「福岡市とJA全農ふくれんは下水汚染泥から取り出した【再生リン】を使った肥料の販売に乗り出した」そうです。
「肥料の原料に欠かせないリンはほぼ全量を海外からの輸入に依存しており、円安などを背景に肥料価格は高騰している」そうで、「【再生リン】を活用した〈地産地消〉の肥料は都市内での資源循環に繋がり、価格は輸入リンを使った従来品より2〜3割を抑えられる」とのことです。
もともと、「生活排水に含まれるリンは、多量に海に放出されれば植物プランクトンが大量発生し、赤潮の原因となる」そうです。「このため、市は、1996年度から水処理センターで下水を浄化する過程でリンを回収し、博多湾の水質保全に取り組んで」いたとのことです。「和白水処理センター(福岡市東区)が2022年度にリンの回収設備を更新。これまでの15倍のリンを取り出せるようになったことから肥料に活用することに」なったとのことです。
〜15倍になったとはすごいですね!下水からは水素ガスも作られていました。
「22年度は、和白水処理センターで取り出した約80トンのリンをJA全農に供給。ふくれん側が家畜のふんを使った堆肥とリンをまぜあわせたエコ肥料として販売する」そうで、「今月から県内のJAで購入可能で年度内の生産量は、約8万袋(1袋20キロ)を見込」まれています。
〜写真を見ると、【再生リン】と商品化されたエコ肥料の違いがわかります。
「JA全農ふくれんによると、世界有数の肥料輸出国であるロシアからの輸出が停滞し、国際市況が上昇。急速に進んだ円安が拍車をかける形で肥料価格は大幅に高騰している」そうです。〜ウクライナ侵攻は肥料高騰ももたらしています。
こうした「循環型・地産地消」は、農家農業に、消費者にとっても良いことだらけの上、海の浄化にもなっています。横浜・金沢区「海の公園」の砂浜に大量の〈アオサ〉が漂着したニュースもありましたし、、、
(下:2022年9月2日 西日本新聞-一ノ宮史成「下水から抽出【再生リン】肥料に 福岡市とJA全農が販売 低価格 地産地消で資源循環」より)
「日韓の研究者が海女文化を語る【韓日海女フォーラム】が(8月)26日、韓国・釜山市の東義大で6年ぶりに開かれた」そうです。
〜6年ぶりとは間が空き過ぎでは?
6年前、「2016年には済州島の海女文化が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録」されています。
〜日本の海女漁法も無形遺産登録を目指していました。2019年には「海女と出逢えるまち鳥羽・志摩 素潜り漁に生きる女性たち」として日本遺産に登録されています。
今回の「フォーラムでは、三重大の塚本明教授日韓の海女の漁法を比較。立命館大の石川亮太教授は日韓の海女のテングサ漁を中心に、近代以降の活動領域の広がりを考察した。ハンビッ文化財研究院の余秀京(ヨスギョン)研究員は『韓国では文化財として海女文化の認知度が高まる一方、海女への支援策は不十分』と指摘した」とのことです。「最後の討論会では海女文化の継承策として、両国の研究者から海女が講師を務める市民講座や海藻の新製品開発の事例などが紹介され、後継者育成の必要性が提言された」そうです。
〜海女の漁法には日韓で違いがあるのでしょうか?海女文化上はどうでしょうか?そして、ここでも後継者育成が課題となってます。
「釜山市の海女、金敬淑(キムギョンスク)さん(73)は『海の汚染でテングサなどがほとんど採れなくなった。どうか海女のために力をください』と訴えられた」そうです。
〜テングサってところてん・寒天の原材料ですよね。採れなくなったらどうなるのでしょうか?〈ウキペディア〉で引くと「現代では寒天や心太(ところてん)の原料とするほか、寒天質は菌類や細胞などを培養するために使われる培地(寒天培地)のもっとも基本的な素材である。」とありました。医学上も大切な素材なんですね。伝統海女漁法は、海の汚染、海流温暖化監視の役割も果たしてあります。
(下:2022年8月28日 西日本新聞-釜山・平原奈央子「日韓の海女文化を議論 釜山でフォーラム 人材育成プログラムに課題」より)
「9月の日中国交正常化50周年を前に、中国の人々に伝統工芸品を通して日本の魅力をPRする取り組みが(8月)26日、北京で始まった」そうです。「第1弾は滋賀県の伝統工芸展で、信楽焼や近江上布など約70点を出品。12月まで約4カ月間の予定で、日中の工芸職人がオンラインで語り合うトークショーや商品販売をするほか、館内のレストランでは同県の特産品から着想を得た限定メニュー『琵琶御膳(滋賀定食)』も提供する」そうです。「今後、九州など他の都道府県の工芸品や特産物に特化した展示を順次開催する計画」とのことです。
