温泉クンの旅日記

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読んだ本 2015年8月

2015-09-02 | 雑読録
  <読んだ本 2015年8月>

 この八月、後半こそ秋めいた日が続いていかにも梅雨寒が戻ったようだが、前半は、真夏日がそれはそれは厭になるほど連続した。

 ミンミンゼミが、いまにも木の葉が共鳴して揺れそうなほどの凄まじく通る声で夏の盛りを喚き散らしている。
 一本調子なアブラゼミの鳴き声も地鳴りのように轟いて、暑苦しさをますます助長する。



 適量ならそれなりに癒し効果もある蝉しぐれもあまりに大音量すぎて、日向を歩くものに猛暑を一段と思いしらせてくれた。

 ある日見知らぬ町を散策していて、あまりの暑さに頭がクラクラしてきてしまい、冷たいものでも飲もうと喫茶店を探したがこういう時に限って見つからない。しょうがなく眼についた食堂に飛び込んだ。
 お冷をがぶ飲みしながらメニューをみると、アルコールはビールだけのようだ。



(おっ、冷し中華がメチャ安いぞ!)
 最近、平気で千円とる店が多いのだ。急に食欲がわいてきて注文してしまった。



 猛暑の日が続くと食欲が落ちて汗をかきそうなものをとにかく遠ざけ、ついつい冷たい冷やしたぬきとかに走ってしまう。



 昨年末から電話機能が壊れたまま使用していた携帯電話だが、先月パンクしたとき何の役にも立たなくて往生してしまったのでついに買い換えた。
 電話の受話機能だけが都合三回も壊れた憎たらしい携帯なので、そのメーカーだけは敬遠した。
 スマホではなく、いわゆるガラケーである。友人知人へのメール、宿への連絡、ブログチェックくらいしかしないのでスマホでなくて充分なのだ。

 スマホを持つと老若男女、その多くが中毒症状になるようだ。食事中だろうが、勤務中だろうが、喫煙中だろうが、歩行中、あろうことかデート中だろうがまったく「トコロ構わず」である。
 苦々しいがまあここまでは許すとして、お願いだから、トイレの個室に持ちこむのだけはやめていただきたいと、スマホでない少数派のわたしは切に思う。
 わたしはアルコール、ニコチン、活字、温泉に加えてスマホ中毒(依存症)になりたくないのである。

 さて、8月に読んだ本ですが、今月も少なめの7冊、累積で49冊でした。

 1. ○海賊とよばれた男 (上)       百田尚樹 講談社文庫
 2.○海賊とよばれた男 (下)       百田尚樹 講談社文庫
 3. △断裂回廊               逢坂剛 徳間書店
 4. ○あなたが消えた夜に          中村文則 毎日新聞出版
 5. ○一石二鳥の敵討ち 半次捕物控     佐藤雅美 講談社文庫
 6. ◎等伯 (上)             安倍龍太郎 日本経済新聞出版社

 先月の「花鳥の夢」が面白かったので、狩野永徳のライバル長谷川等伯の本を読むことにした。



 絵仏師「長谷川信春」は一流の絵師になりたくて能登からはるばる京都に出てくる。
 長谷川信春(等伯)は先の関白である近衛前久に頼まれて、本願寺の門主顕如の息子である教如の肖像画を書くことになる。

  『長谷川信春は絵具が乾くのを待ち、出来映えを入念にたしかめた。
   不足はない。教如の特長をよくとらえているし、色の調和もとれている。
   だが、何かが足りない気がした。
   若者の表情はもともと物足りないものだ。人生の試練に直面していない顔には、大人のように歳月が刻みつけた
  個性が表われないからである。
   しかし、その分若い可能性がある。手つかずの豊饒な大地のように先につながる未来に時間が眠っている。
  そこをとらえきれていないと、信春は頭をかかえた。
   この絵の中で教如は生きているが、未来を予見させるほどの深みと迫力に欠けていた。
   信春はじっと絵を見つめ、どうすればいいか考え込んだ。
   出来てはいる。だが成ってはいない。その成らざる所を突き抜けるには、何が必要なのか・・・・・・。
   こうした迷いに落ち込むと、絵師は辛い。作品の前に座り込んで長々と考え込んだが、どうしていいか分らなかった。
   時にはこれでいいと思う。時には駄目だと絵をズタズタに切り裂きたくなる。二つの思いの間で、振り子のように
  頼りなく揺れていた。』


 下巻で利休がたぶん登場するはずなので、それもわたしにはちょっと楽しみである。



  →「読んだ本 2015年7月」の記事はこちら
  →「岳温泉、パンク騒動顛末記(1)」の記事はこちら
  →「岳温泉、パンク騒動顛末記(2)」の記事はこちら
  →「岳温泉、パンク騒動顛末記(3)」の記事はこちら

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