中華人民共和国が軍事費を高騰させていくニュースとまたヘッジフォンド等の投資に対して制限を加えて行く情報が流れていたが、改めて全人代の正式文書を踏まえて観察していかないといけないだろう。中華人民共和国の衛星爆破のニュースが世界中を驚かせ、またミュンヘンでの安全会議の結果を踏まえて、その後の世界のミサイル防衛網構想が新聞記事となっていた。
軍事情報に詳しい者には目新しくはないのだろうが、あまりにも日常生活とは異なる上空で起こることなのでイメージが湧かないのは当然である。はたして、その記事を読むとやはり印象は変わった。
何よりも意外であったのは、レーガン大統領が提唱したスターウォー構想に始まり、これは未だに到底完成されないと言う事実である。90年代にドナルド・ラムスフェルドによって再び協議され、1999年のクリントン大統領時に実行に移されるが、冷戦後には第三世界の悪党国からの予期せぬ攻撃に備えると、その目標は推移した。故に2001年以降にABM協定中の迎撃ミサイル条項が、米国によって一方的に破棄されて、子ブッシュ大統領の舵取りで弾みがついたのは当然かもしれない。
2008年には89億ダラーの防御構想の予算が、2013年には507億ダラーになる事から、これから本格的に整備されることになる。2004年にはアラスカ・カリフォルニアに迎撃ミサイルが配備され、弾道ミサイルへの攻撃に初めて備える事が可能になったらしい。
しかし、ロシアが3800個の弾頭を飛ばすことが出来て、中国も410の核弾頭中32個は飛ばせるものとして、また中国としては少なくとも米国の幾つかの大都市は灰にできる反撃力を維持する意図があるとされる。つまり、量的な平衡が理論的に存在しても、決して完全に防御されることはない。
嘗てヴァルシャワパケットでは、ポーランド、チェコ、ブルガリア、東独に弾道ミサイルを配置していたとされて、その当時核保有国を含めミサイル保有は九カ国であったのが、現在は二十五国に拡大されアジア・近東の多くは危険を孕んでいるとされる。
特にロシアは、今回もNATOと共に防御システム構築を試みたが、結局NATOによって、現在ロシア周辺国での整備が進んでいる事から、モスクワでは500個保有すると言う核弾頭を運ぶ弾道ミサイルの高性能化などに弾みがついている。特にチェコにおけるレーダーシステムやポーランドを含める滑走路上への迎撃ミサイルの設置は、第三国の欧州や米国攻撃に備えたものとして、ロシアの軍事圧力の骨抜き化になるので、モスクワは嘗ての弟国に政治的圧力をかけた。
ここで気が付くのは、ポーランド軍がイラク派兵に応じた成果は、ロシアに対して牽制出来るカードを持ち得た事だろう。
同じように戦略的なシステムを、米国は、イスラエル、日本、カナダ、オーストラリア、英国と協調して構築する。特に北朝鮮のミサイルは、東京のみならずアラスカを狙う可能性もあるとして、またイランのミサイルはイスラエルだけでなく西欧を狙えるとして、システム構築の根拠としている。
この記事を読むとなるほど、こうした軍事バランスがあるからこそスカットミサイルが売れるのであって、完全に防衛出来るようになると、核の傘さえすらも取り払われる。ポーランドの二股膏薬のような政治戦略を見ていると流石に歴史の智恵を感じさせるのである。
一方日本は、諜報活動的な操作も困難ではない、大資本メディアが握る二項対立的に偽装化されたオピニオンにナイーヴな世論は左右されてイラク出兵を果たした、そのように外からは見えるが事実は違うのだろうか。こうした戦略的なノウハウは、占領政策から蓄積されたライシャワー氏などを代表とする極東研究の一貫として生まれてきたに違いない。
そうしたバランス感覚を以って戦略構想を練り、外交的な軸を上手に築いて行くのを政策と呼ぶ。しかし、それ以前にジャーナリズムと称する道化師は、筋書きの定まった茶番劇を演じるサーカスの緞帳の前で、一体誰に向けて何を演じるのだろう?
