ドイツ語でヴァインプローべと呼ばれる試飲の価値は、様々なワインを試せることにある。同時に情報を得て、専門家から直接学ぶことが出来る。イタリアワインなどもインサイダーにしか分からない情報があり、それを見つけることが出来ないとなかなか良いワインに出会うのは難しい。これは、ドイツワインでも同じで、ネゴシアン制度が歴史的に発達して世界の津々浦々まで同じ情報を共有させられているフランスワインの世界とは大きく異なる。
そうしたヴィンテージとグランクリュとシャトーだけで価値が決まるフランスワインの単純さは、パーカーの点数システムと変わらず、それだから米国の富豪も中共の汚職高官も同じようにブルジュワージー精神を満喫できるのである。
最近も店先で、高名なワイン評論家ヒュー・ジョンソンが、寧ろその価格設定や彼個人の味の好みからして ― これらは我々愛好者にとっては心強い両視点である ― あまり話題にしないワインを特注して注目していると聞いた。やはり、独高級ワイン機構VDPのグランクリュの今後の評価の左右に繋がっているように感じた。
しかしながら、土壌を十分に把握することそれだけでは、その評価への取っ掛かりであって、その価値の評価にはあまり役立たない。なぜならば、醸造の技術やヴィンテージの影響さらに商品のコンセプトが、その出来を定めるからである。
そこには、インサーダー情報を知れなければ、専門業者でもなかなか判断がつかないものがある。文字通り門前の小僧として月謝を払い続けて初めて、リースリングにもボルドーやブルゴーニュワインの試飲以上の困難が伴うのを知るのである。その反面、投機的な価格高騰はある程度抑制されるだろうと期待している。況してやその収穫量からして、その売上高は限られており、その真価を広報して儲けに転化できる可能性は限られているようにも思われるがどうであろう。
以前は、細かくアインツェルラーゲとして指定されていた地所は無視されて来るようになっており、評判の悪かったと言われる情報過多のエチケットにはだんだんと提示されなくなる。つまり、醸造者のセカンドラベル化が進み、より大きな世界市場でブランドとしての売り込みが計られる。
試飲時に、そうした裏情報が出難くなる醸造所は、必ずや様々な問題があるようで、それらのラベルからはグランクリュであろうともあまり価値のあるワインは生まれてこない。
プファルツで最高の地所と呼ばれるキルヘンシュテュックですら、その自然の恵みを十分に運用出来るかどうかは別の問題である。甘口の長期保存のグランクリュ・リースリングを醸造することもあれば、エルステス・ゲヴァックスとする外国人には不親切な名前のカテゴリーで世界最高の辛口リースリングワインを醸造することもあれば、蔵出し酒場で郷土料理に華を咲かすこともあるのだ。
しかしこれらの地所は、ドイツ屈指の土壌であって、その製品価値とはまた異なるのである。
写真上:キルヘンシュッテュック上部からフォルストの教会を臨む。
写真下:イエズィーテンガルテンから、ウンゲホイヤーを止める壁を右にキルヘンシュッテュックを臨む。
そうしたヴィンテージとグランクリュとシャトーだけで価値が決まるフランスワインの単純さは、パーカーの点数システムと変わらず、それだから米国の富豪も中共の汚職高官も同じようにブルジュワージー精神を満喫できるのである。
最近も店先で、高名なワイン評論家ヒュー・ジョンソンが、寧ろその価格設定や彼個人の味の好みからして ― これらは我々愛好者にとっては心強い両視点である ― あまり話題にしないワインを特注して注目していると聞いた。やはり、独高級ワイン機構VDPのグランクリュの今後の評価の左右に繋がっているように感じた。
しかしながら、土壌を十分に把握することそれだけでは、その評価への取っ掛かりであって、その価値の評価にはあまり役立たない。なぜならば、醸造の技術やヴィンテージの影響さらに商品のコンセプトが、その出来を定めるからである。
そこには、インサーダー情報を知れなければ、専門業者でもなかなか判断がつかないものがある。文字通り門前の小僧として月謝を払い続けて初めて、リースリングにもボルドーやブルゴーニュワインの試飲以上の困難が伴うのを知るのである。その反面、投機的な価格高騰はある程度抑制されるだろうと期待している。況してやその収穫量からして、その売上高は限られており、その真価を広報して儲けに転化できる可能性は限られているようにも思われるがどうであろう。
以前は、細かくアインツェルラーゲとして指定されていた地所は無視されて来るようになっており、評判の悪かったと言われる情報過多のエチケットにはだんだんと提示されなくなる。つまり、醸造者のセカンドラベル化が進み、より大きな世界市場でブランドとしての売り込みが計られる。
試飲時に、そうした裏情報が出難くなる醸造所は、必ずや様々な問題があるようで、それらのラベルからはグランクリュであろうともあまり価値のあるワインは生まれてこない。
プファルツで最高の地所と呼ばれるキルヘンシュテュックですら、その自然の恵みを十分に運用出来るかどうかは別の問題である。甘口の長期保存のグランクリュ・リースリングを醸造することもあれば、エルステス・ゲヴァックスとする外国人には不親切な名前のカテゴリーで世界最高の辛口リースリングワインを醸造することもあれば、蔵出し酒場で郷土料理に華を咲かすこともあるのだ。
しかしこれらの地所は、ドイツ屈指の土壌であって、その製品価値とはまた異なるのである。
写真上:キルヘンシュッテュック上部からフォルストの教会を臨む。
写真下:イエズィーテンガルテンから、ウンゲホイヤーを止める壁を右にキルヘンシュッテュックを臨む。