夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

利休像 伝平櫛田中作 その17

2025-02-28 00:01:00 | 彫刻
歴史上の人物を平櫛田中が彫った作品によくあるのが、「良寛様の像」と「利休の像」でしょうね。ただし贋作というか模作も多くあるようです。さて本日の作品はどうでしょうか・・。



利休像 伝平櫛田中作 その17
共箱:幅310*奥行270*高さ300
作品サイズ:高さ230*幅220*奥行170



よく彫れています。



地味な表現もお見事・・・。



僅かに彩色されています。



彩色はおそらく平野富山ではなく、本人が彩色しているのかな。



顔の表現がいい・・・。



内面にある厳しさが表現されています。



彫はだいぶ手馴れています。



手の表現はいまひとつか・・・???



それでも基本的な彫りはなされています。



雑とみるか、見事とみるか・・・。



私見ながら贋作や模作とは思えないように思います。



手の表現が気にはなる・・。



底は鉋跡のまま・・。



共箱は下記のとおり・・。



裏には署名と印があります。



刻銘は珍しく金彩が施されています。

 

書体からは晩年の作かな・・。





さて贋作の例dすが、下記の作品は本作品のような作品を模倣して作られた?と思うくらいそっくりな贋作・・・。

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参考作品              
なんでも鑑定団出品作 
2016年11月15日放送
利休像 平櫛田中作



評価金額:5000円 

悪質な偽物。厳しい顔つきをしているように見えるが、表面づらだけ。像の方で内側からの表情を顔や目が作っていない。そして手が非常に下手。平櫛田中は手・指が表情を語るということに命をかけていたのだが、依頼品は小手先になってしまっている。鑿の彫り跡をわざとらしく全部残している。底部を見るとわざと鑿を入れたところに銘を彫っているが字が全然駄目。田中が目指したものとは全く正反対の真っ赤な偽物。

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はてさてこのような贋作もあるのかと思うと骨董の世界は怖いものですね。

下記の作品は利休像と同じく多く作られた良寛像の作品です。こちらは真作です。

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参考作品              
なんでも鑑定団出品作  
2022年4月26日放送
良寛上人像 平櫛田中作



評価金額:700万円 
凄い作品だが、良寛上人は得意中の得意でかなり数を作っている。昭和42年、数え年96歳の時の作品。手の表現がざっくりとした彫りで終わらせてしまっている。わりと手慣れたものになってしまっているということで評価額は少し落ちてしまう。

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この二通りの評価を読むと本作品の真贋はますます難しいところなのでしょう。

当方での保管方法は下記のとおりです。



調べた資料は同封しておきます。



素人が飾っておく分には十二分に愉しめるもの・・。



共箱は保護のために風呂敷にて包んでおきます。



真作と判断していますが、正しいかどうかは後学としましょう。


















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