人力でGO

経済の最新情勢から、世界の裏側、そして大人の為のアニメ紹介まで、体当たりで挑むエンタテーメント・ブログ。

ダイムラーの敗北

2010-04-07 23:49:00 | 時事/金融危機


■ ルノー + 日産 + ダイムラー の提携 ■

上の写真で満面の笑みを浮かべているのは、ご存知カルロス・ゴーン氏と、もう片方の髭の紳士はダイムラーのツェッチェCEOです。日産とルノーとダイムラーが資本提携と技術提携の契約を結んだ際のショットと思われます。

詳しくはロイターの記事を参照して下さい。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-14708220100407

■ トヨタ叩きで怯えたダイムラー ■

ベンツは世界を代表する高級車ブランドです。そのダイムラーが何故ルノー・日産陣営と提携するのか、その裏には現在世界で起きている変革の影響を強く感じます。

元々ダイムラーはロックフェラーと繋がりの深い会社です。クライスラーと合併したり、三菱自動車を傘下に収めていた時期もあります。クライスラー、三菱ともにロックフェラー陣営です。

さらに、昨年7月にはトヨタと小型車のシャーシの共同開発を行う予定があると報道されました。トヨタは銀行に頼らない経営から、独立色の強い会社でしたが、アメリカにおいてGMと提携するなど、従来、ロックフェラー寄りの会社だと考えられます。奥田会長が経団連の会長を務めた事からもこの事を裏づけます。


ところが、ダイムラーはトヨタとの技術提携を白紙に戻し、突然ルノー・日産グループと手を結ぶ発表をしました。表面上は小型車の共同開発や、環境技術の提供という事ですが、これは明らかにロックフェラーからロスチャイルドへの寝返りです。

第二次世界大戦に敗れた日本とドイツを代表する2大自動車メーカーが、相次いでロスチャイルドに屈した事は象徴的です。トヨタは露骨な圧力に屈しましたが、ダイムラーはそのトヨタへの仕打ちを目の当たりにして、ロスチャイルドに膝を屈したのでしょう。

■ 自動車会社の再編が始まる ■

今後予想されるアメリカ帝国の崩壊は、世界を二度目の経済危機に叩き込むでしょう。世界の自動車メーカーは半分か、あるいは1/3に淘汰されるかもしれません。

<ロックフェラー陣営>
GM + GM大宇 + (上海汽船?)

<非ロスチャイルド陣営?>
フォルクスワーゲン + スズキ

<ロスチャイルド陣営>
ルノー + 日産 + ダイムラー
フォード + マツダ + (トヨタ?)
フィアット + クライスラー
シトロエン + プジョー


ここに韓国の現代自動車、中国の上海汽船やBYD、インドのタタ、ホンダあたりが絡んできます。おっと、BMWも忘れてはいけないですね。

■ 自動車業界のロスチャイルド支配 ■

リーマンショック前から殆ど破綻状態であったGMとクライスラーはチャプター11によって解体され、かつての支配力は微塵もありません。

フィアットはGMにフィアットオートの株を売るなど、GM系とも見えますが、ラザール・フレールとの関係からも分かる様にロスチャイルド系の会社と見るべきです。クライスラーはロスチャイルドに叩き売られたのでしょう。

トヨタと関係の深いGMは、今回のトヨタ叩きでトヨタとの関係を絶たれてしまいました。今は孤立無援の状態です。

リーマンショックの結果、ロスチャイルド系の自動車会社を中心に、世界の自動車業業界が再編されてしまいました。

我々日本人としてはホンダが気になる所ですが、意外と隙間で生き残りそうな予感がします。
スバル、いすゞは、ダイハツは・・・トヨタ陣営という事で・・・微妙・・。
三菱自動車は・・・・。
光岡自動車は・・・意外と中国に進出して受けそうですね。

■ リーマンショック後激変した世界 ■

リーマンショック後、色々な業界で同じ様な再編が行われているのでしょうが、自動車メーカーの再編を見ると、ロックフェラー陣営の退潮が著しい事が分かります。

ヨーロッパにおける自動車会社の歴史は、ヨーロッパにおける石油と自動車産業がロスチャイルド家によって支配されてきた歴史でもあります。

その辺は、下の記事に詳しい様です。

<国際石油資本、石油メジャーとイルミナティ(国際金融資本家)>

http://d.hatena.ne.jp/hourou-33/20080216/1212641696

変動相場制度というトリック

2010-04-07 08:46:00 | 時事/金融危機


■ 為替は固定相場ではいけないのか? ■

私が幼少の頃は日本円は360円/1ドルでした。それから200円/1ドルがしばらく続き、大学に入学する頃プラザ合意で一気に円高が加速し、「円高不況」が訪れました。360円/1ドル時代から比べれば、円はドルに対して400%も値上がりした事になります。

為替の変動制度に慣れ過ぎてしまった為、私達は何故為替が変動しなければいけないのかを考える事をしません。しかし、単純に考えれば、為替のレートが固定されている方が何かと便利な気がします。海外投資の為替変動リスクも回避出来ます。

では、固定相場では何がいけないのでしょうか?

