温泉クンの旅日記

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四万十川

2008-12-14 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <四万十川>

 内子町から四万十川に向かう。
 ナビが選んだ道はやたら細くて不安になったが、やがて国道並みの広さの道に
合流してほっとする。
 たっぷり走ったころ、見覚えがあるホテル星羅の看板が見えてきた。

(やった、上流のほうだ! これで片道だけだ、往復しなくてもすむぞ)



 蛇行している四万十川流域の道は当然ながらS字カーブの連続であり、とにかく
狭い。
 乗用車二台がすれ違えるていどである。そこにダンプカーがドリフト族なみに
疾走しているのだから死ぬほど怖い。
 見通せないカーブの向こうからいきなりダンプカーが「フッ!」と全容を現す
のだから、とにかく心臓が止まりそうになり息もとまる。あわててブレーキを
踏みつけて、かん高い騒音をあげながらエアーブレーキで停車したダンプカーの
鼻面で急停車する。
 蒼白となりながらも、ダンプカーはバックする気もないから乗用車のこちらの
ほうが、S字カーブをすれ違える場所までバックする。これの繰り返しだ。だから
往復だとかなりしんどく、疲れるのだ。


 
 四万十川は高知県でもっとも長い川で、四国二位の流域面積を持つ。
 本流に大規模なダムが建設されていないことから「日本最後の清流」と呼ばれて
いる。また、柿田川、長良川とともに「日本三大清流」のひとつとも呼ばれる。



 流域に湧き水が多く、支流以外のあちこちから常にきれいな水が供給されている
のだ。

 四万十川には支流も含めて四十七の沈下橋があり、高知県では生活文化遺産と
して保存されている。
 沈下橋の広さは普通乗用車一台くらいがやっとくらいだ。
 車を止めて徒歩で途中までいってみた。





 人口の構築物があまりないので、どこまでも清流と重なる山々である。
 瀬音だけが聞こえる圧倒的な風景のなかにいると、昨日までの日常が思い出せな
くなる。

 



 水質のいい四万十川であるから、川漁で生計を立てている人が多い。天然ウナ
ギ、アユ、ゴリ、モクズガニ、テナガエビなどの魚介類のほか、青海苔も有名であ
る。



 この川ではいまでも伝統漁法が使われているという。
 そのひとつ柴漬けと呼ばれる漁法はテレビで観たことがあるが、葉の付いたまま
の枝を束ねて水中に沈め、数日すると枝や葉の隙間にテナガやウナギ、カニ、魚が
住みつくので、柴漬けを上げ獲物を振り落とすのである。
 他にもコロバシとかゴリガラ曳きとかいう漁法もある。

 今回は四万十旅は、下流に向かって爆走するダンプカーの後ろにぴったりついて
走ることにした。あいかわらずの狭い道だが実に楽に走行することができた。

 高岡郡津野町の不入山(いらずやま)を源流とし、逆S字を描くように蛇行しな
がら多くの支流を集め、四万十市で「渡川」というもともとの名前に戻って太平洋
に注ぎこまれるのだ。




 → 「内子町を歩く(1)」の記事はこちら


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