温泉クンの旅日記

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読んだ本 2020年7月

2020-08-02 | 雑読録
  <読んだ本 2020年7月>

 巴戦の可能性すらある本日の千秋楽、心情的にはどん底から這い上がってきた照ノ富士を応援してしまうが、さて、どうなるのだろうか。

 コロナの感染拡大が止まらない。病院も怖いし、うっかり咳とか熱だけの風邪さえ引けないような時代に突然引きずり込まれてしまったな、と実感している。 
 わたしは自他ともに認める“能天気ヤロウ”だが、日本全体が自粛要請に従っているときには、さすがに「こいつって、非国民じゃん!」と思われてもいやなので温泉ネタの記事の更新はずーっと遠慮していた。
 でも6月下旬から「助さん、格さん、もぉーいいでしょう!」っていう雰囲気になって、ついにはなんと今月下旬に「Go To トラベル キャンペーン」も始まったので再開することにした。

 


 電車は川治温泉を過ぎて鬼怒川温泉に向かっていたのだが、気が変わって次の龍王峡駅で降りることにした。

 

 龍王峡にはたぶん行ったことあるはずだが、とんと思い出せない。なに、行けば思いだすだろう。階段をジグザグと降りていくと、見覚えがある「虹見の滝」が見えてきた。

 

 

 さらに進むと、「虹見橋」があって渓谷が一望できた。この景観にも記憶があった。

 

 今から二千二百万年前、というとんでもない大昔、海底火山の活動で噴出した火山岩が鬼怒川の流れに侵食され現在の景観になったといわれる。

 

「むささび橋」まで行きたいが、これ以上歩くと一時間コースになってしまう。ちょいとの時間つぶしのつもりだったので、大汗かいて階段道を戻る。

 
 
 土産物屋の前のベンチを借りて一服していると、冷たい氷入りの茶を出してくれた。なんと茶受けの沢庵までいただいてしまう。
 おもてなし作戦だろうけど、心遣いに恐縮して、おにぎりを握って持ち帰り、電車のなかで弁当にすることにした。ついでにカップ酒を所望したが、栃木ゆずのチューハイ(瓶)しかないといわれそれで手を打った。結果、高いお茶代となってしまったが、なに、これも旅先の一興である。

 さて7月に読んだ本ですが、少なめの6冊、年間累計で39冊でした。
 先月、今月と途中で投げた本(△印)が続く。つまらないと、投げると決めるまで時間がかかるし読書欲が落ちる。

 1. △夜行          森見登美彦 小学館文庫
 2. ○教団X          中村文則 集英社文庫
 3. ○鴨川食堂 まんぷく    柏井壽 新潮文庫
 4. △ぼんくら 上      宮部みゆき 講談社文庫
 5. ○侠飯(おとこめし) 2  福澤徹三 文春文庫
 6. ○侠飯(おとこめし) 3  福澤徹三 文春文庫

 「みをつくし料理帖」、「鴨川食堂」、「侠飯」など、食のジャンルの本を読むようになったのは、映画「深夜食堂」を観てからだと思う。テレビドラマのほうはいまでも深夜(たしか水曜未明)に再放送している。主人公役小林薫の味わいのある渋い演技で、いま観ても珠玉のドラマだと思う。

 柳刃がつくった賄いのきのこパスタを食べながら、老人の、子分と組長の会話である。

  『「ス、スパゲッティっていうのは。せ、正式にはフォークとスプーンで食べるんでしょうか」
  「バカ野郎ッ。わしにそんなこと訊くんじゃねえッ」
  「イタリアではフォークだけで食べます。スプーンを使うのは子どもの食べかたなので、マナー
  としてはよくないそうです」
   と柳刃がいった。』

 
 わたしもフォークだけで食べるぞ。子どもの食べかた・・・か。スプーンとフォークで器用に食べる女性に聞かせたい。

 

  『柳刃の手伝いをしていて、料理は金じゃないと気づいた。限られた食材から、どれだけ美味しさを
  ひきだせるかが大切なのだ。
   いままでの自分は、贅沢の意味を履きちがえていたのかもしれない。
   そんな疑念が湧いた。山ほど金を稼いで贅沢がしたいから、串刺連合に入って闇金になった。
  だが大金を払って高級な店で食べなくても、三百円の賄いでじゅうぶん満足を味わえる。』

                    二つとも 文春文庫「侠(おとこ)飯3」より

 一食三百円以内との限られた食材から美味しさを引きだす・・・か。こうなると料理も一種のアートだ。


    →「読んだ本 2020年6月」の記事はこちら


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