■ 金兌換性に裏打ちされた固定相場 ■

かつて金貨が通過として流通していた時代は、金の含有量が貨幣の価値そのものでした。同じ国の金貨でも、財政状態によって金の含有量が異なる時代のものがあれば、同じ金貨でも異なる価値を持つ事になります。当然、国が異なればそれぞれの通過の金の含有量が異なり、これらを交換する時には金の含有量を基準にした交換レートが発生しました。これは銀や銅でも同様です。

一方、常時金貨、銀貨を大量い携帯する事は、重くて不便な為、紙幣が発明されます。初期の紙幣は金に交換出来る事を前提に価値を担保してしていました。

ブレトンウッズ協定によって成立した最後の兌換制度においても、35ドル/金1オンスという兌換率が決められ、さらに各国通貨はドルに決められたレートで固定されていました。どこの国の通貨でも、一度ドルにすれば金に換金出来る仕組みによって、固定相場制度は維持されていました。

■ ニクソンショック ■

1971年8月15日、アメリカ大統領のリチャード・ニクソンは突然ドルの兌換停止と変動相場制への移行を宣言し、世界をパニックに落とし入れます。所謂ニクソンショックです。

アメリカはベトナム戦争による出費で財政赤字が拡大し、ドルの供給量が増大していました。ニクソンショック当時、アメリカの金の備蓄量は既に35ドル/金1オンスという兌換率を満たす物では無かったと予想されます。

■ 持続不可能な固定相場制度 ■

さらに、固定相場の持つ罠が、アメリカやドイツ、日本を襲います。
当時、ドイツや日本は目覚しい経済発展を遂げていて、インフレが進行していきます。固定レートではマルクや円のリスクはドルによって回避されるので、ドイツや日本には投資が集中しさらにインフレリスクを押し上げます。一方、固定レートを維持する為にドイツや日本はドルを買い支え、市場に放出されたマルクや円がさらにインフレを加速します。

アメリカの財政赤字によって過剰に供給されるドルにぺックする為、マルクや円も供給量を増やさざるを得ず、結局固定相場は維持出来なくなりました。

■ 変動相場という罠 ■

ニクソンショック後も、ドルの度重なる切り下げで、固定相場は維持されようとしましたが、結局これも失敗に終わり、変動相場に移行して行きます。

しかし、変動相場には罠が仕掛けられていました。
日本やドイツに投資されたアメリカの資金が回収される時、大きな為替差益を生み出したのです。360円/1ドルで融資されたドルは、回収される時に利息を無視しても240円/ドルでは、1.5ドルに膨らんで戻ってきます。

さらにプラザ合意によって円は120円/1ドルから、さらには87円/1ドルとなり、アメリカは日本への投資で莫大な利益を生み出しました。

尤も、日本も円がいきなり2倍、3倍になった訳ですから、世界一強い通貨となった円は世界各国に投資され、アメリカの資産を日本企業が買い漁ります。

ところが、日本国内で土地バブルは弾け、日本経済は失速します。円は120円台に値下りし、アメリカに投資された資金は大きく目減りしてしまいました。

■ ユーロの罠 ■

ユーロは発足当時から「偉大な通貨の実験であるが、成功はしない」とも言われていました。ヨーロッパの経済統一という崇高な目的の影に隠れがちですが、ユーロには「失敗」を引き起こすシステムエラーが組み込まれていました。

それは、ユーロ加盟国間の経済格差です。

経済が成熟したドイツなどの国では、デフレ懸念があります。
一方、PIGSとして危機が顕在化した新興諸国ではインフレ懸念があります。
しかし、金利を共通化したユーロでは、金利政策によって各国の経済をコントロールする事が出来ません。

さらには、ユーロという強力な通貨を与えられた新興諸国は、通貨不安が存在しない為に投資が集中し、インフレを加速します。逆に新興諸国に投資を奪われる形のドイツなど先進諸国ではマネーサプライが減少し、デフレが進行します。

かくして、ニクソンショック当時と同じ状況がユーロを襲います。これは固定相場の構造欠陥として世界が一度経験してきた事です。ユーロのこの構造的欠陥が解決されるか、あるいはユーロ諸国の経済格差が解消されなければ、ユーロは絶えず危機を抱える事になります。

尤も、近代国家は現在のユーロの様な状況を通過しています。円という共通通貨で運営される日本は、東京が生み出した富が税金という形で集められ、北海道や沖縄や青森といった経済後進地域に再分配されてきました。この事に対して、東京都民は怒りを顕わにする事はあまりありません。

一方、歴史や文化を異にするヨーロッパ諸国では、このような富の移動は期待出来ません。ギリシャを守る為にドイツ国民に増税を課したら、ドイツ国民は迷わずユーロを離脱してマルクを復活させます。

結局、ユーロはヨーロッパの先進諸国の富を、ヨーロッパの新興諸国に移転するシステムで、いかにもロスチャイルドの最近の多極化政策に都合の良いシステムだったのです。

■ 元の切り上げ・・・・収穫の時 ■

一方、アメリカ議会は再三「元の切り上げ」を中国に要求しています。
これは、「第二のプラザ合意」以外の何物でもありません。元が切りあがれば、アメリカの投資家達は、大きな為替差益を手にする事が出来ます。尤も、元が管理通貨で自由に中国国外に持ち出せないというプロテクトは無視できません。そこで、「元の自由化」の要求がアメリカから高まる事は容易に想像出来ます。

中国は日本のプラザ合意とバブル崩壊を、日本人以上に研究していますから、容易にアメリカの要求には乗りません。元が切りあがる時は、アメリカ経済が再起不能に陥る時でしょう。それまでは、小幅な切り上げで、アメリカの攻撃をかわしながら、BRICs諸国やアジア、アフリカ諸国の経済発展を気長に待つのでしょう。

■ スタグフレーションが待ち受けるアメリカ ■

元の切り上げは、アメリカにとっては諸刃の剣です。
投資家達は、投資を回収できて大喜びですが、生活物資の多くを中国からの輸入に頼るアメリカでは、元の切り上げは確実にインフレ圧力を伴います

住宅市場も、商業不動産市場も、雇用市場も、そして製造業も低迷するアメリカでインフレが発生するという事は、インフレと不況の同時進行によるスタグフレーションの発生を意味します。

さらに、財政破綻が確実になり、国債金利が上昇すれば長期金利が上昇し、アメリカ経済の息の根が完全に止まります。そうなればドルの下落に歯止めが掛からなくなり、原油を始めとしたあらゆる輸入物価が高騰し、アメリカは経済のコントロールを失い、最悪はドルの暴落やハイパーインフレという事態に突入します。

■ アメリカ国民は騙されている ■

製造業の流出から、産業が空洞化したアメリカでは、中国からの輸入がアメリカの製造業と競合する事はありません。今後数年間、アメリカの自動車市場を席巻するのは現代などの韓国車で、中国車ではありません。

今、経済的に疲弊したアメリカ国民の生活を支えているのは、中国からの安い輸入品です。政治家達はそれすらも国民から奪おうとしています。

これは日本にしても似た様な状況です。元を切り上げは、中国を迂回したアメリカへの製品輸出を激減させ、さらに中国の部品調達コストを下げる効果しか生みません。一方、日本も中国からの輸入に頼っていますから、元の切り上げは日本人の生活を直撃します。

■ アメリカの崩壊は「大戦」と同じ効果を生む ■

歴史的に見れば、世界的な戦争は、その後の経済発展の起爆剤になってきました。
戦争と供に、古い社会システムが崩壊し、富の流動化が発生して経済は飛躍的に発展しました。

しかし、現在は核兵器の時代です。限定的な戦争は出来たとしても、大規模な戦争は人類の滅亡を意味します。核兵器を直接使用しなくとも、原子力発電所への攻撃は、同じ結果を人類にもたらします。

経済発展の為に「戦争」を利用できない時代の「代用戦争」は「経済破壊」です。現在、世界に最大の被害をもたらす「経済破壊」はアメリカの崩壊です。ドルの崩壊はユーロとポンドを道連れにします。円や元とて無傷ではいられません。

世界はアメリカの「緩慢な死」を望んでいますが、「激烈な死」の方が、後の経済発展の貢献するならば、そちらが選択されないという保障はありません。

さて、「紙の通貨」は大丈夫なのでしょうか・・・?

尤も、田中宇氏の最新ブログによると、現物以外の金は紙幣同様紙屑になる恐れがある様です。・・・そして、現物の金も、国に安く接収される可能性は否定出来ないとか・・・。