店頭にあった新刊のシリーズ第2作の方を先に読んでしまったので、主要な登場人物の背景や立場を把握するのが曖昧でしたけど、第1作でそのあたりがクリアになりました。
『初午いなり 木挽町芝居茶屋事件帖』 篠綾子著 ハルキ文庫
喜八の生い立ちやその父親で町奴かささぎ組の頭大八郎についてもあらましが語られていて、そこから喜八やその兄弟分の弥助の人となりが窺えます、親譲りの大将気質親分肌の喜八と軍師参謀気質の弥助、二人とも真っ直ぐに歪められることなく育ってきたんだろうなって感じ。
本作では茶屋かささぎの料理人松次郎が事件の主役です。
日本橋の質屋の小僧がハメられて盗賊の手引きをしたとの嫌疑をかけられ、さらにはその潔白を証明しようと松次郎が姿をくらまし、鬼勘こと中山勘解由が盗賊方として出張ってきて、喜八との丁々発止の駆け引きが…。
かつてのかささぎ組は大弾圧のおりに捕縛された頭の大八郎が獄死したことで消滅し、すでに町奴という存在もなくなり、喜八自身“おれは町奴じゃありません”と折に触れて口にしていますが、まぎれもなく大八郎の息子だと思わせる片鱗をちらほらとのぞかせています
物語はめでたしめでたしで終わりますが、この親にしてこの子あり、つまり大八郎という親なればこそ喜八という息子あり、それと同じように松次郎という親なればこそ……
事件帖ではありますが後味のいい楽しいお話です。
『初午いなり 木挽町芝居茶屋事件帖』 篠綾子著 ハルキ文庫
喜八の生い立ちやその父親で町奴かささぎ組の頭大八郎についてもあらましが語られていて、そこから喜八やその兄弟分の弥助の人となりが窺えます、親譲りの大将気質親分肌の喜八と軍師参謀気質の弥助、二人とも真っ直ぐに歪められることなく育ってきたんだろうなって感じ。
本作では茶屋かささぎの料理人松次郎が事件の主役です。
日本橋の質屋の小僧がハメられて盗賊の手引きをしたとの嫌疑をかけられ、さらにはその潔白を証明しようと松次郎が姿をくらまし、鬼勘こと中山勘解由が盗賊方として出張ってきて、喜八との丁々発止の駆け引きが…。
かつてのかささぎ組は大弾圧のおりに捕縛された頭の大八郎が獄死したことで消滅し、すでに町奴という存在もなくなり、喜八自身“おれは町奴じゃありません”と折に触れて口にしていますが、まぎれもなく大八郎の息子だと思わせる片鱗をちらほらとのぞかせています
物語はめでたしめでたしで終わりますが、この親にしてこの子あり、つまり大八郎という親なればこそ喜八という息子あり、それと同じように松次郎という親なればこそ……
事件帖ではありますが後味のいい楽しいお話です。