Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

仰ぐよりも見下ろす視点

2006-03-14 | アウトドーア・環境

3D地図で遊ぶ。使い勝手が幾分判って来た。三次元の対象を多方面から眺めるのが、臨場感であったりする。実際には、従来の二次元の印刷された地図に於いても、丁寧に明暗をつけて製作されていれば、特別な知識が無くても、ある程度のイメージを持つ事が出来た。一般的にある観察地点を設定して、等高線から図を描く等の方法がとられて、立体的に想像を巡らした。その点からすると、サイバー立体地図は、様々な角度からの視点を与えてくれるが、これは日常そこに居て生活している固定した観測点からの印象とは大きく異なる。

技術的に衛星を使った画像の再生組み合わせなので、地上からの視点が消えてしまっている。高山の高みから遥か下方の谷を見下ろす画像はかなり本物に近いが、足元の地形は殆んど描き切れない。細い尾根は、幅広い地面となって、迫真感は得られない。しかし、これは情報量を増せば再現可能で、有料サーヴィスを使えば殆んど問題ない事であろう。

これとは反対に高みを仰ぐ表現は、この方法では殆んど不可能で、ツェルマットの町の橋から見ると有名なピラミッド・マッターホルンの山容が殆んど消えて仕舞っている。これは、この谷の町にとっては大打撃である。それも等高線の情報量を増やす事で大分解決するだろうが、仰角の映像表現にはそのシステムから限度があるだろう。

先ずは、マッターホルンの頂上の十字架からイタリアのツェルビニアの町を眺めた、写真と比較出来るアングルを探して見た。カメラの視角の問題があるので、頂上から大分先の空中に視点を持って行かなければいけなかった。次に頂上から100メートルほど上空から俯瞰する視点(リンク:グーグルアース・KMZファイル)を築いた。これは、パノラマを得るのに最も具合の良い視点となった。ヘリコプターが登頂シーンを写すアングルに近い。元々の地図のテレアトラスに三角点がマーキングされて居ないので、そこから始める必要があった。実際の視点を探すのでは無くて、迫真感を得る為にそれを表現する視点を探すので、なかなか難しい作業である。

このようなシステムが無料で様々に使えるのは喜ばしいが、自己を見下ろす視点が主で、高みを仰ぐ視点とはならないのが面白い。より客観的と言う事だろうか?









参照:
高みから深淵を覗き込む [ 文学・思想 ] / 2006-03-13
客観的洗練は認識から [ 雑感 ] / 2006-03-05
駒落としから3D映像へ [ 雑感 ] / 2005-10-19
ゴットフリード・W・ライプニッツ [ 数学・自然科学 ] / 2004-11-18
三角測量的アシストとゴール [歴史・時事] / 2005-07-01
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする