本日は贋作扱いと当方で判断して棚にしまったあった作品を偶然に見つけ出し、あらためて鑑賞・・。
リメイク? 贋作考 志野茶碗 川喜田半泥子作
共箱
口径135*高さ82*高台径
川喜田半泥子としてはありきたりの作り?となっていますね。
志野釉薬を用いて、片身替わりになっています。
普段使うには申し分ないのだが・・。
鉄分の多い胎土を用い紅志野風になっています。そこに自然釉が掛かっています。
これは簡単そうに見えて、そう簡単ではない焼成で、贋作といえども生半端では作れないと推定しています。
高台脇には二本の掻き銘がありますが、真作はもっと小さめのように思います。
本作品は共箱の誂えになっています。蓋は片身替わりを象徴するような作りになっています。
裏面も同様になっていますが、茶碗のつくりを表現しているようなのは偶然かな?
箱書の拡大写真は下記のとおりです。
加藤唐九郎や川喜田半泥子の箱書は、作品とともに偽物はかなりの数になるようです。
下記の写真は真作の箱書です。上記の箱書はもっとうまい・・?? 素人判断では見分けがつかない・・・???
さて当方の貧弱なる審美眼でも真作とは言えないかな? 真作を贋作とするのは一番避けるべきことなので明言は避けますが、今では一方で白黒をはっきりさせたがるのはあまり意味のないととも思っています。
ただしこの作品は下記の作品と同じ胎土、釉薬で焼成されています。つまり加藤唐九郎と川喜田半泥子が同じ胎土、釉薬で焼成・・、これはありえませんね。というか面白いというかあんちょく・・・・。どこか専門に作っている人がいるのでしょう。しかも箱書から専門の書家?がいるかもしれないと推測されます。
贋作考 志野茶碗 加藤唐九郎作
共箱・共布
口径121~127*高さ85~89*高台径65~67
こういうことは場数を踏まないと解らないもののようですが、このようなことを分かった上で、贋作にこだわらず愉しむのは悪いことだとは思っていません。