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