温泉クンの旅日記

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岳温泉(2) 福島・二本松

2014-09-28 | 温泉エッセイ
  <岳温泉(2)>

 貸切の露天風呂で大満足したその足で、隣の大浴場にも行ってみた。



 大浴場の内湯は貸切露天風呂以上の広さがあるが、すこし温めであった。深めの浴槽には湯の花が湯に浮遊しており、底にうっすらと沈殿しているのはなかなかに嬉しい。



 外の露天風呂は貸切に比べれば貧弱である。



 どうやら帰るまで、内湯のほうに何度も入ることになりそうだ。
 大浴場出たところで水分補給して部屋に戻ると、窓辺で焼酎の水割りをゆっくりと呑む。

「僕の前に 道はない 僕の後ろに道は出来る」
 詩人で彫刻家の高村光太郎の「道程」という詩の有名な一節である。女流洋画家である妻の智恵子は岳温泉のある二本松市の生まれで、どうしても東京に馴染めなかった。



 光太郎が妻のために綴った詩集「智恵子抄」の「あどけない話」のなかで、
「智恵子は東京に空が無いという ほんとうの空が見たいという」、
「智恵子は遠くを見ながらいう 阿多多羅(安達太良)山の上に毎日出ている青い空が智恵子のほんとの空だという」
 と書かれている。

 思いがけず映ったBSの有料時代劇チャンネル「鬼平外伝」を観ているうちに夕食の時間になったので、一階の食事処に降りた。



 盛りつけに気をつかった先付と前菜、造里、福島牛と里芋鍋。前菜のなかの、うなぎの棒寿司が旨かった。
 焼きたての山女の塩焼き。



 海老と山わさびの萩饅頭。揚物は穴子、椎茸、帆立貝と柿の磯辺揚げ。



 山葵ご飯とあさり汁。



 以前に泊った猿ヶ京温泉の宿で出た生姜ご飯も実に旨かったが、この山葵ご飯もお代わりしたかったほど旨かった。

 この宿のコンセプトは『「見る」ことを目的とするのではなく、よりよい心の休息を求めて、または自分を見つめて、旅をしていただける場を提供したい。「何もしない贅沢」を味わっていただき、ご自身への体と心のご褒美の場としてお過ごしいただきたい』とある。
 温泉と酒、そして熟睡。わたしも、思いきりその「何もしない贅沢」を味わった。

 朝食も、丸籠に凝った小皿が綺麗に並べられていた。丸い豆腐がゴム風船に閉じ込められており、とろろも付いている。



 いつも朝は二杯食べるその肝心のご飯が美味しくなくて、おかず中心にいただいた。もしかしたら混ぜご飯でちょうどいいくらいの米の品質なのかもしれない。

 近所の土産物屋のショーウィンドの貼り紙に可愛い猫の写真をみつけて、何度か訪ねたのだが、「ゴン君」に逢うことは叶わなかった。残念。




  →「岳温泉(1)」の記事はこちら
  →「猿ヶ京温泉(3)」の記事はこちら

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