夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

能代の冬 福田豊四郎筆 昭和10年頃 その149

2023-10-30 00:01:00 | 掛け軸
掛軸のメンテは予算の都合などでひとつの作品でもときおり数度に分けて行うことがあります。下記の掛け軸は2度のメンテを経ております。霧降之瀧 山元櫻月筆絹本着色軸装 軸先骨欠損 共箱(初号春汀銘)全体サイズ:横550*縦1960 画サイズ:横420*横1290 *軸先小口ふさぎ直し(新象牙の軸先に使替え) 2019年2月**2023年10月:改装+一部染抜き(これは締め直する)             . . . 本文を読む

葡萄二鷹図 天龍道人筆 77歳 その43

2023-10-27 00:01:00 | 掛け軸
本日は本ブログにてひさかたぶりの紹介となる天龍道人の作品の紹介です。以前はネットオークションから容易に入手できた天龍道人の作品ですが、現在ではいい作品が市場には見当たらなくなりました。屏風や襖から剥がしたようなまくりの状態のいい作品が廉価にて入手できたのですが、流石に品薄状態なのか、さほど高く売れないので市場に出ないのかは分かりません。当方ではネットオークションが始まりの頃のいろんな作品が出回った . . . 本文を読む

親子虎之図 大橋翠石筆

2023-10-25 03:52:39 | 掛け軸
ここのところ大橋翠石の作品を続けて入手し、その作品の検証作業を進めながら以前の蒐集作品を確認しています。常に学習ですが、一人の画家についてある程度蒐集して学習し、しばらく時間が経てからまた検証するのが効果的なようです。新たに学ぶことや勘違いして覚えていたことなど知識の組み立て直しがよくあります。贋作考 親子虎之図 大橋翠石筆 その13絹本水墨淡彩軸装 軸先骨 玉置頼石鑑定箱 全体サイズ:横650* . . . 本文を読む

爽風 福田豊四郎筆

2023-10-23 00:01:00 | 日本画
今年の五月の連休は小坂から発荷峠を越えて奥入瀬を下り蔦温泉は・・・。発荷峠からの景色は福田豊四郎が描いた作品を本ブログでも何点か紹介しています。奥入瀬を下ります。本来はここは歩いて鑑賞すべきスポット。蔦温泉は青森に勤務していた頃から仕事の関係も含めて馴染みのある温泉宿です。さて福田豊四郎の作品には松林を描いた作品が数多くあります。時には海岸のある防風林であったり、時には十和田湖畔にある松林であった . . . 本文を読む

しみ抜きなどの改装の完了した掛け軸 

2023-10-20 00:01:00 | 掛け軸
日本画の作品に大敵はシミ・・。掛軸はむろんこと、額装の作品にまでシミは発生してしまいます。本日はそのような作品を染み抜きして改装した事例を紹介します。鯉 その2 徳岡神泉筆紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 共箱二重箱 全体サイズ:横645*縦1410 画サイズ:横505*縦440もとのままの表具で再度表具することを「締め直し」と称します。もともとの表具材が上等であれば「締め直し」が勧めです。今回は「現在 . . . 本文を読む

小品 イヤリングを着けた婦人(小) 伊勢正義画 その27 & ピンクのガウンの裸婦(仮題) 木下孝則画 1966年頃 その16

2023-10-18 00:01:00 | 洋画
五月の連休に十和田経由で蔦温泉に行きましたが、その途中にて小坂博物館郷土館に立ち寄りました。おりしも本ブログでおなじみの伊勢正義の作品が展示されていました。伊勢正義は小坂町の出身です。本日は小さい頃から馴染みのあった伊勢正義と木下孝則の各々小品の作品の紹介です。小さくて軽いので気軽に飾れるのも小品のいいところですね。まずは伊勢正義の描いたとっても小さなかわいいサイズの作品です。改装したトイレの壁に . . . 本文を読む

