早々に今年の大河ドラマからは離脱することにしましたが、歴史物&時代物好きは相変わらずです。
今読み進めているのは1月上旬に購入した文庫本、
『わが殿 上・下』 畠中恵著 文春文庫
越前大野藩に仕える内山七郎右衛門と藩主土井利忠公との出会いからそれぞれの晩年までを描いたもので、江戸末期から明治維新を経た明治初めの時代まで。
ふたりが初めてに顔を合わせたのは七郎右衛門十九歳、利忠公は四歳年下の十五歳のとき。
出会いから数年後、破綻しかけている藩財政(この頃の日本全国六十余州、借金を抱えていない藩などない)の立て直しに取り掛かった利忠公から
藩の借金を減らせ、なくせ
と直々に命じられてしまう
ここからはもう、金と、つまりは借金と戦をしているようなもの。
ないものは無いとは言えない、ないものは作らねばならない、作るための算段をしなければならない。
もちろん七郎右衛門だけが孤軍奮闘するのではなく、利忠公自らも質素倹約に努め重責を引き受け七郎右衛門の後ろ盾となり、さらには藩の重役の中にも味方が常にいたことも幸いして、十数年で見事に借金を返し終わるんです
七郎右衛門が奔走している最中にも利忠公が新たに大金の要る事を始めちゃったり、江戸城の火事で幕府からお手伝い金二千両の負担を言いつけられたり、江戸市中の火事で焼け落ちた藩邸の新築にも金が要り、云々とまぁ次から次に無理難題が出来するわけですが、それでも借金を返済し終わる頃、今度は浦賀に黒船が …っていう時代に突入。
英邁なる利忠公は時代が変わる予兆を早々に感じ取って、藩の軍制を洋式化したり船を買ったり、様々なことに次々と着手していきますが、それが出来るのも七郎右衛門の手腕と奔走があればこそ。
やがて明治も落ち着き始めたころ、七郎右衛門は大野屋という商家(商社)の主として旧藩主の家系や元藩士たちを支え続け、明治十五年七十五歳で利忠公が待つあの世へ旅立ったそうです。
著者畠中恵氏は言わずと知れた『しゃばけ』シリーズの作者、その洒脱な語り口と軽妙な表現で楽しく読ませてくれますね。
これを原作として余計な脚色をせず時代考証を誤らず上手い役者を揃えれば、これこそ大河ドラマとして面白いのになぁって思います。
今読み進めているのは1月上旬に購入した文庫本、
『わが殿 上・下』 畠中恵著 文春文庫
越前大野藩に仕える内山七郎右衛門と藩主土井利忠公との出会いからそれぞれの晩年までを描いたもので、江戸末期から明治維新を経た明治初めの時代まで。
ふたりが初めてに顔を合わせたのは七郎右衛門十九歳、利忠公は四歳年下の十五歳のとき。
出会いから数年後、破綻しかけている藩財政(この頃の日本全国六十余州、借金を抱えていない藩などない)の立て直しに取り掛かった利忠公から
藩の借金を減らせ、なくせ
と直々に命じられてしまう
ここからはもう、金と、つまりは借金と戦をしているようなもの。
ないものは無いとは言えない、ないものは作らねばならない、作るための算段をしなければならない。
もちろん七郎右衛門だけが孤軍奮闘するのではなく、利忠公自らも質素倹約に努め重責を引き受け七郎右衛門の後ろ盾となり、さらには藩の重役の中にも味方が常にいたことも幸いして、十数年で見事に借金を返し終わるんです
七郎右衛門が奔走している最中にも利忠公が新たに大金の要る事を始めちゃったり、江戸城の火事で幕府からお手伝い金二千両の負担を言いつけられたり、江戸市中の火事で焼け落ちた藩邸の新築にも金が要り、云々とまぁ次から次に無理難題が出来するわけですが、それでも借金を返済し終わる頃、今度は浦賀に黒船が …っていう時代に突入。
英邁なる利忠公は時代が変わる予兆を早々に感じ取って、藩の軍制を洋式化したり船を買ったり、様々なことに次々と着手していきますが、それが出来るのも七郎右衛門の手腕と奔走があればこそ。
やがて明治も落ち着き始めたころ、七郎右衛門は大野屋という商家(商社)の主として旧藩主の家系や元藩士たちを支え続け、明治十五年七十五歳で利忠公が待つあの世へ旅立ったそうです。
著者畠中恵氏は言わずと知れた『しゃばけ』シリーズの作者、その洒脱な語り口と軽妙な表現で楽しく読ませてくれますね。
これを原作として余計な脚色をせず時代考証を誤らず上手い役者を揃えれば、これこそ大河ドラマとして面白いのになぁって思います。