< 臨機応変 >
仕事は雑把に大別すると、繰り返し決まりきったものと突発的なものとがある。
突発的なものはすべて自分でこなせば問題ないが、そうもいかない。突発的な
もののうち、それほど急がないものは部下にまわす。
そんなとき「ぜんぜん急がないから、これやっておいて」とか「いつでもいい
から、この書類作成しておいて」とかの指示をよく使う。
この「ぜんぜん急がないから」あるいは「いつでもいいから」という言葉がくせ
ものである。
そのまんま信用してなんにも手をつけていないと、とんでもないことになったり
するのだ。
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「このあいだ、頼んだのやっておいてくれた?」
「え、急がないって言ってましたから、なにもまだ・・・」
「あ、そう。じゃあ、XXさんに頼むからいいや」
「・・・・・・」
気にしないで構わないから。そういうセリフとは裏腹に、<使えない奴>という
レッテルをバッチリ貼られ、大事そうな仕事を一切頼まれなくなったりするので
ある。
急がないからいつでもいいから、この「急がないから」にはひとにより相当に
幅とか差があるのだ。上司の性格もあるだろうし、頼まれたひとを試していること
も多いのである。
言われたらヨクヨク気をつけねばならない。日常業務を優先するか、こちらを
優先するか。臨機応変というのも、大事な才能のひとつである。
ちなみにわたしが「急がないから」と言って仕事を頼む時は二、三日が期限で
あり、「いつでもいいから」は約一週間である。それを超えてまったく手も付けて
いないようであれば、誰かほかのひとに頼んでしまうか自分でやってしまう。
旅館やホテルは、たいていチェックインの時間が決まっている。
「お疲れ様でございました。あの、当館のチェックインは午後三時でございますの
で・・・」
「ああ、ぜんぜん構いません。ロビーで待たせてもらいますので」
性格的なものだと思うが、わたしは早めに到着することが多い。だいたいいつ
も、チェックイン時間の三十分から一時間ほど早めについてしまう。
(この旅館は、いったい何時ごろに部屋に案内するだろうか・・・)
そう思いながら、煙草を吸い新聞を読んで暇をつぶす。
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客はいろいろである。
夕食の時間を過ぎても現れないひともいる。電話もよこさない。夕食は無駄に
なるのだろうか。完全に来ないなら、先ほどから何本も受けた電話の飛び込み客に
売ってしまいたい。そうもいかず宿では気をもむばかり。
そこへいくと、早めに到着するひとは、本当にありがたい。そう、心底思って
対応してほしいのだ。頼むぜ。長く待たされてよろこぶ客はまずいないのである。
あるとき、豪雨のなかで、あちこち電話しまくってやっと宿がとれたことが
ある。いまさら、豪雨のなか観光もできない。
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「そちらのチェックインは何時からでしょうか」
「はい、午後三時となっていますが・・・本日でしたら、いつでもいらしていただ
いても結構でございます」
これだ、これだよ。えらい。こんな返事を聞くことはなかなかありません。
朝食つき一泊であったのが豪雨が夕方になっても一向に衰えず、やむなく夕食を
頼んでみると快く用意してくれた。わたしがこのホテルのリピーターになってしま
ったのは、言うまでもない。
サービス業には臨機応変、融通無碍といったものが、ある程度は必要である。
チェックイン時間になるまで案内しない、そんな杓子定規な宿には、言うまでも
なく金輪際いかない。
→文中の、リピーターになってしまったホテル
仕事は雑把に大別すると、繰り返し決まりきったものと突発的なものとがある。
突発的なものはすべて自分でこなせば問題ないが、そうもいかない。突発的な
もののうち、それほど急がないものは部下にまわす。
そんなとき「ぜんぜん急がないから、これやっておいて」とか「いつでもいい
から、この書類作成しておいて」とかの指示をよく使う。
この「ぜんぜん急がないから」あるいは「いつでもいいから」という言葉がくせ
ものである。
そのまんま信用してなんにも手をつけていないと、とんでもないことになったり
するのだ。
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「このあいだ、頼んだのやっておいてくれた?」
「え、急がないって言ってましたから、なにもまだ・・・」
「あ、そう。じゃあ、XXさんに頼むからいいや」
「・・・・・・」
気にしないで構わないから。そういうセリフとは裏腹に、<使えない奴>という
レッテルをバッチリ貼られ、大事そうな仕事を一切頼まれなくなったりするので
ある。
急がないからいつでもいいから、この「急がないから」にはひとにより相当に
幅とか差があるのだ。上司の性格もあるだろうし、頼まれたひとを試していること
も多いのである。
言われたらヨクヨク気をつけねばならない。日常業務を優先するか、こちらを
優先するか。臨機応変というのも、大事な才能のひとつである。
ちなみにわたしが「急がないから」と言って仕事を頼む時は二、三日が期限で
あり、「いつでもいいから」は約一週間である。それを超えてまったく手も付けて
いないようであれば、誰かほかのひとに頼んでしまうか自分でやってしまう。
旅館やホテルは、たいていチェックインの時間が決まっている。
「お疲れ様でございました。あの、当館のチェックインは午後三時でございますの
で・・・」
「ああ、ぜんぜん構いません。ロビーで待たせてもらいますので」
性格的なものだと思うが、わたしは早めに到着することが多い。だいたいいつ
も、チェックイン時間の三十分から一時間ほど早めについてしまう。
(この旅館は、いったい何時ごろに部屋に案内するだろうか・・・)
そう思いながら、煙草を吸い新聞を読んで暇をつぶす。
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客はいろいろである。
夕食の時間を過ぎても現れないひともいる。電話もよこさない。夕食は無駄に
なるのだろうか。完全に来ないなら、先ほどから何本も受けた電話の飛び込み客に
売ってしまいたい。そうもいかず宿では気をもむばかり。
そこへいくと、早めに到着するひとは、本当にありがたい。そう、心底思って
対応してほしいのだ。頼むぜ。長く待たされてよろこぶ客はまずいないのである。
あるとき、豪雨のなかで、あちこち電話しまくってやっと宿がとれたことが
ある。いまさら、豪雨のなか観光もできない。

「そちらのチェックインは何時からでしょうか」
「はい、午後三時となっていますが・・・本日でしたら、いつでもいらしていただ
いても結構でございます」
これだ、これだよ。えらい。こんな返事を聞くことはなかなかありません。
朝食つき一泊であったのが豪雨が夕方になっても一向に衰えず、やむなく夕食を
頼んでみると快く用意してくれた。わたしがこのホテルのリピーターになってしま
ったのは、言うまでもない。
サービス業には臨機応変、融通無碍といったものが、ある程度は必要である。
チェックイン時間になるまで案内しない、そんな杓子定規な宿には、言うまでも
なく金輪際いかない。
→文中の、リピーターになってしまったホテル
その時の情勢で早く着きすぎてしまうことはたまにあります。
ほとんどの宿が快く部屋に通してくれました。
ある宿は1時間早かったのですが、用意が出来ていなくて「お荷物はここでお預かりしますからお風呂に入ってらして下さい」
これは良しとしました。
この時の態度で宿の評価は決まるでしょうね。
温泉のいい旅館でも、他のプラスアルファがないとこれからはリピーターをつくるのは難しいのでは、とかねがね思っています。
大小はあるでしょうが、客のためを思った臨機応変は必要なことだと考えています。
(わたしのブログはほとんどコメントがあることがないので遅くなりました。いま昼休みの会社でこっそり書いています) イズミ