温泉クンの旅日記

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武田神社 山梨・甲府

2007-12-02 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <武田神社>

 昇仙峡からナビまかせで武田神社に向かう。
 晴れ上がった秋の空にそびえる、いわゆる「うら富士」がきれいだ。



 昨日、オートバイなみの猛スピードで駆け抜けた強い勢力の低気圧がもたらした
ひどい雨のおかげで空気が澄み渡っている。山の上のほうでは雪になったようで
ある。



 静岡と山梨で、どちらのほうから見える富士山が表か裏かでもめているようだ
が、やはり東海道側からみた南側のほうが「表富士」だと横浜に住むわたしは思っ
てしまう。

 裏道を走っているうちに、なんと武田神社の専用駐車場にたどり着いた。料金は
「無料」という表示に迷わずハンドルを切ってしまう。
 だいたい観光地は十分駐車しても何時間駐車しても五百円などというところが
多くて腹がたつのだ。五百円くらい・・・と思うかもしれないが、たまにしか旅
しないひとなら気にしないだろうがわたしはそうではない。昼食もそうだが代金に
見合ったものをできるだけ食べたいのだ。



 武田家三代(信虎、信玄、勝頼)の根城とした躑躅ヶ崎館が現在の武田神社で
あり、大正になって創建され信玄がまつられている。
「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」とあるように、武田家は
とくに城も石垣もつくらず「館」で足りたようだ。



 武田神社の前に立ち甲府の街を見下ろすと、たしかにこの地は周囲を山で囲まれ
た自然の要害であることを実感できる。甲府駅からまっすぐなゆるい坂道を上り詰
めたところに神社は位置している。



 ただ他国からの攻撃から護りやすいということは、他国への侵略もしにくいと
いうことにつながる。宿敵である上杉謙信と戦うために越後方面に戦にいくにして
も、とりあえず佐久に抜ける道と諏訪に向かう道ぐらいしか甲府からでは思いつか
ない。



 希代の名将武田信玄も背後にあの猛将上杉謙信の存在さえなければもっと早く
上洛できたことと思う。



 この武田神社から一望する甲府盆地のこの風景を、戦のたびに信玄も目に焼き付
けて出陣したのだろうと思うと感慨がある。

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