贋作考 (月下)猛虎之図 大橋翠石筆 その12

2023-10-16 00:01:00 | 掛け軸
ちょっと出来の良い大橋翠石の作品があったので入手してみました。作品の出所が初期の頃に多くの作品を描いた岐阜だったことも入手の動機のひとつです。贋作考 (月下)猛虎之図 大橋翠石筆 その12絹本水墨淡彩軸装 軸先骨 共箱 全体サイズ:横700*縦1920 画サイズ:横500*縦1230 大橋翠石の最盛期に描かれたとされる「須磨様式」と称せられる作品は技法が高度すぎて贋作はその技法を倣うのが難しいよう . . . 本文を読む

牡丹図 その4 平福百穂筆

2023-10-13 00:01:00 | 日本画
掛軸にしろ、額の作品にしろ、陶磁器にしろ、空間というものが大切なのだろうと思います。掛け軸をガラスの中に飾られたずらりと並んだ作品を美術館で観ても意外につまらないものです。床の間のような空間で不思議と作品はその魅力を発揮します。額の作品も同じで多くの作品を壁に並べて飾られても・・、陶磁器もガラスの向こうに並べられても・・・。飾る空間を自由にできるのは所持することが必要となりますが、所持していても多 . . . 本文を読む

桜井の別れ 寺崎廣業筆 明治33年(1900年)頃 その116

2023-10-11 00:01:00 | 掛け軸
寺崎廣業の作品では明治時代の「二本廣業」と言われている落款を記した初期(明治20年頃~30年頃)の作品に佳作が多く見られます。著名になる前の方が絵に対して挑む気概があり、良い作品が遺っているのでしょう。全盛期の作品の力作はすでに収まるべきところに収まっていて、市場に出回る作品は力作以外の席画のような作品が多く、書き込みの多い作品はあまり見当たらないようです。本日は初期の頃の作品が入手できましたので . . . 本文を読む

渓流 篁牛人筆 昭和38年(1963年)頃 その14

2023-10-09 00:01:00 | 日本画
本日は出来の良い?篁牛人の作品の紹介です。篁牛人の作品の作品は渇筆と称される水墨画の作品が有名ですが、その晩年の作品群は市場に出回ることはまずありませんね。*晩年以前に描かれた渇筆と称される水墨画は市場に出回ることはあるようで本ブログにて数点紹介しています。渓流 篁牛人筆 昭和38年(1963年)頃 その14F10号 紙本着色額装 誂黄袋+タトウ 入手時額サイズ:横745*縦565 画サイズ:横5 . . . 本文を読む

阿蘇 西山英雄筆 その4

2023-10-06 00:01:00 | 日本画
当方は大学生の頃、山登りをしていたので山岳を描く画家にはどうしても興味を惹かれます。最初は「ALK」という幾つかの大学で構成される愛好会で山登りを始めましたが、徐々に物足りなくなりワンゲル部経験者らの同級生と少人数で山岳に夢中になったものです。山岳を描いたた作品を観ると「さてどこの山かな?」となります。本日紹介する作品を茶室裏の展示室にて展示。「阿蘇山」は登山経験のない山ですが・・。*手前の花瓶は . . . 本文を読む

古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その2

2023-10-04 00:01:00 | 陶磁器
本日はちょっと豪華な御所車の形をした香炉 の紹介です。以前に紹介した「古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その1」(下写真奥)に続き、同型の作品として2作品目の紹介です。古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その2合箱幅約400*奥行140*高さ175「古伊万献上手 色絵松雲鶴文御所車飾香炉 その1」と全く同じ大きさですので、同じデザインの作品が幾つか作られたものと思われますが、装飾面では各 . . . 本文を読む

真贋考 杉山之図 平福百穂筆 その107

2023-10-02 00:01:00 | 掛け軸
本日は平福父子の平福百穂の作品紹介です。本日紹介する作品を含めてすでに本ブログに投稿しいてる平福百穂の作品数は100を超えていますが、まだまだ見極めに自信のない平福百穂の作品です。いい表具、出来栄えも申し分ない。平福百穂の作品で注目に値する作品群のひとつに水墨画があります。所蔵作品解説     ***平福百穂 昭和年間***   鑑定書 杉山之図 平福百穂筆 その107絹本水墨軸装 軸先象牙 舟山 . . . 本文を読む