Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

魔法の花園の風景

2020-03-28 | マスメディア批評
新聞は一面のトップで今後の展開について敢えて振っている。しかし政治家の姿勢はそれどころではないとなっている。当然だと思う。フランクフルターアルゲマイネ新聞が経済システムの崩壊にも杞憂するのは当然だが、この時点で経済危機で人が死んでしまうというのは全く当たらない。迫る医療危機とは話しが全く異なる。

その経済欄では日本のお花見の様子を伝えている。そこで数人へのインタヴューの内容が名前と共に載っていて直の声が聞ける。代々木公園にはコロナ騒動での自粛が書かれている先にピクニック風景が広がっていて、殆どの人が若いので自らは恐れていないとの声を聞く。ジンの間に消毒液が添えられていると書く。消毒液は確かに日本の大きな特徴でラインラントプファルツ州もBASFに商店用のそれを発注したというが未だにそれを見ない。使い捨て手袋よりもアルコールの方が問題が少ないと思われるがさてどうなるか。

反対に四週間の自粛から急にレストランなどの予約が進み人込みが増えたと報告していて、週末の花見風景へと一気に流れる一方、東京の都市封鎖への示唆でコロナ騒動初の買い漁り騒ぎが起きたとしている。

花見客の中の渋谷の占い師は、日本人の日常の振る舞いから他所の国よりも上手く抜け切れると語るが、その仲間の一人は「政府が殆どテストをしないから数字が全く意味を持たない」と怒りをぶちまけた。

在京ドイツ大使館の一人は、テストにおける高い闇値について、日本は特定のコンタクトのあった明らかな疑いがある重病人しかテストしておらず、これまでに二万五千件しかテストされていないことに触れる。そのことを厚生省の代弁者であるヤスヒキ・サハラは、「手間の掛からない人を皆テストする必要などないのです。」と語り、特に多く肺炎が発生している訳でもなく、死者も届けられていない事を証明とする。

そして過去五日間の三割が外国帰りによってもたらされていて、欧州からの入国を禁じたと報じている。

安倍官邸の指図での坂本フランクフルト総領事による新聞社本社殴り込み事件以降は日本の記事に関してはこの新聞の行間を読み必要がある。この場合は、フクシマ禍の時とは異なって、在京大使館もそれほど情報を持ち得ていないのかもしれない。あの節は後にドイツ全権大使が語ったように合衆国からの情報を取っていたようだった。それと同じような状況は少なくともこの記事から読み取れない。

八百屋に出かけた。一週間前は通常通りだったが、先ず入り口に使い捨て手袋が置いてあった。がっさっと掴んだので戦利品が大分出来た。中の通路は細いので人の入れ違いを避けるようにしなければいけなかった。それほど混んではいなかったがそれでもタイミングを計らなければいけなかった。購入の所には防御グラスが付けられていて、四角い枠が描かれていた。一先ず売り子との直接接触は避けられる。但し売り子が感染していないとは思われないのでそれ程意味はないだろう。但し皆が配慮することで更なる感染は避けられるだろう。

土曜日からペトレンコ指揮「パルジファル」がオンデマンドになる。その前に復活祭でのラトル指揮を経験したのでその音楽的な感興に関しては一長一短があった。それほどラトル指揮のベルリナーフィルハーモニカーはいい音を出していた。しかし、舞台は演出が悪かったとは言ってもとても印象に残っている。クンドリーのシュテムメも良かったが、カウフマンも悪くはなかった。パーペのはまり役でもあり、いいアンサムブルを聴かせた。音楽的に魅力が薄いと感じていて、ペトレンコの指揮もこうした晩年の作品になると物足りなさもあったが、公演自体の印象は矢張り深みがあった。久しぶりにじっくりと観るのがとても楽しみだ。



参照:
感染拡大を止める手袋 2020-03-21 | 生活
舞台神聖劇の恍惚 2018-03-25 | 音



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