「中国でも人気の生活雑貨『無印良品』のホテルブランド【MUJIホテル北京】が企画」されたもので、「濱岸総支配人は『日中関係がぎくしゃくしている時だからこそ、伝統工芸で日中の市民を結び、民間の力で良好な関係を築きたい。工芸品の中国での販売拡大や、新型コロナウイルス禍の収束後の訪日旅客誘致にもつなぎたい』と話」されています。
又、「中国社会科学院観光研究センターの張広瑞主任は『地域の歴史や文化を象徴する工芸品を通じた観光PRは、コロナ禍で非常に有効な手法だ」と話されています。
〜核戦争の火種になるような世界的危機にあって、「地政学的リスク」が固定化されそうな現状になってきています。そうした中で、「日中の市民を結ぼう」と開催される展示会のようです。伝統工芸には長年大事にされ受け継がれた技術の集積があります。市民同士が互いの伝統文化を学び尊重しあい、友好交流が生まれ、次の60年に向けた扉を開いて欲しいです。
(下:2022年8月27日 西日本新聞-北京・坂本信博「日本の魅力 伝統工芸で 北京市で展示会開幕 MUJIホテルが企画」より)
樹木から糸が作られ布製品として売り出されるそうです。開発されたのは「熊本県天草市の『サーキュライフ』(川原剛社長))で、「同県の小国町森林組合(北里栄敏組合長)と業務提携し、小国杉を原料とする木糸と生地製品の開発・販売に乗り出」さたものです。
〜木糸とはどんなものでしょうか?
「木糸は、間伐材チップの繊維ですいた和紙を麻と撚り合わせて作る。綿糸や麻糸と合わせて生地を織り、衣服などに加工する」そうです。
「タオルと手ぬぐいを、主に記念品などノベルティー向けに作る」そうです。
〜ノベルティーとは?「企業や自社の商品の宣伝を目的としてそれらの名称を入れて無料配布する記念品」だそうです。
「熊本の地域資源を生かして持続可能な社会づくりに貢献したい。トートバックやワイシャツなど製品の幅も広げる」。「糸で50%、生地で25%が木質由来。化学繊維と違い海洋汚染の原因となるマイクロプラスチックを洗濯時に出さない」(川原社長)と話されています。
「原木や建材だけでなく各種木製品の販売に熱心な(森林)組合側も、新商品になるとして提携がまとまった」とのことです。
「(森林)組合には企業などから環境配慮型のノベルティーなどの引き合いが増えている」そうで、「企画販売課の入交律歌(いりまじり りか)さんは『商売の幅は広がるし、布製品は大量生産も可能なため従来対応が難しかった大口注文にも応じられる』と期待」されているそうです。
〜肌触りや着心地はどうなんでしょうか?ノベルティーを1つもらいたいです。それにしても木から糸ができるとは、お、驚きです!
(下:2022年8月9日 西日本新聞-堀田正彦「小国の木糸 布製品に利用 地域資源生かし環境保護」より)
「福智町在住の元高校教師、白石文紀さん(71)が、幼い頃の筑豊の風景を書き続け」られているそうです。「教員の定年退職後に絵を始めた白石さん」が、「昔の風景に取り組み始めたのは63歳の頃。友人から体験談を聞き、その場面を描くようになった。『子ども時代の炭鉱閉山頃の思い出には涙が出るようなことが多い。自分たち、ひいては筑豊の子どもたちが感じていたことを絵と語りで残したい』と思った」そうで、「『子どもの記憶遺産です』と笑顔で」紹介されています。
「石炭で濁った川に飛び込むわんぱく坊主たち、雨が降ったら傘がないので学校に来ない女の子、祖母に連れられて女風呂に入り『孫自慢』をされた男の子、理容店の中のテレビを外から見入って力道山の試合に熱中する人たち·····。昭和30年代の筑豊の日常が温かい筆致で描かれている」そうで、写真にもあります。〜筑豊の方言や流行った「おーい中村くん」の歌も描き込まれています。
「親の転勤や集団就職で筑豊を離れた幼なじみたちに、『ふるさとはあなたたちを忘れないよ』と伝えたい。今後も昔の筑豊の風景を描き続けたい」と話されています。
〜筑豊の炭鉱については炭鉱労働者だった山本作兵衛さんが往時の炭鉱労働
の実態や炭鉱労働者の生活を描かれた作品・「筑豊炭鉱絵巻」があります。2011年にはユネスコの世界記憶遺産に認定されました。白石さんは作兵衛さんの「続き」に取り組まれていると感じます。「子どもの記憶遺産ー三池編」もあったら良いですね。
(下:2022年8月23日 朝日新聞-神谷裕司「昔の筑豊 子どもの記憶遺産 71歳が炭鉱閉山期伝える水彩画」より)