■ 「おい、のび太、金貸してくれよ」 ■
ジャイアン 「おい、のび太、金貸してくれよ」
のび太 「エー、ジャイアン、先月も貸したじゃないか」
ジャイアン 「そんなの使っちゃったよ。」
のび太 「スネオから借りればいいじゃないか」
ジャイアン 「スネオにはもう借りたよ。あいつん家は金持ちだからなぁ」
のび太 「僕ん家は貧乏だし、お小遣いだって少しだよ・・・。」
ジャイアン 「そんな事言わないで、ドラエモンに頼んでくれよぉー。」
のび太 「仕方が無いなぁ・・・。今回だけだよ。」
■ 「ドラエモン、お金を出してよぉー。」 ■
のび太 「ドラエモン。ポケットからお金を出せる?」
ドラエモン 「のび太クン、それは禁じられているよ。」
のび太 「エー、困ったなあ、ジャイアンに殴られちゃうよ。」
ドラエモン 「しょうがないなぁ。今回だけだよ。」
「パラララッパラー、ジャーン!!郵便貯金!!」
のび太 「すごいよ、ドラエモン。それどうやって使うの?」
ドラエモン 「街を歩いているお年寄りに向かってこのスイッチを押すと
お年寄りがこの中にお金を入れてくれるんだよ。」
のび太 「すごいや、ドラエモン。早速お金を集めに行こう!!」
ドラエモン 「アー、のび太クン。あまり沢山集めると壊れるから気をつけて!」
「あーぁ。聞かないで行っちゃったよ・・。」
■ 「すごいよ、お金がどんどん集まってくる」 ■
のび太 「さすが未来の機械だ。どんどんお年寄りからお金が集まってくる」
ジャイアン 「のび太ぁー。お金は持ってきただろうな!!」
のび太 「うん。ジャイアン。このくらいで足りるかな?」
ジャイアン 「ウァー。すごいや。さすがドラエモンの機械だなぁ・・。」
のび太 「必ず返してよ!!お年寄りから借りっぱなしじゃ怒られちゃうよ」
ジャイアン 「必ず返してやるよ。ほら、これが借用書さ」
スネオ 「のび太のやつ、凄い機械を手に入れたなぁ・・。」
ジャイアン 「これで小遣いには困らないな。ジャンジャン借用書を書いてやろう」
「スネオにも借用書をあげるよ」
スネオ 「ボクはもういいよ。今月からはシズカちゃんに貸すことにしたから。」
ジャイアン 「そうか、シズカちゃんなら仕方ないなぁ。」
■ 「ゴメン、お金は返せないゼ」 ■
のび太 「ジャイアン~。この間貸したお金返してもらっていいかな?」
ジャイアン 「ゴメン、のび太。あの金は返せないゼ。
今月は母ちゃんの店の売り上げが悪くて、お小遣いが無いんだ。」
「それより、のび太。その機械をちょっと貸してくれよ。」
のび太 「だめだよジャイアン・・・」
ジャイアン 「そんなこと言わずにさぁ」
ポカ!!
■ 「ウァー。壊れちゃった」 ■
ジャイアン 「のび太の奴、こんな凄い機械を独り占めなんてズルイや」
「どれどれ、あのジイサンなんて狙い目だな。」
「この調子でドンドン集めてやれ!!」
ジャイアン 「あれ??おかしいなぁ・・。
機械からお金がバンバン出てくるや。
壊れちゃったのかなぁ?」
のび太 「ジャイアン、どうしたの?」
ジャイアン 「この機械壊れちまったゼ。お金がどんどん出てくるんだ。」
「こんなにお金があると、ありがたくないゼ。」
「もういらないから返すゼ」
のび太 「ドラエモ~ン。「郵便貯金」が壊れちゃったよ」
ドラエモン 「のび太クン。困るなぁ。あんなに言ったのに。」
「郵便貯金は使いすぎると、日銀に変わっちゃんだよ。」
のび太 「エー。でもお金がドンドンでてきてこっちの方がイイヤ」
ドラエモン 「のび太クン。良く見てごらんよ。「ニセ」って書いてあるでしょ。」
のび太 「エー、こんなお金じゃ飴玉も買えないよ。」
「ジャイアンにお金を返してもらわなきゃ」
■ 「借用書なんてただの紙切れさ」 ■
のび太 「ジャイア~ン。借用書を返すからお金を返してよ」
ジャイアン 「ヘ!そんなのただの紙きれじゃないか。金は返さないよ」
ポカ・ポカ・ポカ!!
のび太 「エーン、ドラエモ~ン。ジャイアンがお金を返してくれないよ」
ドラエモン 「のび太クン。ジャイアンがお金を返すと思ったの?」
「それより、のび太クン。家の前に怒ったお年寄りが沢山居るよ。」
のび太 「どうしよう、ドラエモン。何かいい物ないの?」
パラララッパラーーン。 ジャーン・「預金封鎖」