温泉クンの旅日記

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京都・東山、東福寺(3)

2024-05-12 | 京都点描
  <京都・東山、東福寺(3)>

「もォー、ここまで出かかっているんだけどなあ・・・」
 見覚えのある<本坊庭園(方丈)>に向かって足を運びながら、呟いてしまう。

 

 紅葉の東福寺を初訪問した時期について、前回、こう書いた。
『JR東海が「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンを開始したのが約30年前の1993年の秋だから、訪れたのはたしかそれよりずっと前だったはずだ。』

 三門を覚えていなかったことで記憶力の自信喪失に陥り、とことん凹んでしまったわたしとしては、ここでなんとか己の失地回復を図りたい。「ずっと前」などと曖昧模糊でなく、もう少し時期を追求して突き止め、せめて一縷の望みとしたい。(自己満足したいだけじゃねーの)

 観光客の動向に気を使って、「通天橋」絡みの写真に人を映り込ませないのはひと苦労するのだが、まあまあの画像が撮れてホッと安心していた。だから、そんな殊勝ともいえる妙な気になったのかも知れない。

 方丈には作庭家「重森三玲」によって作られた、東西南北の四周に四つの庭園がある。
 南庭は、中国の蓬莱神仙をテーマにした枯山水の石庭だ。

 

 中国の蓬莱神仙を題材に、白砂で大海を、石組みで四仙島(仙人の住む不老不死の島)を、恩賜門の奥にはウマスギゴケで覆われた築山で京都五山(中国の五山とも)を表している。

 

 

 南庭を前に静かに座っているうちに、突如といった感じでキーワードが閃いた。しかもメロディー付きでだ。

    ♪私待つわ いつまでも待つわ
    たとえあなたが ふりむいてくれなくても
    待つわ(待つわ) いつまでも待つわ
    他の誰かに あなたがふられる日まで


"待つわ"、である。あの『あみん』のヒット曲『待つわ』だ。間違いない。

 

 流行った歌(音楽)も、ベストセラー本とかヒットした映画などと同じく、記憶の「索引」になるのだ。

 そのころ京都にいくと、夜は一軒目に安い居酒屋でたっぷり下地をつくり、二軒目に老舗バーである「京極サンボア(現在閉店中)」の水割り二、三杯で締めていた。

 

 常連客ばかりの祇園サンボアよりは、京極サンボアのほうが、居心地が良かったのだ。(その後行ったときに思い切りボラれて、『京極スタンド』に変えてしまった)

 サンボアで流れている音楽は“BGM”だから、「待つわ」はたぶん一軒目のどこかの居酒屋か、昼間にコーヒーか昼食で利用した飲食店で聞いたのだと思う。

 周りに喧しい観光客が多いので、静かな場所に移動することにした。

 

 西庭から北庭に向かう途中にある「通天台」と呼ばれる、舞台状の展望台が空いていた。通天台は緑の中に浮かぶ展望台で、眼下の渓谷と通天橋を一望できる。

 

(誰もいないぞ、チャンス!)
 検索して調べると、あみんの「待つわ」が大ヒットしたのが「1982年」とわかった。

 となると、1982年の秋(翌年の1983年の秋も可能性あり)と断定してよさそうである。JR東海が「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンを開始した1993年より前、という条件も満たしている。
 あー、これでスッキリした。まんぞく、満足。(やっぱ自己満足だったな)

 
 
 紅葉のころにまた絶対来たいので、今回は三名橋のひとつである<偃月橋(えんげつきょう)>は大事にとっておいて、これくらいで帰るとしよう。



  →「京都・東山、東福寺(1)」の記事はこちら
  →「京都・東山、東福寺(2)」の記事はこちら


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