温泉クンの旅日記

温泉巡り好き、旅好き、堂社物詣好き、物見遊山好き、老舗酒場好き、食べ歩き好き、読書好き・・・ROMでけっこうご覧あれ!

厳選こだわり素材

2007-10-31 | 旅エッセイ
  <厳選こだわり素材>

 グルメ番組とか旅番組で、供される料理を評して「素材がすべて旬のもので厳選
されており、いいもの通しの組み合わせですから、美味しいのはこれはもう間違い
ありません!」とかよく言っているけれども、これはまったく信用ならない。

 素材がすべていくら良くても料理人の腕の洗練さと味覚の精妙さで、料理はがら
りと変わる。塩梅しだいで味に雲泥の差がつく。手打ち蕎麦も「手打ちですから
不味いわけありません」も同じようなもので、手打ちでもまずいものはホントに
不味いのである。

 山梨には<これは>という土産物がない。あるいは言葉を変えると、おいしい
土産物に遭遇しないだけかもしれないが、わたしはそう思う。ここでいう土産物は
お菓子とかの食べ物のことである。果物とかワインは別だ。桔梗信玄餅も山梨に
来たら必ず買うほどの「ゼヒもの」でもない。

 十回以上の二十回未満、山梨を訪れていてその度に土産を買うのだがどれも
とにかく不発なのだ。
 念のため言っておくのだが、わたしの偏見である。

 最近、懲りずに清里の清泉寮で、クッキーをお土産に買った。



 商品名は<清泉寮メープルワッフルクッキー>。



 箱に貼られた紙には、「有機小麦粉・有機砂糖・メープルシュガー・中村農園
ハーブ卵・KEEPジャージー牛乳といった素材が清泉寮のこだわり」とある。すこし
は期待できそうだ。



 帰りの高速が事故渋滞でピタリと止まってしまった。渋滞は死ぬほど嫌いだか
ら、次の出口で降りて国道を使うことに決めたが、なかなか進まない。イライラが
噴きあがってくる。どうにも動かない車内で思いついて、土産のクッキーを試して
みることにした。
 
 多少の期待を持って包み紙をばりばりと開けて、クッキーを一枚取り出し半分に
割って齧り付いた。

(・・・ふうむ・・・これは)



 老人や幼子向けのボーロ菓子を変に硬くしたような食感であり、期待はずれ、
バランスを欠いた噛み心地である。味がやたら薄い。そして奥行きのない薄っぺら
な味わいで、どうにも口どけが悪い。後味に甘さはあるのだがどこか落雁を思わせ
る粉っぽさが残る。

 小ぶりで七枚ほどしかはいっていないのに、千円で百円玉とばら銭しか釣りは
こない。高い。いや、高すぎる。それなのにあまり旨くない。函館のトラピスト
クッキーのほうが何倍も旨いと思う。

(やはり・・・な。山梨は・・・これだもんなあ)

 清泉寮も売っているいろんな商品のうち、ソフトクリームだけは、まあそこそこ
旨いと思う。



 ただ、売っている店員の態度はかなり横柄でマニュアル通りで感じが悪い。それ
が味に反映して、またこれを絶対食べに来ようとも思えないのだ。今日などは雨風
が強く気温も相当低いため、ソフトクリームを買う客も少ないのだから、もうすこ
し愛想よくしてもいいはずだ。

 味にこだわって、だからこその「素材にこだわり」であってほしい。
 結論として、山梨の土産は果物もしくはワインに限ったほうがよさそうだ。繰り
返すが、もちろんこれはあくまでもわたしの偏見である。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 那須から袋田の滝へ | トップ | 沸点 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

旅エッセイ」カテゴリの最新記事