温泉クンの旅日記

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栗林公園(2) 香川・高松

2008-12-23 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <栗林公園(2)>

「箱松」と呼ばれる整えられた松の一群。手間がかかっていそうである。



 北湖と西湖を結ぶ水路にかかっている「梅林橋」と呼ばれる赤い橋だ。



 前方をボランティアのガイドのおじさんと、女性が歩いている。
 歩く速度が同じぐらいなので、何度かわたしも合流して説明を盗み聞きしている
うちになんとなく一緒にグループとして移動するようになってしまう。
 ガイドのおじさんは六十代前半のどこかくらいで、肩から重そうなバッグを提げ
ていて、ときおり景勝地のいちばんいい季節の写真を見せてくれる。写真はいずれ
も構図とかしっかりしていて相当の腕前である。



 松の根元に奇岩がいくつか配されているのだが、これもそのひとつ。名前がある
のだが聞き取れなかった。

 日暮亭(ひぐらしてい)と呼ばれる茶室である。



 江戸時代にあった日暮亭という茶屋跡に明治31(1898)年に石州流の茶室を再建
された。
 一般のひとでも使用することもできるらしい。



 入り口の門もなかなか雰囲気がある。



 紅葉の季節には、この茶室付近はさぞ素晴らしいことだろう。



「あのォ、ひとつ質問してよろしいでしょうか」
 先ほどからわたしはずっと気になっていることがあって、恐る恐る、ガイドの
おじさんに訊いた。
「なんなりと、どうぞ」
 ガイドのおじさんが足をとめて、振り返った。柔和な顔をみて安心する。
「ここは栗林公園というのに、入り口からいままで松ばっかりですが、栗の木は
ないんでしょうか」

「それはですね。その名前の由来の通りに栗の木が多かったのですが、鴨猟の邪魔
だというので嘉永3年(1850)に切り払われてしまったのですよ」
 おじさんは、よく聞いてくれましたとばかりに即答で説明をしてくれた。いくば
くかの栗の木は残っているとのことである。
「はああ・・・なるほどそうですか。それで納得できました。ありがとうござい
ます」

 西湖を新日暮亭に向かっていくと、石壁(赤壁)があった。



 可憐なハスの花が咲いている。



 石壁の一部、桶樋滝(おけどいのたき)と呼ばれる箇所で足をとめた。

「お殿様がここを、滝の前あたりを通るときを見計らって、運び上げた水を崖の
上にいる家臣たちがタイミングよく滝の上から、いかにも自然の滝のようにみせて
落としたそうです。いまなら携帯電話などで連絡できますが、たいへんでしたで
しょうね」

「・・・・・ふうむ、それは正しくたいへんですねえ」
 どえらい力仕事である。殿様が見えなくなるまで、せっせと桶で何十杯も水を
汲み滝に落とす家臣たちの苦労を想像して、ほとほと感心してしまう。
「そのころと違い、現在の滝は人工的にポンプで汲み上げた水を流すようになって
います」

  ―(3)へ続く―
  →「栗林公園(1)」の記事はこちら

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