<奈良、東大寺・二月堂へ(5)>
二月堂は天平勝宝4年(752年)に「良弁」の弟子「実忠」によって創建されたが、寛文7年(1667年)に失火により焼失してしまう。
現在の堂宇は寛文9年(1669年)に再建されたもので、正面7間、奥行10間に及ぶ大建築である。急な斜面の上にあって、京都の清水寺と同じ「舞台造(懸造)」になっている。
堂の北側から回廊に上がる。
「この回廊を、錬行衆が燃え盛る『籠松明』を持って駆け抜けるわけか・・・」
『二月堂縁起』によれば、修二会の創始者・実忠(じっちゅう)は、笠置の山中で目にした天界の菩薩たちの法要に感動し、人間界でも行いたいと願い出たが、「天界の速い時間の流れに追いつくために走って法要を行う」と誓ったことで、これを行うことを許されたという。
しかし、通常の松明で重さ40キロと、小柄な女性一人分の重さである。籠松明に至っては倍の80キロと、担いで走るには相当な重量だ。
調べると、担当する一人の錬行衆には、それぞれ世話係りの「童子」と呼ばれる人が付くそうで、ようやく納得する。
よく見ると両側の欄干の端には、火の粉を撒き散らすためか、松明をバシバシ叩いたような跡がある。
「あ、あの木々の上に顔を出しているのは大仏殿の屋根だ! ここは奈良盆地を一望できるな!」
二月堂は入場無料で、24時間いつでも拝観可能の奈良の眺望スポットである。
(・・・お参りしていくとするか・・・)
先客が長い時間、真剣に祈り続けていたのでちょっと遠慮していたのだが、そろそろ終わりそうだ。
二月堂の本尊は、大観音と小観音と呼ばれる大小2体の「十一面観音像」を祀っている。どちらの観音像も、僧侶を含め何人も観ることのできない「絶対秘仏」である。
二月堂の堂宇は、前半が礼堂と西局と舞台,後半が内陣と外陣及び局で構成されている。
参拝をすませて、堂宇の南側に周りこむと手水舎をみつけた。
唐破風の屋根を持つ手水舎で、水槽には龍が巻付いている立派なもので、こちらが正式な手水舎である。
どうやら、わたしが選んだ掟破りの北側登廊の「手水鉢」ルートより、南側の「青石壇」を昇り「正式手水舎」を使う通常ルートのほうが、断然お薦めだ。
― 続く ―
→「奈良、東大寺・二月堂へ(1)」の記事はこちら
→「奈良、東大寺・二月堂へ(2)」の記事はこちら
→「奈良、東大寺・二月堂へ(3)」の記事はこちら
→「奈良、東大寺・二月堂へ(4)」の記事はこちら
二月堂は天平勝宝4年(752年)に「良弁」の弟子「実忠」によって創建されたが、寛文7年(1667年)に失火により焼失してしまう。
現在の堂宇は寛文9年(1669年)に再建されたもので、正面7間、奥行10間に及ぶ大建築である。急な斜面の上にあって、京都の清水寺と同じ「舞台造(懸造)」になっている。
堂の北側から回廊に上がる。
「この回廊を、錬行衆が燃え盛る『籠松明』を持って駆け抜けるわけか・・・」
『二月堂縁起』によれば、修二会の創始者・実忠(じっちゅう)は、笠置の山中で目にした天界の菩薩たちの法要に感動し、人間界でも行いたいと願い出たが、「天界の速い時間の流れに追いつくために走って法要を行う」と誓ったことで、これを行うことを許されたという。
しかし、通常の松明で重さ40キロと、小柄な女性一人分の重さである。籠松明に至っては倍の80キロと、担いで走るには相当な重量だ。
調べると、担当する一人の錬行衆には、それぞれ世話係りの「童子」と呼ばれる人が付くそうで、ようやく納得する。
よく見ると両側の欄干の端には、火の粉を撒き散らすためか、松明をバシバシ叩いたような跡がある。
「あ、あの木々の上に顔を出しているのは大仏殿の屋根だ! ここは奈良盆地を一望できるな!」
二月堂は入場無料で、24時間いつでも拝観可能の奈良の眺望スポットである。
(・・・お参りしていくとするか・・・)
先客が長い時間、真剣に祈り続けていたのでちょっと遠慮していたのだが、そろそろ終わりそうだ。
二月堂の本尊は、大観音と小観音と呼ばれる大小2体の「十一面観音像」を祀っている。どちらの観音像も、僧侶を含め何人も観ることのできない「絶対秘仏」である。
二月堂の堂宇は、前半が礼堂と西局と舞台,後半が内陣と外陣及び局で構成されている。
参拝をすませて、堂宇の南側に周りこむと手水舎をみつけた。
唐破風の屋根を持つ手水舎で、水槽には龍が巻付いている立派なもので、こちらが正式な手水舎である。
どうやら、わたしが選んだ掟破りの北側登廊の「手水鉢」ルートより、南側の「青石壇」を昇り「正式手水舎」を使う通常ルートのほうが、断然お薦めだ。
― 続く ―
→「奈良、東大寺・二月堂へ(1)」の記事はこちら
→「奈良、東大寺・二月堂へ(2)」の記事はこちら
→「奈良、東大寺・二月堂へ(3)」の記事はこちら
→「奈良、東大寺・二月堂へ(4)」の記事はこちら
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