アンサンブル・ド・ミューズ ニュースレター

レッスンの事、日々の出来事などいろいろと…。

『いわいごと』― シリーズ8作目…♪

2024-03-11 11:03:39 | Weblog
『まんまこと』シリーズの8作目が文庫になって登場

          

『いわいごと』 畠中恵著 文春文庫
神田の町名主の跡取り息子高橋麻之助、相変わらず怠け心に唆されてのらりくらりと過ごしてますが、なんだかんだ言いながらも支配町の人々のため、縁ある人や友のためと走り回って最後はめでたしめでたし、今作ではホントに目出度し目出度しです
麻之助の悪友相馬吉五郎は養父相馬小十郎サマが与力に昇進しますが、その昇進にはウラがあって、その謎解きに麻之助はアタマをフル回転させて見事に真相にたどり着きます
謎が解けたあとの小十郎サマの対処もさすがです
また、町名主が亡くなった四町をどこの支配下に加えるかという話が持ち上がって麻之助も当然のごとくに巻き込まれますが、ここで“おや、もしやしてこの娘さんが…”と思わせるお人が登場
7作目から続いていた麻之助と日本橋の料理屋花梅屋のお雪さんとの縁談にはケリがつきますし、6作目で一旦は吉五郎から離れたように見えた一葉さんの気持ちが戻りつつあるような…。
麻之助たちの友である高利貸しの丸三さんに札差の大倉屋、新たに登場した町年寄の樽屋など、みんな様々な思惑を胸にいろんなところでその糸を絡ませてますが、乱麻を断つのは快刀ならぬ麻之助とその仲間たちです
麻之助も吉五郎も清十郎も大人に、頭が良くて思いやりもあって融通も利いて洒落も分かってその上喧嘩も強い、つまり“出来る大人”になりつつありますね
ちょいとネタばらしになっちゃいますが…、料理屋に集った町名主たちの喧嘩を止めようと
「大概にしねえかっ」
と大喝する麻之助と、拳固を繰り出して相手の顔面に寸止めする清十郎
またあるところでは、喧嘩腰になっている麻之助を見て清十郎が、
「……、本当に殴り合ったら…相手になれるのはあたしくらいのもんでしょうからね」
なんて悪びれもせずに言い切っちゃう
喧嘩が強いってことは腕っぷしだけじゃなくて駆け引きの仕方を知ってるってことですもんね。
さぁ、これからの彼らが楽しみです…、とはいえ、続きは来年かぁ…
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする