■ 東芝は70円のレートを想定 ■
ドル/円レートが80円を割り込む勢いです。さすがに昨日は介入を警戒してドルが値を戻していますが、ドル安基調に変化はありません。ドルが対円で市場最安値を付けるのも時間の問題です。
ところでこのドル安はいったい何処まで行くのでしょうか?
<ロイターより引用>
http://jp.reuters.com/article/technologyNews/idJPJAPAN-17823720101025
1ドル70円の円高に備え対応策、事業構造を転換=東芝社長
東芝の佐々木則夫社長は25日、1ドル=70円の円高を想定したストレステスト(健全性審査)を昨年10月に実施し、その結果を基に売り上げ、生産、調達の海外比率を引き上げるなど事業構造の転換に取り組んでいることを明らかにした。
25日の東京外為市場では、円が1ドル=80.41円をつけるなど15年ぶりの高値を更新。史上最高値をうかがう円高が、輸出勢などを中心に日本企業の業績を圧迫している。
佐々木社長によると、東芝は昨年10月から、さらなる円高を想定し、「プロジェクト70」と呼ぶ対策に取り掛かった。同社長は「昨年10月にこの話をした時には、そんなことになるわけがないと言われたが、ドルの弱さと円の強さの両方を見ると、確率はあるかもしれないということで、ストレステストを実施した上で施策を進めることにした」と語った。
昨年度上期は1円の円高が同社の営業損益ベースで8億円のマイナス要因だったが、今年度上期は1円の円高が7億円のプラス要因になるまで体質が改善したという。ただし、「ユーロは別」という。
具体的な施策としては、短期的には「輸出入バランスの改善」が目標。同社長は「海外に生産を委託する場合でも、どういう形で生産委託していくか、現地調達やいろいろな面で改善するべきところがある」と指摘した。
また、中長期的には「良くなる事業は伸ばし、悪くなるものを入れ替えていかないといけない」とし、さらなる事業構造の転換に前向きな姿勢を示した。
(ロイターニュース 泉沙智記者;記事作成 大林優香記者)
<引用終わり>
昨年9月の「人力でGO」で予想したレートも70円でした。
本当は貧しいアメリカ・・・ドルの実力
http://green.ap.teacup.com/pekepon/139.html
■ 下半期の想定レートを80円とするトヨタ ■
トヨタは下半期の想定レートを80円/1ドルとしているようです。既に80円を割ろうとしているのですから、80円以下を想定すべきですが、70円代では収益予測が下振れし過ぎて株価に与える影響も甚大になるのでしょう。
■ 2倍に膨れ上がったドル、3倍のポンド ■
ドル安には諸説いろいろありますが、単純に言えばドルが増えすぎたのですから、レートが下がるのは自明の理と言えます。
リーマンショック後、ドルは2倍、ポンドは3倍の通貨流通量になっています。一方、円は1.05倍ですから、50円/1ドルになっても良い訳です。ドルが踏ん張っているのは、ドルの機軸性が辛うじて保たれているからです。
■ 「悪魔の見えざる手」にいざなわれる世界 ■
経済評論家や経済学者の予測は当たりません。それは、彼らが「良識的」だからです。「経済は世界の人類の理性と知性の総和の上に成り立っている」と彼らは考えています。市場原理とい「神の見えざる手」は、神の物ですから、人類に悪意を持っていないと考えているのでしょう。
しかし、実際に世界経済を動かしているのは「悪魔の見えざる手」です。「奥の院」とも「イルミナティー」とも言われる一部の者達が、その利益を最大化する為に世界を恣意的に動かしています。
「起こるはずの無い事が起こる」から彼らは莫大な利益を上げるのです。
ですから、経済学者の予測は常に外れます。後付的に数式を操作して、科学の振りを装いますが、自然科学から見れば、社会科学の数式などパラメーターと関数を調整してたまたま事象に合った数式を見つけているに過ぎません。ですから、次の危機の出現で、その数式の根拠は根底から崩れてしまします。
稀に危機を予測する経済学者も居ますが、むしろ彼らは「奥の院」の手先として、地獄への水先案内人を務めています。
ケインズは不況下に需要を作る為「公共投資」の必要性を説きましたが、前回の世界恐慌は「公共投資」によって需要が回復したのでは無く、第二次世界大戦による「過剰生産設備の破壊」という生産の抑制と「戦後復興」という需要の創造によって景気が回復しています。
リーマンショック以降、ケインズの亡霊が世界中に現れましたが、大規模な財政出動はソブリンショックの大津波となって、世界経済を根底から破壊するでしょう。
■ ロスチャ系の企業に注目 ■
世界経済の先行きを見極めようとしたら、ロスチャ系の企業の動向に注目するのが一番です。
その筆頭がゴールドマンサックスであり、国内では三井住友や東芝、日産といった企業の動向が時代の方向性を先取りしているはずです。
先に東芝が70円/ドルを想定しているという記事を紹介しましたが、これはロスチャイルドが70円/ドルを容認していると読むべきです。東芝は過去にCOCOM違反でロックフェラーに叩かれましたが、近年、アメリカのウエスチングハウスを買収してロスチャイルドの原子力戦略の一翼を担う企業となっています。
日産もルノーと合弁した事で、ロスチャイルドの一翼を担う企業です。日産はゴーン氏の指揮の元、生産拠点の海外移転を進め、主力車のマーチをタイで生産するなど、円高に対応した企業体質になっています。
■ 石油に注目 ■
日産はEVのリーフを発表するなど、積極的に電気自動車戦略を推進しています。尤も、リチウムイオン電池が高価で充電設備のインフラも整わない現状では本格普及には至らない可能性が大きいです。
そこで、高級車のフーガのハイブリットモデルを市場投入しました。リーフに採用されるリチウムイオン電池を搭載しています。暫くはハイブリットで時間を稼ぎながら、バッテリーの性能向上と制御技術を練り上げていくのでしょう。
さて、東芝にしても、日産にしても、あるいはトヨタが出資させられたテスラモーターズにしてもビジネスの基本は脱石油社会です。原油価格が100ドル以下の現状では、これらのビジネスは成り立ちません。
温暖化による脱石油社会の構築はコペンハーゲンで減速を余儀無くされています。しかし、ゴーン氏の日産も、電気自動車を捨ててはいない様です。彼らのビジネスが成功する為には石油の高騰という現象が不可欠です。
■ 石油に裏打ちされたドル ■
ニクソンショック以降、金の兌換を停止したドルは、石油の決済通貨としてその価値を保っています。所謂、「修正ブレトンウッズ体制」です。
現在ドルが危機に瀕死ながらも未だにその価値を保っているのは、少なからぬ石油が未だにドル立てで取引されているからです。
ドルが暴落すれば原油価格は高騰します。尤も、事そこに至れば、ドルペックを続ける国々も流石にドルに見切りを付けるでしょうが、ドルの暴落は「信用通貨」自体を紙切れにしてしまうかも知れません。資源インフレが発生する事は必至です。
さて、日産の電気自動車戦略は、果たしてロスチャイルドの青写真に則った物なのか、それともゴーン氏が単なる技術音痴なだけなのか?・・・日産の動きからは暫く目が離せません。