温泉クンの旅日記

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ぐでぐで千鳥足に段差は禁物

2014-08-10 | 旅エッセイ
  <ぐでぐで千鳥足に段差は禁物>

 どこかしらに油断があったのだろう・・・。

 三日前の木曜日に送別会があって呑んだ。
 およそ信じられないが禁煙の居酒屋だったため、いつもよりハイペースで濃い焼酎水割りを自らつくって次々と呑みほしていった。わたしの脇には空のボトルが三本並んだ。全部ひとりで呑んだわけではないが、二本近くはいっていた筈だ。いま思えば、ここらで既に限界を超えていたのだ。

 サンダルを履いて暑い外にいって煙草を吸ったのが二本だけだった。
 送別会がお開きになるともう一軒いきましょうと誘われ、煙草をとにかく吸いたいわたしは二つ返事で同行することにしたのだった。



 記憶はここまでで、次が戸塚駅であった。二軒目の店も帰り道も覚えていないので、電車で爆睡したのかもしれない。
 でも戸塚駅で無事に降りたのは凄いラッキーである。乗り越したら戻りの電車はもうない時間だ。

(コンビニで煙草を買っていくか・・・)
 駅からの帰り道には三軒のコンビニがある。



 家にも近いので、一番利用するのは図書館前のローソンだ。
 千鳥足でコンビニに寄り、煙草とミネラルウォーターを買ってコンビニの階段を降りる。



 千鳥足で降りたのがいけなかった。
「わっ」
 一瞬もつれてバランスを崩し、飛込むように倒れ込む。みるみる歩道が眼の前に迫ってきて、顔面から固い路面に着地した。



 コンビニ前で喫煙していた人たちが駆け寄って「だいじょうぶですか」「救急車呼びましょう」「目の前の病院に連れていきましょう」などと声をかけてくれる。
 右掌が傷ついて出血しているものの骨折はないようなので、「ありがとうございます。だいじょうぶですので」と皆にお礼を言って、千鳥足にならないように気をつけて歩きだす。

 翌朝、右掌にワンタッチパッドを貼って出社すると、「喧嘩したんですか」とか「殴られたんですか」と次々と訊かれた。顔を洗ったときにちょっと痛かったが、まあだいじょうぶだろうとそのまま通勤したのだった。

 昼を過ぎると、震災からしばらくして被災状況が広がるように、あちこちが痛くなってきた。
 右の頬から眼の下あたり、左の掌、左肩、右肩、首がじわじわと痛み出す。きっと、顔面への打撲を少なくするために両掌で着地の衝撃を緩衝しようとしたためである。
 顔のためにキズパワーパッド、打撲用にゼノールを買ってマメに塗ることにした。



 顎、下唇も痛み、前歯が固い食物を厭がって柔らかいものしか食べられなくなってしまった。顎も打撲したのだろう。骨折とか罅とかがなかったのが、とにかくの幸いと考えるしかない。
 台風11号が今朝高知に上陸、横浜も不穏な天候が朝から続いている。わたしの痛みも今日あたりがピークであろう。ひたすらおとなしくしていよう。

 酒豪の大先輩たちが、呑み過ぎて駅のホームに落ちたとか駅の階段で転倒したとか聞くたびに、「もう・・・呑みすぎなんだよ、歳を考えろよ」などと、わたしは面白がって悪態をついていた。
 そのわたしが、駅では無事で、まさかコンビニで転倒するとはなんとも情けない話である。もしも旅先だったらひと騒ぎになる。

 四半世紀も前に訪れた化野念仏寺で見た額にこう書いてあったのが忘れられない。
   『子ども叱るな来た道だ、年寄り笑うな行く道だ』



 全国の酒豪のかたがた、「ぐでぐでの千鳥足に段差は絶対禁物」をぜひとも他山の石としてくれたまえ、わたしも肝に銘じるので。


  →「ぐでぐで」の記事はこちら
  →「冷酒でドカン」の記事はこちら

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