この東京ロマン飛行も最終回となりました。前回までは都内特別区内を取り上げてきました。23区以外にも名所旧跡は数えきれないほどあります。私が八王子に勤務していた2年半ほどの間に、新聞や友人知人の情報をもとにイベントがあると聞いては駆けつけ、撮りためた画像がかなりあります。今回はそうした中からいくつかを紹介して、ロマン飛行を終わりにしたいと思います。
(1) 日高市高麗の巾着田の彼岸花
北海道育ちの私には、彼岸花あるいは曼珠沙華と聞いても、どのような花なのか、皆目見当がつきませんでした。北海道には自生しない花なのです。カメラ雑誌に掲載された、田んぼの畔に鮮やかに咲く赤い花をみて、強烈な印象を受けました。ある日新聞を見ていると、巾着田の彼岸花が、9月の22-3日ごろに満開になるという記事を見て、さっそくカメラを担いで撮影に行ってきました。八王子からは、JR八高線に乗って東飯能まで行き、そこで西武池袋線に乗り換えます。高麗駅で下車し15分ほど歩けば巾着田(埼玉県日高市)につきます。なんせ降りたほぼ全員が巾着田を目指しているので迷うことはありません。

200万本とも300万本ともいわれるほど群生しています。

クローズアップすると、ちょい霧吹きをかけて…

クロアゲハが止まりましたが動きが速く、なかなか写しとめられませんでした。
なお、職場の同僚の話によれば、彼岸花は縁起のいい花ではないそうな…、昔はお墓の周りに植えられることが多かったといいます。野犬等の墓荒しを防ぐために、毒のあるこの花が周囲に植えられたとのことでした。ともあれ、美空ひばりや、山口百恵の歌に出てくる曼珠沙華が、このように綺麗な花であることを知ったこと自体満足できるものでした。
(2) 山梨桃の里・桃源郷
桃の木や花も北海道にはないものです。山梨県は県下一帯が桃の産地で、春先にはどこを見ても桃色一色になります。中国の故事に由来する桃源郷を前面に出して街づくりをしている市町村もあるようです。桃が満開という新聞情報を見て、勝沼と春日井の二か所を見てきました。

モノクロ画像でも雰囲気はつかめると思いますが…

老婦人がスケッチしておりました。

ちょうど菜の花の咲くころに、桃も満開となります。
(3) 八王子高尾山薬王院の火渡り
高尾山は、八王子市内にあって標高599mと割と低く、気軽に楽しめる登山やハイキングコースとして、都民に人気があります。私が初めて登山らしき真似を経験したのもこの高尾山でした。その経緯は別の機会に述べるとして、3月の中旬にここ高尾山薬王院で火渡りの儀式があるのです。日本古来の儀式ということもあって、当日は外国人も多く体験に来ます。

標高120mの終点までケーブルカーで行く。

高尾山薬王院の境内の一角にうず高く積まれた松の枝に火が放たれる。火が放たれる前にいろいろ儀式があります。

山伏姿の信者たちが祈りを込めて…

寄進された経木が次々と炎の中に放り込まれる。

炎で見る側の顔も熱くなるほどです。

鎮火を確かめてから、薬王院貫主をはじめ僧侶たち、山伏が続きます。最後に一般参詣者がご利益を願って裸足で渡ります。

外国人も、珍しい行事に興味津々…
(4) 日野市高幡不動尊のあじさい祭りと日野新選組祭り
日野市というと、人口18万人弱の都市で、都下では大きな市ではありません。ですが、日野自動車の本拠地があること、また関東3大不動尊の一つ高幡不動尊金剛寺があることが有名です。また幕末に新選組副長として活躍した土方歳三の出身地としても有名です。高幡不動尊は、土方歳三の菩提寺でもあることから5月には新撰組祭りがあります。世論では評判のよくない新選組が、堂々とお祭りとして祝われるのは、ここ日野市の新選組祭りと、函館の五稜郭祭(新選組パレードが有名)のみです。また高幡不動尊は6月から7月にかけて境内一面に数種類のあじさいが咲き誇り、あじさい祭りが行われます。

隊士が行く…幕末期にタイムスリップしたような気が…

日野新選組(青い羽織)と函館蝦夷新撰組とがこの年は合同で祝われた。

高幡不動尊万灯会の日

境内庭園の一部。

山門の近くで遊ぶ子供たち。
(5) 青梅塩船観音のつつじ祭り
当寺は歴史をさかのぼること、大化(西暦645年)に開基した古刹ですが、むしろ境内の2万本のつつじが咲き誇ることが有名のようです。寺名については全く不知でしたが、新聞でつつじが満開であることを知りました。

色とりどりのつつじが鮮やかに咲き誇ろ。

境内どこを見てもつつじ、つつじ、つつじ…

斜面一面につつじが続く。
(6) 青梅吉野梅郷
都内近郊には梅の名所は、数え上げればきりがないほど数多くあります。八王子単身赴任中に住んでいた立川市の隣には国立市があります。立川からJR南武線(立川~川崎)3つ目の駅が矢保駅です。ここの矢保天神の梅も有名です。いわゆる「野暮天」の語源となった矢保天神なのです。残念ながら画像をデジタルデータ化していませんので、青梅の梅を紹介します。そもそも「青梅」と市名にまでなっている訳ですから梅が盛んでないわけがありません。

山一面が梅、梅、梅

遊歩道が設けられていて歩きやすい。

この日梅祭りがあったのか、祭りの出演者たちが一服中でした。
(7) 御岳(みたけ)スターの樹
青梅郊外の御岳山(みたけさん)ふもと、多摩川渓流沿いに生える大きな一本の銀杏の木、その堂々たる枝振りが賞賛されて「御岳スターの木」と呼ばれています。秋口になると、渓流でカヌーやラフティング楽しむ人々とは別に紅葉とイチョウの黄葉を楽しむ人たちで沸き返ります。

渓流の対岸からスターの木を見る。

その堂々たる枝振りが賞賛されている。

シーズンにはこの木の下を歩き楽しむ人が絶えない。
なお、NET情報によると2011年この渓流で水難事故が起こり、救助のヘリコプターの風圧で数本の枝が折れたということです。
もう一つ注意を要するのが、地名の呼び方です。青梅の「御岳山」は、みたけさんと呼びます。木曽の「御嶽山」は、おんたけさんと呼びます。ただスターの木の近くのJR青梅線の駅名は、「御嶽駅」と書いて、おんたけ…ではなく、みたけえきと読ませるから、頭が混乱してしまいます。
(8) 多摩動物公園
昭和33年開園のこの多摩動物園は、年間入館者は92万人で、上野動物園と並んで日本有数の動物園と言われています。上野動物園の約4倍の広さがあり、丘陵地帯にあるので、園内を巡るバスが運行されています。猛獣は無柵による放し飼いにされ、専用バスでコースを見学します。

どの子が一番うまそうかな、ペロリ。迫力満点です。

いやはやこんがらがっちゃうよ、

ペリカンの合唱。お~い、だれか一人音程がずれておるぞ!

昆虫館が併設されているのも、この動物園の特徴。様々な蝶が飼育されていて、見学者の手や髪に止まったりします。この方は飼育員で、手に砂糖水をつけているので、オオゴマダラ(国の天然記念物)が寄ってきます。
(9) 山梨枯露柿の里
柿も北海道では採れません。近年は庭木として柿を植えるケースも散見されますが、食用としては私どもの目に触れるのはすべて内地産です。干し柿は好物でもありますが、どのようにして作られるのかは全く知りませんでした。運よく、京王バスのツアーに「枯露柿の里めぐり」のチラシを見ました。その時の画像です。初めて見る干し柿に圧倒されました。

