温泉クンの旅日記

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鬼子母神から王子権現へ(2)

2013-08-11 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <鬼子母神から王子権現へ(2)>

 鬼子母神から王子権現までは、乗りでがあるけど都電一本でいける。わたしは、バスは大の苦手だが都電には長く乗ってもぜんぜん平気なのだ。
 ずいぶん新型車が多いようで冷房もよく効いていて快適である。



 発車するたびに「チン!チン!」とけたたましく鉦の音がする。その音が気にならなくなったころに、王子駅前に到着した。
 腹が減ったので、鬼子母神の近くのコンビニで買ったパンをバッグから取り出し、誰もいなくなったベンチで食べた。鬼子母神駅のベンチで食べようと思ったら計ったように電車が入ってきてしまったのだった。

 あれれ、なんか前にも同じようなことをしたことを思いだす。けっして、デジャヴではないぞ。





 たしか・・・去年だったか、三ノ輪の青木屋でコロッケを挟んだコッペパンを買って都電に乗り、王子駅のベンチでむしゃむしゃ食べたのだった。あれはでかくて喰いでがあったっけ。



 国道と都電をまたぐ陸橋を渡り、王子駅の中を通り抜け、音無川沿いを歩いて、権現社につづく階段を昇っていく。






  『王子権現社は、伊弉冉尊・速玉男命・事解男命の三神をまつり、むかし、紀伊の国
   の熊野権現をここへ勧請したものだとか・・・・・・。

   社の北方には有名な王子稲荷の社があり、ここは関東における稲荷の総本山で、
   毎年の大晦日には関八州の狐全員があつまるものだから、当夜は音無川の岸辺を
   無数の狐火がゆらゆらと群をなして境内へ入って来るのだそうな。

   現在の北区王子本町。国電の王子駅の西方一帯が、両社の境内であった。
   鬱蒼たる樹林にかこまれた境内の外を音無川がながれめぐり、あたりは武蔵の国の
   田園地帯の風趣も濃厚で、近くの飛鳥山の桜花は江戸人の間に名高い。このように
   美しい景観をたのしみつつ、権現社へ稲荷社へ参詣し、音無川の岸辺にたちならぶ
   茶屋で酒食をすまして帰る。こうしたことが当時の人びとの遊山行楽の最たるもの
   で、王子詣りは四季を通じて絶えたことがない。』 
            文春文庫 池波正太郎著 鬼平犯科帳5巻「山吹屋お勝」より




 王子駅に戻る。この王子から赤羽は目と鼻の先である。



 京浜東北線でわずかふた駅、五分でいけるのだ。
 赤羽もいわゆる酒呑みの聖地、昼間っからというより、朝から呑めるパラダイスである。鬼子母神、王子権現となんとなく功徳をつんだようだから、ちょいと足を伸ばしてみたい。
 ここからまっすぐに帰るテはないだろう。


  ― 続く ―


   →「鬼子母神から王子権現へ(1)」の記事はこちら

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