本日はちょっと豪華な御所車の形をした香炉 の紹介です。以前に紹介した「古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その1」(下写真奥)に続き、同型の作品として2作品目の紹介です。
古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その2
合箱
幅約400*奥行140*高さ175
「古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その1」と全く同じ大きさですので、同じデザインの作品が幾つか作られたものと思われますが、装飾面では各所に違いがみらます。
御所車は牛車(ぎっしゃ)とも呼ばれ、平安時代などには貴族や皇族の乗り物として牛が引っ張ったものです。
ひな道具に含まれる御所車は、平安時代の身分の高い方(皇族や貴族)の乗りものを模したものですが、昔の商品ではけん引する牛もセットだったことが多いようです。
しかし職人が減少したことにより御所車だけのことが多くなり、牛がセットの雛飾りは少なくなっています。雛飾りにて御所車が置かれる段(7段目)には向かって左に御駕篭(おかご)、中央に重箱、そして向かって右に御所車が配されるのが一般的ということです。
このような作品は裕福な家の嫁入り道具のひとつとして製作されたものと推察されますが、いつ頃のものかは不明です。
京焼風のものは意外に古いようですが、九谷焼にも同型の作があるようです。
本作品は江戸期から明治期かな?
以前に紹介した作品は下記の作品です。
古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その1
合ひとみ蓋箱
幅約400*奥行145*高さ175
分解できるのでいかにも子供が喜びそうな作品ですね。
インターネット上には美術館所蔵に作品にて下記のような作品が見受けられます。
染錦 御所車香炉
幅41.5cm×高さ19.7cm
意外に作例が少ないのか、それとも一般的すぎるのか当方では解りませんが、郷里に飾る作品と在京の展示室に飾る作品とふたつ用意しました。
「古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その1」は御所車の引手のつなぎが陶磁器ですが、「古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その2」は木製です。
破損したか、紛失して誂えた可能性がありますね。
「古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その1」はひとみ蓋の保存箱となっています。
「古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その1」のほうが作品としての完成度が高く、保存状態もよさそうです。