ハウス内で天日干しされる。

皮を剥いた柿を一個ずつ紐でつるして干す。大変な手作業です。

機械化する余地はすくなく、ほとんどが手作業です。
このほかにも紹介したい名所旧跡がいくつもありますが、フィルムからデジタルデータ化していないものが多く、機会があればアップしたいと思います。
(1) 日高市高麗の巾着田の彼岸花
北海道育ちの私には、彼岸花あるいは曼珠沙華と聞いても、どのような花なのか、皆目見当がつきませんでした。北海道には自生しない花なのです。カメラ雑誌に掲載された、田んぼの畔に鮮やかに咲く赤い花をみて、強烈な印象を受けました。ある日新聞を見ていると、巾着田の彼岸花が、9月の22-3日ごろに満開になるという記事を見て、さっそくカメラを担いで撮影に行ってきました。八王子からは、JR八高線に乗って東飯能まで行き、そこで西武池袋線に乗り換えます。高麗駅で下車し15分ほど歩けば巾着田(埼玉県日高市)につきます。なんせ降りたほぼ全員が巾着田を目指しているので迷うことはありません。

200万本とも300万本ともいわれるほど群生しています。

クローズアップすると、ちょい霧吹きをかけて…

クロアゲハが止まりましたが動きが速く、なかなか写しとめられませんでした。
なお、職場の同僚の話によれば、彼岸花は縁起のいい花ではないそうな…、昔はお墓の周りに植えられることが多かったといいます。野犬等の墓荒しを防ぐために、毒のあるこの花が周囲に植えられたとのことでした。ともあれ、美空ひばりや、山口百恵の歌に出てくる曼珠沙華が、このように綺麗な花であることを知ったこと自体満足できるものでした。
(2) 山梨桃の里・桃源郷
桃の木や花も北海道にはないものです。山梨県は県下一帯が桃の産地で、春先にはどこを見ても桃色一色になります。中国の故事に由来する桃源郷を前面に出して街づくりをしている市町村もあるようです。桃が満開という新聞情報を見て、勝沼と春日井の二か所を見てきました。

モノクロ画像でも雰囲気はつかめると思いますが…

老婦人がスケッチしておりました。

ちょうど菜の花の咲くころに、桃も満開となります。
(3) 八王子高尾山薬王院の火渡り
高尾山は、八王子市内にあって標高599mと割と低く、気軽に楽しめる登山やハイキングコースとして、都民に人気があります。私が初めて登山らしき真似を経験したのもこの高尾山でした。その経緯は別の機会に述べるとして、3月の中旬にここ高尾山薬王院で火渡りの儀式があるのです。日本古来の儀式ということもあって、当日は外国人も多く体験に来ます。

標高120mの終点までケーブルカーで行く。

高尾山薬王院の境内の一角にうず高く積まれた松の枝に火が放たれる。火が放たれる前にいろいろ儀式があります。

山伏姿の信者たちが祈りを込めて…

寄進された経木が次々と炎の中に放り込まれる。

炎で見る側の顔も熱くなるほどです。

鎮火を確かめてから、薬王院貫主をはじめ僧侶たち、山伏が続きます。最後に一般参詣者がご利益を願って裸足で渡ります。

外国人も、珍しい行事に興味津々…
(4) 日野市高幡不動尊のあじさい祭りと日野新選組祭り
日野市というと、人口18万人弱の都市で、都下では大きな市ではありません。ですが、日野自動車の本拠地があること、また関東3大不動尊の一つ高幡不動尊金剛寺があることが有名です。また幕末に新選組副長として活躍した土方歳三の出身地としても有名です。高幡不動尊は、土方歳三の菩提寺でもあることから5月には新撰組祭りがあります。世論では評判のよくない新選組が、堂々とお祭りとして祝われるのは、ここ日野市の新選組祭りと、函館の五稜郭祭(新選組パレードが有名)のみです。また高幡不動尊は6月から7月にかけて境内一面に数種類のあじさいが咲き誇り、あじさい祭りが行われます。

隊士が行く…幕末期にタイムスリップしたような気が…

日野新選組(青い羽織)と函館蝦夷新撰組とがこの年は合同で祝われた。

高幡不動尊万灯会の日

境内庭園の一部。

山門の近くで遊ぶ子供たち。
(5) 青梅塩船観音のつつじ祭り
当寺は歴史をさかのぼること、大化(西暦645年)に開基した古刹ですが、むしろ境内の2万本のつつじが咲き誇ることが有名のようです。寺名については全く不知でしたが、新聞でつつじが満開であることを知りました。

色とりどりのつつじが鮮やかに咲き誇ろ。

境内どこを見てもつつじ、つつじ、つつじ…

斜面一面につつじが続く。
(6) 青梅吉野梅郷
都内近郊には梅の名所は、数え上げればきりがないほど数多くあります。八王子単身赴任中に住んでいた立川市の隣には国立市があります。立川からJR南武線(立川~川崎)3つ目の駅が矢保駅です。ここの矢保天神の梅も有名です。いわゆる「野暮天」の語源となった矢保天神なのです。残念ながら画像をデジタルデータ化していませんので、青梅の梅を紹介します。そもそも「青梅」と市名にまでなっている訳ですから梅が盛んでないわけがありません。

山一面が梅、梅、梅

遊歩道が設けられていて歩きやすい。

この日梅祭りがあったのか、祭りの出演者たちが一服中でした。
(7) 御岳(みたけ)スターの樹
青梅郊外の御岳山(みたけさん)ふもと、多摩川渓流沿いに生える大きな一本の銀杏の木、その堂々たる枝振りが賞賛されて「御岳スターの木」と呼ばれています。秋口になると、渓流でカヌーやラフティング楽しむ人々とは別に紅葉とイチョウの黄葉を楽しむ人たちで沸き返ります。

渓流の対岸からスターの木を見る。

その堂々たる枝振りが賞賛されている。

シーズンにはこの木の下を歩き楽しむ人が絶えない。
なお、NET情報によると2011年この渓流で水難事故が起こり、救助のヘリコプターの風圧で数本の枝が折れたということです。
もう一つ注意を要するのが、地名の呼び方です。青梅の「御岳山」は、みたけさんと呼びます。木曽の「御嶽山」は、おんたけさんと呼びます。ただスターの木の近くのJR青梅線の駅名は、「御嶽駅」と書いて、おんたけ…ではなく、みたけえきと読ませるから、頭が混乱してしまいます。
(8) 多摩動物公園
昭和33年開園のこの多摩動物園は、年間入館者は92万人で、上野動物園と並んで日本有数の動物園と言われています。上野動物園の約4倍の広さがあり、丘陵地帯にあるので、園内を巡るバスが運行されています。猛獣は無柵による放し飼いにされ、専用バスでコースを見学します。

どの子が一番うまそうかな、ペロリ。迫力満点です。

いやはやこんがらがっちゃうよ、

ペリカンの合唱。お~い、だれか一人音程がずれておるぞ!

昆虫館が併設されているのも、この動物園の特徴。様々な蝶が飼育されていて、見学者の手や髪に止まったりします。この方は飼育員で、手に砂糖水をつけているので、オオゴマダラ(国の天然記念物)が寄ってきます。
(9) 山梨枯露柿の里
柿も北海道では採れません。近年は庭木として柿を植えるケースも散見されますが、食用としては私どもの目に触れるのはすべて内地産です。干し柿は好物でもありますが、どのようにして作られるのかは全く知りませんでした。運よく、京王バスのツアーに「枯露柿の里めぐり」のチラシを見ました。その時の画像です。初めて見る干し柿に圧倒されました。

ハウス内で天日干しされる。

皮を剥いた柿を一個ずつ紐でつるして干す。大変な手作業です。

機械化する余地はすくなく、ほとんどが手作業です。
このほかにも紹介したい名所旧跡がいくつもありますが、フィルムからデジタルデータ化していないものが多く、機会があればアップしたいと思います。
じっくり撮ってみたい対象ですね。
今でもこの様な景色は見られるのでしょうか?
道内には決して見られない良い風景です。
撮影場所も私と同じところで似たようなカットでした。
御岳スターの木は幾分背が縮んだようですが、同じように見事な効用をしていました。これもブログで見ました。