Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

集中や誇張のアクセント

2022-04-08 | 文化一般
オペラのプログラムを纏めた。その形状などによって方々に片付けていたのだが、ここに来て体験したレパートリーとしてある程度網羅した感じが出てきたからだ。一体ここまで何年掛かっているのだろうか。嘗て日本などでもヴェリズムオペラを専門的に語っていた評者などがいて、そのように体験できるものだと思っていた。しかし、ドイツでさえも真面なオペラ公演は中々体験できないことが直ぐに分かった。既に言及しているがそれを補うものとしてザルツブルク音楽祭などがあった。

それでもやはり音楽祭と劇場とは異なり、そこでも音楽劇場として成功している場合などは殆どない。だから、そうした専門家が必要なのだが、当然の事乍らそこに批評がなければ成り立たないので、如何にそうした音楽劇場が成立することが難しいか。それだけの社会も聴衆もいないと成立しない。ハーバーマスの言うような民主主義的な基盤である。

バーデンバーデンの新制作「スペードの女王」のリザが再び代わった。総稽古の為の衣装合わせの映像などが出ているので、その上演の前に陽性が出たのだろう。若い人でみっちりと仕込まれていただろうから、ある程度は期待されたが、そこで落ちてしまうのはついていない。少なくとも軽い声の質は芸術監督のキリル・ペトレンコの好みだった筈だ。そこで急遽ペテルスブルクでも歌いザルツブルクやメトでもデビューしているより経験の豊かそうな歌手が入った。YouTubeなどを観ると巧いのだが、声が若干分厚い。これがどのような結果になるかは分からない。もうこうなればペトレンコに無事全公演を振って貰いたいだけだ。

するともう一つ復活祭日曜日にコンサート形式で振るチャイコフスキーオペラ「イオランテ」の歌手ソニア・ヨンチェヴァが陽性になったと流れてきた。未だ日数があるので、症状はあるらしいが、完全回復の可能性がある。万が一となれば既にベルリンで合わせたアスミク・グリゴーリアンが出て呉れるとハッピーなのだが、ヨンチェヴァの十八番だけに先ずは復帰して欲しいと思う。

そして「スペードの女王」の総稽古の写真やら衣装やらが流れてきている。なにか衣装も華美で、19世紀に拘っている。恐らくバーデンバーデンを意識させるようだが、それによって更に本質に迫れるものかどうかはとても疑わしい。

少なくとも舞台自体はそれ程抽象化されることはない。その分失われるものも少なくはないであろう。しかし、このカットだけを見てわかるのは、ある程度の集中とデフォルメは認識できる。生憎ヴィデオの背景には敢えて昨年の「マゼッパ」が流れているのだが、音楽的なアクセントも感じさせる。

本当は総稽古にお誘いが来るかと思っていたが、例年の様にバーデンバーデン市民には解放したのかもしれないが、何ら連絡はなかった。こちらもそうなれば前プログラムからぎっしりと詰めなければいけないと思うようになった。
Hinter den Kulissen der Osterfestspiele: Maskenbild




参照:
所謂カジノ構想というもの 2022-04-04 | 文化一般
どっちでもよかったんだ~ 2022-03-10 | 女
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