■ フォークロジャー・ゲート事件 ■
今回のアメリカの担保差し押さえ中止に絡む疑惑を「フォークロジャー・ゲート」事件と呼ぶらしい。田中宇氏のサイトに内容は詳しく載っているので、是非参照して頂きたいと思います。
私もMBSやCDSという金融商品は成り立ちが複雑過ぎて、理解し切れないのですが、先日書き込みをしている際にも、金融機関がローンをフレディーマックやファニーメイに売却(債務保証)さいた際に、抵当権はどうなるのか疑問でした。田中氏のブログによると・・
① 金融機関が住宅ローンを貸し付ける(抵当権を得る)
② フレディーマックやファニーメイが住宅ローンの債務保証をする(抵当権が移動する)
③ フレディーマックやファニーメイがMBSを組成する
④ MBSを投資家や金融機関に販売する(抵当権が移動する)
という事で、MBSが組成される場合、ローンの抵当権はMBSを購入した投資家に移動している様です。そこで問題が発生します。
① ローンの支払いが滞る
② ローンの貸し出し銀行が、住宅を差し押さえる
③ MBS購入者に担保権が移っている為、銀行は本来担保権を有しない
④ 裁判所が銀行の差し押さえを無効として差し押さえを中止させる
⑤ 既に差し押さえられた住宅も不当な差し押さえと判断する
⑥ 住宅を差し押さえられた住民が訴訟を起こす可能性が高まった
さらに銀行は裁判所に提出する資料で抵当権者の資料を偽造して差し押さえを行っており、これが国民の怒りを買いました。
■ そもそもインチキなモゲージ ■
さらにバンカメやシティーバンクで問題になっているのは、モゲージを重複して販売したのではないかという疑惑です。同じモゲージが幾つものMBSに組み込まれてしまった可能性があるのです。
これは完全に詐欺行為ですから、MBSの購入者が買戻しを要求する事態に発展しました。
バンカメ傘下のカントリーワイドがこの様な不正を働いていた様です。バンカメは投資家から合計470億ドル分のMBSの払い戻しを要求されています。
さらには、06年と07年に発行されたシティーが組成したモゲージ債は、担保の不足が指摘されています。
この様に、モゲージ債事態がインチキ商品である可能性もある為、銀行は今後予想される「訴訟」と、「払い戻し」と、「差し押さえ中止」に戦線恐々としている事でしょう。