新型コロナウィルス感染症の疑いのある患者を断わることなく受診されてきた」クリニックの山本医師のお話です。
コロナウイルス感染症は5月8日から、〈5類への見直し〉に伴い、「季節性インフルエンザと同じ扱い」となります。「コロナの入院費や検査費などの医療費は現在、全て公費で負担されています。しかし、5月8日の5類移行の後は、この分が段階的に自己負担へと見直される」そうです。「急な負担増加による受診控えの懸念から、治療費は高額なため公費で無料とし、入院費は原則自己負担とするも月2万円を軽減する措置を設ける」そうです。「まずは自己負担のなかった医療費のうち、検査費用やコロナ陽性が明らかとなった後の外来診察の費用に自己負担が生じる」とのことです。
「これまで、高熱やのどの痛み、ひどいせきなどコロナの感染が疑われる人には、抗原検査やPCR検査を提案」されてたそうですが、「その際、『検査費用はどれくらい?』、、『お金がかかるなら(検査を)やりません』といった声がよく聞かれた」そうです。「このため5類移行後は、費用がかかるなら検査を希望しない患者が増える可能性が十分あると思われます」と心配されています。「外来診察でなにかの病気を疑った際、必要だと考えられる検査をすることは、治療をする上でとても重要です。」「無料だった医療費を負担しなければならないというだけで受診を控えないでほしいです。」と話されています。又、「コロナかもしれないと思いながら受診される人がみなコロナではありません。コロナ以外にも病気はたくさんあります。」「まずは医師に相談してほしいと思います。」とも話されています。
〜医師と患者の信頼関係は病気治療のスタート点です。政策によって揺らぐことがないよう、社会全体の健康につながる手立てが必要と思いました。5類移行にあたってのトリセツが大事ですよね。
(下:2023年4月13日 毎日新聞〈カナの健康ナビ〉欄-ナビタスクリニック・山本佳奈(内科医・医学博士)「『5類』で受診控え心配」より)