<太秦映画村(5)>
「うわぁー、プリキュアオールスターズだよ!」

かなり人気があるらしく、中学生だか高校生くらいの女子が群がって二、三人ずつ前に立ってスマホで記念写真を撮っていた。
テレビで放映している女子小学生くらいの歳向けのアニメキャラクターで、ごく普通の少女が、妖精に頼まれて伝説の戦士「プリキュア」へ変身して悪の組織を倒すというストーリーだそうだ。

そぼ降る冷たい雨のなかを莫迦みたいに精力的にうろつき廻ったので、身体がすっかり冷えきってしまって、
(そうだ、パディオスのなかに大食堂があったはずだ・・・)
きっと酒くらいあるかもしれないと誰にともなくひとつ大きく頷くと施設の建物に勇んで来たのだが、真っ直ぐ大食堂もチョッピリ罪悪感があり、酒の前に施設をひと廻りすることにしたのだ。

レストラン「チャンバラ」は団体五百五十席、個人二百席という大きな食堂であった。
入って左側が団体席で本日の客は障害児の団体らしく異様に賑やかである。チケット制ではなく後払いのようで右側の空いた席に進む。

熱燗を一本と、酒のつまみらしものがまるでないのでフライドポテトを注文した。

熱燗と熱々のポテトで温まりひと息つくと、先ほどみたもうひとつのキャラクターのことを思いだす。
そのキャラクターとは「ぐでたま」である。


「ぐでぐでとしたやる気のない卵」で、焼いたり茹でたりと調理してもだらしのない性格が変わることはないそうだ。
小さな子どもを持つ親ならともかく、わたしはどちらも寡聞にして知らなかった。

しかし「一見真面目そうだがジツは『ぐでたま』のような性格のヤツ」ってなんとなく周りにも確かにいるなぁ・・・。あっ、あいつは間違いなく、<ぐでたま>だな。おぉ、彼女もそうだ。
友人や同僚、上司などの顔をあれこれ思い浮かべてついニヤニヤしてしまう。

含み笑いしながら熱燗二本呑んだところで、無性に煙草が吸いたくなってきた。
できれば寒い外の喫煙所じゃないほうがいい。そういえば喫茶店があったな。とりあえずあそこを覗いてダメならあきらめて噴水のとこで吸うか。

ガラス扉から覗くと、なんとテーブルの上に灰皿を発見した。
入ると、店の入り口付近のテーブルだけが喫煙席で、狭き門だがひとつ確保した。

珈琲を頼むと、煙草に火を点ける。
煙草を吸いながらもうすこし、周りに生息している<ぐでたま>探しを頭のなかで楽しんだら京都駅に向かうとしよう。
→「太秦映画村(1)」の記事はこちら
→「太秦映画村(2)」の記事はこちら
→「太秦映画村(3)」の記事はこちら
→「太秦映画村(4)」の記事はこちら
「うわぁー、プリキュアオールスターズだよ!」

かなり人気があるらしく、中学生だか高校生くらいの女子が群がって二、三人ずつ前に立ってスマホで記念写真を撮っていた。
テレビで放映している女子小学生くらいの歳向けのアニメキャラクターで、ごく普通の少女が、妖精に頼まれて伝説の戦士「プリキュア」へ変身して悪の組織を倒すというストーリーだそうだ。

そぼ降る冷たい雨のなかを莫迦みたいに精力的にうろつき廻ったので、身体がすっかり冷えきってしまって、
(そうだ、パディオスのなかに大食堂があったはずだ・・・)
きっと酒くらいあるかもしれないと誰にともなくひとつ大きく頷くと施設の建物に勇んで来たのだが、真っ直ぐ大食堂もチョッピリ罪悪感があり、酒の前に施設をひと廻りすることにしたのだ。

レストラン「チャンバラ」は団体五百五十席、個人二百席という大きな食堂であった。
入って左側が団体席で本日の客は障害児の団体らしく異様に賑やかである。チケット制ではなく後払いのようで右側の空いた席に進む。

熱燗を一本と、酒のつまみらしものがまるでないのでフライドポテトを注文した。

熱燗と熱々のポテトで温まりひと息つくと、先ほどみたもうひとつのキャラクターのことを思いだす。
そのキャラクターとは「ぐでたま」である。


「ぐでぐでとしたやる気のない卵」で、焼いたり茹でたりと調理してもだらしのない性格が変わることはないそうだ。
小さな子どもを持つ親ならともかく、わたしはどちらも寡聞にして知らなかった。

しかし「一見真面目そうだがジツは『ぐでたま』のような性格のヤツ」ってなんとなく周りにも確かにいるなぁ・・・。あっ、あいつは間違いなく、<ぐでたま>だな。おぉ、彼女もそうだ。
友人や同僚、上司などの顔をあれこれ思い浮かべてついニヤニヤしてしまう。

含み笑いしながら熱燗二本呑んだところで、無性に煙草が吸いたくなってきた。
できれば寒い外の喫煙所じゃないほうがいい。そういえば喫茶店があったな。とりあえずあそこを覗いてダメならあきらめて噴水のとこで吸うか。

ガラス扉から覗くと、なんとテーブルの上に灰皿を発見した。
入ると、店の入り口付近のテーブルだけが喫煙席で、狭き門だがひとつ確保した。

珈琲を頼むと、煙草に火を点ける。
煙草を吸いながらもうすこし、周りに生息している<ぐでたま>探しを頭のなかで楽しんだら京都駅に向かうとしよう。
→「太秦映画村(1)」の記事はこちら
→「太秦映画村(2)」の記事はこちら
→「太秦映画村(3)」の記事はこちら
→「太秦映画村(4)」の記事はこちら
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます