温泉クンの旅日記

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熱海、起雲閣(1)

2018-03-18 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <熱海、起雲閣(1)>

 熱海は自然(海と山)と温泉に恵まれており、首都圏からも近いことから、別荘地としても発展してきた。別荘地熱海には「三大別荘」といわれる、三菱グループの文化遺産として一般には非公開の「岩崎別荘」、いまは現存しない「住友別荘」、そして現存して一般公開しているこの「起雲閣(きうんかく)」の三つがあったのである。



 表門は大正八年(1919年)に創建され、鎌倉時代後期から室町時代初期の武家屋敷や公家屋敷に使われた「薬医門(やくい)」門造りである。



 玄関を入って受付窓口で入館料五百十円を払うと、順路を無視して庭から拝見することにした。



 庭の端の渡り廊下のそばに紅梅と白梅が咲いていた。紅梅は終わりかけてかなり薄汚れていたが、白梅はまだまだ元気であった。





 渡り廊下を横切って肝心の中庭に向かう。



 広い庭の周囲が、趣が異なる和洋の建物で囲まれている。この緑豊かな庭園は、二代目の持主で鉄道王の異名を持つ実業家で茶人でもある根津嘉一郎が自ら采配して整えられた。



 時代を感じさせる建物に囲まれた一千坪の庭園は、金沢兼六園や京都の寺院に庭によくある、池とその周囲を巡る園路を中心に作庭された「池泉回遊式庭園」である。



(うーん、この建物に囲まれた中庭と同じ雰囲気の宿に泊まったことがあったなぁ・・・)
 どこだったけか・・・。



 あ、そうか。福岡の筑紫野、二日市温泉の「大丸別荘」だ! すぐに思い出せてすっきりする。



 たしか、「大丸別荘」は敷地六千五百坪に三千坪と、広い回遊式日本庭園だった。
 こちらの起雲閣は敷地三千坪に一千坪の庭園で、大丸別荘の三分の一と小さめなのだが、なぜかそれほど狭さを感じさせない。



 狭苦しい熱海の街のど真ん中で、こんなに静かでゆったりした散策ができるとはなんとも得難いものだ。
 さて、そろそろ庭を切りあげて玄関に戻って建物見物をするとしようか。


  ― 続く ―


  →「二日市温泉」の記事はこちら
  →「梅ケ枝餅」の記事はこちら
  →「続・二日市温泉」の記事はこちら


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