温泉クンの旅日記

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岐阜、下呂温泉(1)

2021-03-28 | 温泉エッセイ
  <岐阜、下呂温泉(1)>

(ふぅー、無事に高山出発だ!)
 特急ワイドビュー「ひだ10号」は定刻通り12時33分に高山を発車した。三駅目の下呂には13時17分に到着するので、わずか44分の乗車である。
 とにかく、高山でだんごとらーめんは食べられたしな。コンビニで買ってきた地酒「奥飛騨」をあけて、ゴクリとひと口呑む。

 

 昼前に高山駅に戻り、自由席特急切符を買い求めた。
 できれば座っていきたいので、入線時刻を訊くと、アナウンスするまで待機してくれといわれ待合室で時間をつぶしていると、ほどなくアナウンスがあり、改札を抜けると自由席の先頭車両に向かう。拍子抜けするほどのガラガラの車内だった。

 

 下呂駅に到着したが、まっすぐ宿へ行くにはちょいと早い。ぶらつくことにした。旅先でぶらぶら歩くのは、旅の思い出を刻むのに一番安上がりだが確実である。下呂温泉は、外湯に一、二度立ち寄り湯をしたことがあるだけであった。
 そのころまだ温泉初心者だったわたしが、下呂温泉は温泉を集中管理して配湯していると知り、ぜひとも泊まってみたい気持ちが失せたのだった。
 温泉の集中管理は、城崎、湯の川、銀山、温海、いわき湯本、草津、伊香保、修善寺、三朝、道後など百近い温泉地が驚くほどあるとやがてわかって、一度は泊まってみようと思ったのである。

 

 

 小一時間南に進んだだけで、高山ほどの雪景色ではなかった。
 飛騨川に架かる下呂大橋を渡る。

 

 

 川のほとり、囲いがまったくない開放的な源泉露天風呂「噴泉池(ふんせんち)」は入場料無料、いつでも入れる。男女混浴で脱衣所もないので、周りの石に座り足湯で利用するひとが多いそうだが、みぞれ模様の今日は客が誰もいない。
 三朝にも同じような河原風呂があるが、たしか簡易な脱衣所はあったと思う。

  

 

 下呂温泉旅館会館の一階にある「下呂温泉神社」は、橋を渡り、すこし歩いたところにあった。
 山形・出羽三山の湯殿山本宮から分霊して、1989年に建立されたそうだ。湯殿山神社は温泉の湧出する霊岩を御神体とし、その御霊は下呂温泉神社で初めて箱根を越えたという。
 龍の口から温泉が湧きだしている。

 

 

 一角に「左 飛騨高山より越中 右 美濃國より尾張」と彫られたまだ新しい石の道標があった。

 みぞれがまた降ってきたので、観光を切りあげて駅のほうに戻ることにした。

 

 

「『彩朝楽(さいちょうらく)』という宿は歩いてすぐですよね?」
 駅前の土産物屋で、高山で買えなかった醤油せんべいを求めながら念のために訊いた。今日泊まる湯快リゾート「彩朝楽」の本館は徒歩10分、川向こうの別館は徒歩20分とHPにあったと記憶していた。
「本館へはけっこう急な坂道だから、たぶん二十分くらいはかかるでしょう」
 えっ、急な坂道かよ。ガックリ沈んだ顔色をみて、「た、たしか、歩かなくても送迎バスがあるはずですけど」と慌ててつけ加えた。
 地図サイトをみて「近い、楽勝!」と勝手に決めこみ、送迎バスはまったく調べていなかった。

 チェックイン時間のだいぶ前だから、いずれ送迎バスまではだいぶ待ちそうである。
 よし、決めた。この旅初めての贅沢だ、タクシーで乗りつけるとしよう。


  ― 続く ―


   →「高山本線、雪景色(2)」の記事はこちら
   →「続・三朝温泉(1)」の記事はこちら


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