温泉クンの旅日記

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モティのナン

2011-03-27 | 食べある記
  <モティのナン>

 なにを隠そう、わたしは猫手である。
 熱いもの、たとえば熱い茶碗とか熱い湯呑とかレンジで燗した徳利などは、ジツにどうも危なかっしく情けない手つきで取り扱うことになる。手のひらの皮膚が薄いのかもしれない。

 ただし猫手であるが、猫舌ではない。
 熱いものは大の好きである。
 熱いものは熱いうちに早く食べたいし、早く呑みたい。唇や舌、口の中が火傷しようが熱いうちに飲食したいのだ。
 焼きあがった餃子などが、すぐさま運ばれずに放置されていると、まさかあれはオレのではあるまいなと気になってしょうがない。

 ナンもそうだ。熱いうちに食べたい。

 ひさしぶりに赤坂にナンを食べにいってみた。わたしが初めてナンを食べて、ナンが好きになった店に、だ。

 赤坂見附である。



 駅を出たところの裏通りを歩く。


 
 馴染みだったイタリアンの店の先、ビルの二階に「モティ」はある。



「あれれっ・・・」
 なんだよ、3月11日(金)を以て閉店かよ! 大地震の日じゃないか・・・なにか関係あるのかな。
 なになに赤坂本店は33年の長きにわたる営業を終了・・・TBS前店を利用してくれ・・・か。



 というわけで、急遽モティ赤坂本店からTBS前の店に変更だ。
 TBSの前の交差点のところにあるビルの三階にあるので割とわかりやすかった。

「野菜カレー、ナンで」
 窓際の席について、昔よく食べたものをメニューも見ずに注文した。店にはわたしの他には客がカップルひと組だけである。



 この店は、海老カレーが有名なのだがココナッツミルクが効いてちょいマイルド過ぎて、ナンには野菜カレーのほうが辛みがあってバッチリ合うのである。
 交差点のへんは、TBSのビル風が吹き荒れている。



「お飲みものはどういたしましょうか」
「では、ラッシーで」
「かしこまりました;
 たしかこの店は煙草を吸えたはずなので、訊いてみるとランチタイムだけ今はご遠慮いただいているとのことだった。午後一時を過ぎれば吸える。



 まずラッシーが、ほどなく野菜カレーが運ばれてきて、次いで熱々のナンが届いた。
 あまりに久しぶりなので、その大きさに驚く。皿をはみ出て先っぽがテーブルに垂れ下がってしまう。



(これを、わたしはいつも二枚食べていたのか・・・)
 おっと、そんなことを思いだして感心している場合ではない。食べよう。
 ナンを千切ってカレーを浸して食べる。ここのナンは千切るときに、焼いた旨い餅のようにすこし伸びるのだ。

(う、旨い! やっぱりこれだよ、ナンはこうでなくてはいけねぇよ)
 パクパクモリモリ食べて、野菜だけ残ってしまう。ナンを、そのころのように二枚は無理だが一枚半ならいまでも充分いけそうである。
 最後にカレーが沁みた野菜をいただく。
 そろそろ、ランチ客が次々とはいってきて混み始めてきた。

 注文を聞いていると野菜カレーとナンが圧倒的に多いようだ。ちなみに野菜カレーとナンにラッシーが付いて、九百五十円とお手頃な料金である。



 そういえば昨日の昼はカレー丼に味噌ラーメン、夜にはアルプスの280円のコロッケカレーを食べて、今日が野菜カレーである。

(なにが、「一週間に一回はカレーを食べる」だ・・・とんだカレー好きの大嘘つき野郎だな)
 食後のラッシーを飲みながら、秘かに苦笑いをしてしまう。

(今、このブログもカレーパンを食べながら書いているわたしである・・・。これでは「温泉クンを「カレーくん」に改名しなければならんかのぉ)


  →「赤坂で、パスタ・ランチ」の記事はこちら
  →「アルプスのカレーライス」の記事はこちら
  →「幸せの黄色いカレー」の記事はこちら

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