Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

最高峰から削ぎ落された祭

2022-04-01 | 文化一般
ロシアの歌姫アナ・ネトレブコが下りた演奏会、代わりのガラコンサートが決定した。先ず期待されていたネトレブコに代わる最高の歌唱は求められない陣容で七人の既に薹が立った歌手とか若手にウクライナの歌手などが混ざる。この面子からするとキリル・ペトレンコが伴奏をつけるような程度にはならない。当然の如く代わりの指揮者にネルソンズが入った。先日もプーティンの戦争協力者ゲルギーエフの代わりにミュンヘンのフィルハーモニカーをフランクフルトでも振ったところである。既に聖土曜日には振ることになっていたので余分に一日振る。当然後半の「火の鳥」も全曲ではなく組曲になった。

もういい加減にやめて欲しい。最初にアスミク・グリゴーリアンが下りて、アナ・ネトレブコが削られ、更にペトレンコ指揮の演奏会一晩が削られた。メールによると、メインの新制作「スペードの女王」と演奏会形式「イオランタ」と連邦ユース楽団のマティネーを振ることに全力を注ぐために健康を害したペトレンコ自身が下りたいとしたとある。

先日のキャンセルの真相は分からなのだが、オフィシャルには連邦大統領の依頼を断ったので病気でしかあり得ないので、今回のようなキャンセルも当然かもしれない。しかし何よりもガラコンサートにした理由も今まで決まらなかった理由も皆目分からない。通常ならばロシア音楽にして欲しいという要請に既に演奏している管弦楽曲二曲を埋め込められた。なぜしなかったか?

それは金を出している人の贅沢社交を埋め合わせられなかったからだろうと推測する。要するに前回もあったようなランランを招いたりの程度の悪い趣味がそこに介在している。それなら下りて、他のものに集中するでいいのだ。連中にはペトレンコを仕えさせる必要なんてない。精々安物の太鼓持ちでよい。大変遺憾であり、復活祭の芸術的な目標からは癌である。

そのバーデンバーデンの祝祭劇場支配人から手紙があった。先日の苦情に関してである。なんら反応がないので、もし今後同様のことがあったら会場で大声を出す心積もりだった。そのような苦情処理をしている限り必ず悪化すると思っていたからだ。

思いがけづ支配人本人の意思が良く伝わる返答が届いた。それでもこちらを同定はしていないようで女性宛になっている。ネットで調べたかとも思うが、性別は特定できなかったのかもしれない。

返答内容は、フィードバックへの礼と陳謝、そして観客の満足度に集中して、それが仕事の成果の基準となっていることが記される。更に係員による阻害要素は認められないのは当然であり、会場の責任者に既に話して、改善をしたとある。

これならば祝祭劇場の取り分け復活祭の改善に幾らかでも寄与できたかと思う。大多数の聴衆にとって芸術の良し悪しよりもこうした会場の雰囲気というのは共通の指標になり易い。私が敢えて、前記の件もあり、必ずしもペトレンコ体制での復活祭最初から芸術的に最高の音楽祭と書かなかったのはそこであり、先ずはオーガナイズ的に最高峰の音楽祭を楽しみにしているとしたのはまさしくこのことなのだ。

「スペードの女王」の演出と演奏で、キリル・ペトレンコ指揮ベルリナーフィルハーモニカーがティテュス・エンゲル指揮「ボリス」を超えるのは必ずしも容易ではないと分かっているからだ。



参照:
ヒューマニティーを 2022-03-24 | 文化一般
どっちでもよかったんだ~ 2022-03-10 | 女
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