アフガニスタンで農業用水路の建設に取り組まれている中村哲さんが、国際水田・水環境工学会(PAWEES)の国際賞を受賞されました。中村哲さんは昨年福岡アジア文化大賞を受賞されています。中村さんは九大医学部出身の医師です。初めはペシャワールに派遣され、らい病対策医療をされていました。戦争が始まり国際的な医療機関が撤退する中、日本の友人たちに支援を呼びかけ、現地に踏みとどまり医療を続け、さらには医療機関をつくり、井戸掘削などにも活動され、<きれいな飲み水、灌漑用水>の必要性を痛感され、「用水路」建設に取り掛かられました。その際、参考にされたのが日本の治水技術、特に江戸時代に築かれた故郷・筑後川の「山田堰」です。又、アフガンの気候条件の研究や現地にあった伝統技術・ガビィヤン(じゃかご)工法・掘削方法や用水路維持管理システムなども研究され、活用し、現地の方々、サポーター達ともども第一線で活動されています。砂漠化した現地に緑を再生する『緑の大地』計画立案のもと「マルワリード用水路」を建設し続け、今では1万5千ヘクタールの農地が蘇っています。それでも戦争や気候変動の影響はまだ厳しい状況です。
今回の受賞にあったって中村さんは「国際的な農業土木の専門学会から評価を受けたことは心強いし、今後の活動がしやすくなる。有難くお受けしたい」と喜ばれているそうです。(下:2014年10月9日西日本新聞・坂本信博「中村哲氏に国際賞 アフガン農地化を評価」より)おめでとうございます!
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