参照:
Verteidigung gegen Schurkenraketen von Nikolas Busse,
Alte Bedanken, neue Nervositäte von Michael Ludwig,
Aus der FAZ vom 22.2.2007
軍事情報に詳しい者には目新しくはないのだろうが、あまりにも日常生活とは異なる上空で起こることなのでイメージが湧かないのは当然である。はたして、その記事を読むとやはり印象は変わった。
何よりも意外であったのは、レーガン大統領が提唱したスターウォー構想に始まり、これは未だに到底完成されないと言う事実である。90年代にドナルド・ラムスフェルドによって再び協議され、1999年のクリントン大統領時に実行に移されるが、冷戦後には第三世界の悪党国からの予期せぬ攻撃に備えると、その目標は推移した。故に2001年以降にABM協定中の迎撃ミサイル条項が、米国によって一方的に破棄されて、子ブッシュ大統領の舵取りで弾みがついたのは当然かもしれない。
2008年には89億ダラーの防御構想の予算が、2013年には507億ダラーになる事から、これから本格的に整備されることになる。2004年にはアラスカ・カリフォルニアに迎撃ミサイルが配備され、弾道ミサイルへの攻撃に初めて備える事が可能になったらしい。
しかし、ロシアが3800個の弾頭を飛ばすことが出来て、中国も410の核弾頭中32個は飛ばせるものとして、また中国としては少なくとも米国の幾つかの大都市は灰にできる反撃力を維持する意図があるとされる。つまり、量的な平衡が理論的に存在しても、決して完全に防御されることはない。
嘗てヴァルシャワパケットでは、ポーランド、チェコ、ブルガリア、東独に弾道ミサイルを配置していたとされて、その当時核保有国を含めミサイル保有は九カ国であったのが、現在は二十五国に拡大されアジア・近東の多くは危険を孕んでいるとされる。
特にロシアは、今回もNATOと共に防御システム構築を試みたが、結局NATOによって、現在ロシア周辺国での整備が進んでいる事から、モスクワでは500個保有すると言う核弾頭を運ぶ弾道ミサイルの高性能化などに弾みがついている。特にチェコにおけるレーダーシステムやポーランドを含める滑走路上への迎撃ミサイルの設置は、第三国の欧州や米国攻撃に備えたものとして、ロシアの軍事圧力の骨抜き化になるので、モスクワは嘗ての弟国に政治的圧力をかけた。
ここで気が付くのは、ポーランド軍がイラク派兵に応じた成果は、ロシアに対して牽制出来るカードを持ち得た事だろう。
同じように戦略的なシステムを、米国は、イスラエル、日本、カナダ、オーストラリア、英国と協調して構築する。特に北朝鮮のミサイルは、東京のみならずアラスカを狙う可能性もあるとして、またイランのミサイルはイスラエルだけでなく西欧を狙えるとして、システム構築の根拠としている。
この記事を読むとなるほど、こうした軍事バランスがあるからこそスカットミサイルが売れるのであって、完全に防衛出来るようになると、核の傘さえすらも取り払われる。ポーランドの二股膏薬のような政治戦略を見ていると流石に歴史の智恵を感じさせるのである。
一方日本は、諜報活動的な操作も困難ではない、大資本メディアが握る二項対立的に偽装化されたオピニオンにナイーヴな世論は左右されてイラク出兵を果たした、そのように外からは見えるが事実は違うのだろうか。こうした戦略的なノウハウは、占領政策から蓄積されたライシャワー氏などを代表とする極東研究の一貫として生まれてきたに違いない。
そうしたバランス感覚を以って戦略構想を練り、外交的な軸を上手に築いて行くのを政策と呼ぶ。しかし、それ以前にジャーナリズムと称する道化師は、筋書きの定まった茶番劇を演じるサーカスの緞帳の前で、一体誰に向けて何を演じるのだろう?
参照:
Verteidigung gegen Schurkenraketen von Nikolas Busse,
Alte Bedanken, neue Nervositäte von Michael Ludwig,
Aus der FAZ vom 22.2.2007