
森から町へと出る途中に新興住宅街を挟んで、こうして牛を飼っている農家があった。囲いはしてあるが、この牛もなかなか体格と言い、汚れた足元や毛並みと言い、立派な角と言い、なかなか迫力があった。
角の形が明確に違うので、上に付き出ているのが牡で、前に付き出ているのが牝だろうと想像する。比較的小振りなだけに動きは良さそうで、こやつらに追いかけられる状況になると大変辛い。
特別先端恐怖症と言う訳でもないが、この角は恐怖である。場所によっては、少々突かれただけでも致命傷を追わされることになる。闘牛士のようにサーベルを持って立ち向かう事が出来るのか、それともカウボーイのように角に捕まってロデオのように乗る事が出来るのか。
なかなか、制覇するのは難しそうである。先ずは、角を何かで隠して、その鋭利さを丸めて貰わなければいけない。
角を頭に付けたヘルメットは、ヴァイキングの井出達として有名である。しかし、本物の牛の角は頭蓋骨に生えていると言うから、その強度は比べものにならない。
牛の角を起源とするホルンは、17世紀に狩の信号から現在の楽器へと発展したと言う。その時点で、既に独仏の発展の相違が明白で、特にフランスの太陽王の音楽にホルンを使ったのは宮廷音楽長のジャン・バプテスト・リュリとされる。
