Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

図書館付随会場の音響

2022-12-21 | 
咳が本格化してきた。夜中に外に聞こえるような咳が出た。恐らくウイルスも居心地が悪くなってきたのだろう。未だ老廃物として一挙に出てしまう感じはないが、解放性になって来て、時間の問題である。ドイツにおいてもオミクロンではなくてその他のウイルスと感冒で医療状況は嘗てないほどに盛況とされていた。要するに予想外の状況で、最早ポストコロナであると明白になった。

同時にラウターバッハ保健相が警告していたように、こうなると多くの人が職場から離れる。対オミクロン接種をしていてもあまり効かないうえに、その他が多いとなるとお手上げだ。しかし社会の多くではコロナ期間中にそうした業務形態にも慣れて来たのではなかろうか。今迄で問題になったのは小児科緊急のスタッフだけだった。

週末には、歌手や指揮者が変わらない限りは再びフランクフルトに出かけるつもりであるが、この忙しい時にお勉強する時間も中々ない。なによりも未だ体調が完璧ではないので仕事量が落ちている。

承前)イザールフィルハーモニー初訪問はどうだったか。結論からするとシューボックスとしてはその伝統的な音のバランスは得られていなかった。恐らく設計者の音楽芸術的な視点ではそうした和声の織りなす重なりがあまり重要ではないのだろう。その代わりにピアニッシモでも粒立ちが立つようには聞こえるのだが、如何せん反射が十分ではないのでサラウンド感が足りない。どうしてもアンサムブルにも気を使わなければ意味がないとして、この歴史的な交響楽団にはとても良い条件とはなっていると思う。恐らくタッパも低く、一人当たりの容積もそれほどではないので、そうした解決法が取られているのだろう。

今回の神経質すぎるともされるケント・ナガノ指揮の演奏には相性がよく、あまり振り切れていない指揮者には厳しい結果になっているのだと思われる。ミュンヒナーフィルハーモニカー自体はもう一つのチェリビダッケが振っていた修復中のガスタイクの会場へ戻るようになれば、この会場を新会場のヤンソンスザール建設中止となったラトル指揮BR交響楽団が本拠地として借りるという構想になっている。問題はバックヤードが足りないという事であるが、放送交響楽団は放送スタディオもあるのでここに移動して本番を行えば事足りる。

ラトル指揮BR交響楽団がここで演奏して、どこまでその精緻な面が活かせるか、又は総奏で割れない音響で効果が得られるかはよく分からない。今回のグリークの協奏曲のピアノが最初から音を割っていたのは跳ね返りが全く足りないと感じたからなのだろう。勿論ラトルは経験豊かな指揮者であるから、そこまで馬鹿な音は出さないに違いないだろうが、元々総奏で痙攣してしまって豊かな音が出ない指揮であって、それが此処では余計に分析的に聴かれるとなると結構厳しいと思われる。

席は金網に囲まれた動物園席を避けて、丁度仕切り壁の隙間から見通せる安い席が最高であった。次回は初夏になるが、その時は今回よりも悪い。しかしその次は最高と思われる席を確保している。市立図書館に付随する会場の音響に関する評価は定まったが、駐車場の新設などまだ進行形のものもあって、そうしたアクセスや使い勝手に関してはまだ改良される。(続く)



参照:
雪模様のミュンヘン旧市街 2022-12-20 | 雑感
若干残る未知の要素 2022-12-16 | 雑感
コメント
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