Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

大戦以来のドイツの危機

2020-03-19 | 歴史・時事
毎日が酷い状態だ。先ず地元の陽性感染者数を確認する。19から35人に跳ね上がっていた。肌で感じたままだ。偶々ベットで聞いた日本の国会風景でまさしくそれと同じ空咳を大臣がしていた。余程健康状態に自信があるのか、「こんな唾を飛ばすような議会で一人も感染者が居ないなどおかしい」と豪語していた。それで終わる人もいれば亡くなる人もいる。

これ程距離の離れているときに同時にシュトッツガルトの議会でも日本の国会でもそしてここワイン街道でも同じように咳をしている。これは流行り病以外のなにでもない。

ロベルト・コッホ研究所とあまりにも酷いノルトライン・ヴェストファーレンの水曜日の記者会見を聞いた。前者は、今後二週間の社会的な活動の低下を果たせない場合、先二三カ月で一千万人二感染するという厳しい判断を下した。

その場合に治療の必要なつまり人工呼吸器の必要な患者が通常の三番ぐらいの数になるので医療機関は最低二倍の容量を準備することを呼び掛けた。その過程でパーソナルも足りなくなるので引退した人だけでなく新たな要員を養成する必要があるとした。

また同時に待たれるワクチンは来年の春には間に合わない危惧を示して、終結までには二年は掛かるだろうとの見解を示した。

ワクチンに関しては午前中にシュトッツガルトでクレッチマン知事がトラムプが買収したとされたテュービンゲンのクレバック社のハースCOEと会見して「希望の星」と語った。既にEUは百億円相当の開発援助を提供している。

コッホ研究所は、世界情勢としては相変わらず危険地帯として武漢や韓国の一部、カリフォルニア、ワシントンとニューヨークをドイツの小さな町ハインスベルクと同様に挙げた。

その街の感染をどうしようもなかったラインラントヴェストファーレン州は、イタリアの様に人工呼吸器が取り合いになるようなことにしない為と自らの初期活動を棚に上げて協力を呼び掛けた。所謂コロナパーティーなどというラインの河原でのパーティなども駄目だという程度の低い州である。早めに街を閉鎖にすれば少しは違っていただろう。

閉鎖と言えばそれぐらいの生活の支給を出せるベーシックインカム制度ぐらいにしないと今後乗り切れなくなるのではなかろうか。兎に角自宅で外出せずにという生活が大切なのだ。マインツにおいてもお店は閉まったが、開いている昼間からビールを飲みながら病院関係者が「今迄にあらゆる菌と付き合ってきたから全く怖くない」と気炎を上げるのを見るとこれはもう外出禁止しかないと思わせる。誰もそんなおっさんのことなどは考えていないと思って、次の爺さんが「怖くないよ」とか言うのを見ているとこの人達はなにも理解していないと思う反面、その潜在的な恐怖心でいざとなると、つまり病院に運ばれて呼吸器も受け取れないと思うとパニックになる人たちだ。

メルケル首相から国民への呼びかけがあった。ポイントは、コロナ禍を第二次世界大戦以降の一番に深刻で最も手ごわい全市民に突き付けられた課題としたことである。その前に真剣に受け取ってくださいと語り掛けたのだが、さてどれだけの効果があっただろうか。やはり話術としては分かり易く、民主主義から連邦主義を画面を通じての呼びかけとして、そのプロセスつまり戦略の考え方を語ることで示している。しかし、そもそもそれが分からない人が多く、理論的な構築が出来ない市民には高踏的にしか響かないのではなかろうか。やはり彼女の演説は教養のある層や最低高等教育を受けたぐらいの社会のリーダー層でないとその真意が伝わり難いかもしれない。楽劇などの観戦をバイロイトで語るときはその様には思えないのだが、やはり程度が高い反面具体的な面がどれほど印象に残ったかは分からない。精々距離をあけろぐらいだった。また孫と祖父祖母をスカイプで繋いだりということも織り交ぜたのだが、もう一つ具象性が浮かばなかった。上述した様に州によってその首長によって市民の意識は大分異なる。だからこその呼びかけだったのだが、さてドイツ中でどれほど真意が伝わったことだろうか。

中々覗く時間も無いのだが、ヴィーンの国立オペラの「ラインの黄金」を一通り流した。先ず音が悪い。これを有料で出しているのかと思った。更に演奏も加わってバスが潰れるような昔風のジンタのような音を刻んでいる。指揮はバイロイトでもまたマンハイムでも振っていて日本で人気のフィッシャーだが、バイロイトの時には感じさせなかったほどの鈍い指揮をしていた。歌に合わせるのか、練習をしない楽団に合わせるのか知らないが、程度が低い。当然歌もそれ以上のものは聞こえなかった。これならばマンハイムでもヴィーンでも変わらない。民族楽器風のホルンやチャルメロが聞こえるだけが違うだけだ。よくもこんな動画を自慢で出すなと思う。



参照:
「連帯への憧憬」 2020-03-17 | 歴史・時事
決して一人にはしません! 2020-03-14 | 女
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