<栗林公園(3)>
涵翠池である。

その向こうの数奇屋造りの茶屋風建物は「掬月亭(きくげつてい)」だ。この
庭園の中心的建物で、1640年ごろに建てられ、歴代藩主が「大茶屋」と呼んで愛用
した茶室である。
唐の詩人である于良史が詠んだ 「水を掬すれば月手にあり」 を元に名付けら
れ、観月名所としても知られている。
池では鯉も悠々と泳いでいる。

抹茶つきの入場券を買ったことを思いだす。そういえば陽がのぼって気温があが
り、汗ばんできて喉も渇いた。きっと喋りっぱなしのガイドさんも荷物も重いだろ
うしさぞや喉が渇いただろう。茶の一杯でもご馳走せねばなるまいと思う。
「あのォ、掬月亭の抹茶を飲む券を買ったのですが・・・」
「はいはい、そうしましょう」
根上り五葉松、後ろに広がる南湖。


この松は、天保四年徳川十一代将軍家斉より、松平九代藩主頼恕(よりひろ)が
参勤交代の際に拝領された盆栽を、地に下したものが成長したといわれる。

わたしと同じく女性客も抹茶つきの券を持っているようで、ガイドのおじさんは
顔パスで建物にはいっていく。どうやら、ボランティアのおじさんには抹茶が無料
ででるようで、ちょっと残念である。
供された抹茶は、ありがたいことに冷たいものであった。

雨戸が変わっていて、戸袋から引き出した雨戸が角を廻りこんで別の面まで閉め
られるように仕掛けがしてある。ガイドさんに教えられて実際に雨戸の仕掛けを
試してみた。
南湖に面した大きな部屋は、開け放たれたせいであろう、風が通って汗が引いて
いく。

座って開けた眺望をみていると、とても気分が落ち着く。

この茶室は床が低くつくられているが、これは、南湖を舟で渡ってくる客人と
主人と見交わす視線の高低差を考えてあるらしい。

南湖の向こうに見える偃月橋(えんげつきょう)は園内で最も大きな橋で、弓張
り月が湖面に影を映す様の姿からこの名があり、反りをもった美しい大円橋だ。
―(4)へ続く―
→「栗林公園(2)」の記事はこちら
涵翠池である。

その向こうの数奇屋造りの茶屋風建物は「掬月亭(きくげつてい)」だ。この
庭園の中心的建物で、1640年ごろに建てられ、歴代藩主が「大茶屋」と呼んで愛用
した茶室である。
唐の詩人である于良史が詠んだ 「水を掬すれば月手にあり」 を元に名付けら
れ、観月名所としても知られている。
池では鯉も悠々と泳いでいる。

抹茶つきの入場券を買ったことを思いだす。そういえば陽がのぼって気温があが
り、汗ばんできて喉も渇いた。きっと喋りっぱなしのガイドさんも荷物も重いだろ
うしさぞや喉が渇いただろう。茶の一杯でもご馳走せねばなるまいと思う。
「あのォ、掬月亭の抹茶を飲む券を買ったのですが・・・」
「はいはい、そうしましょう」
根上り五葉松、後ろに広がる南湖。


この松は、天保四年徳川十一代将軍家斉より、松平九代藩主頼恕(よりひろ)が
参勤交代の際に拝領された盆栽を、地に下したものが成長したといわれる。

わたしと同じく女性客も抹茶つきの券を持っているようで、ガイドのおじさんは
顔パスで建物にはいっていく。どうやら、ボランティアのおじさんには抹茶が無料
ででるようで、ちょっと残念である。
供された抹茶は、ありがたいことに冷たいものであった。

雨戸が変わっていて、戸袋から引き出した雨戸が角を廻りこんで別の面まで閉め
られるように仕掛けがしてある。ガイドさんに教えられて実際に雨戸の仕掛けを
試してみた。
南湖に面した大きな部屋は、開け放たれたせいであろう、風が通って汗が引いて
いく。

座って開けた眺望をみていると、とても気分が落ち着く。

この茶室は床が低くつくられているが、これは、南湖を舟で渡ってくる客人と
主人と見交わす視線の高低差を考えてあるらしい。

南湖の向こうに見える偃月橋(えんげつきょう)は園内で最も大きな橋で、弓張
り月が湖面に影を映す様の姿からこの名があり、反りをもった美しい大円橋だ。
―(4)へ続く―
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