■ 修正ブレトンウッズ体制再び? ■
現在の借金まみれの世界経済を軟着陸させる方法はあるだろうか?
これは、毎日私が考える事です。
通貨の信認が揺らいだ事は以前にもありました。
1971年のニクソンショックです。
この時は第四次中東戦争によって石油ショックが発生し、
原油価格が10倍に跳ね上がったので、ドル需要が急増し、
ドルは金から石油によって裏打ちされる通貨となりました。
これを「修正ブレトンウッズ体制」と呼びます。
「ドルを支えた石油ショック・・・修正ブレトンウッズ体制」
(人力でGO 2011.03.07)
http://green.ap.teacup.com/pekepon/347.html
■ 欧米の望む役割を演じるアフマデネジャド大統領 ■
イランを廻り、アメリカやヨーロッパが不自然に緊張を煽っています。
これはイランを戦争を誘っている様にしか見えません。
再び中東で大規模な戦乱を起こして、原油価格を吊り上げるのでしょうか?
イランのアフマデネジャド大統領は、欧米に対して強硬な態度を示していますが、
これは欧米が戦争を望むならば、好ましい反応とも言えます。
そもそも中東の政治情勢は複雑で、
カダフィーがCIAやMI6と通じていた様に、
「敵」は好きな時に「危機を煽る」エージェントであると考えた方が合理的です。
イラン国内で「原理派」と「改革派」が対立していますが、
「原理派」は国益を重視したグループで、
アメリカなどに宗教的な挑発はしても、軍事行動は好まない一派です。
一方「改革派」は、どうも核開発で欧米を挑発するなど、
イランの国益を損なう行動ばかりが目立ちます。
これは北朝鮮の金王朝にも言える事です。
東アジア情勢は、アメリカが裏から金王朝をコントロールする事で、
日中韓の結束を防いでいます。
■ いつでも戦争を起こせる中東 ■
リーマンショック時のレバノンとイスラエルの戦闘の様に、
中東はいつでも、好きな時に戦争や紛争を起こして、
その都度、危機に瀕したドルの需要を支えていました。
従来の筋書きに従えば、
今回もイランとイスラエルの戦闘が起こる可能性は低くありません。
今回の戦闘は、ヒズボラかハマスのロケット砲の攻撃で
イスラエル市民に死傷者が出て、
イスラエルが過激な反攻に出るというシナリオでしょうか。
イランがイスラエルに過激に抗議して、
イランとイスラエルの間で緊張が高まる中で、
エジプトのイスラム原理主義勢力や、
政府のコントロールが外れたシリアの原理主義勢力が、
イスラエルに圧力を加えるでしょう。
恐怖に駆られたイスラエルが、イランに攻撃を加えるという筋書きで、
第5次中東戦争が勃発するというシナリオが有力ではないでしょうか?
■ アメリカの中東覇権を崩壊させる中東戦争 ■
今回中東で戦闘が始まれば、中東は新米派と反米派に二分されます。
アメリカはサウジアラビアやカタールにミサイルや戦闘機を売却しています。
しかし、イスラエル側にサウジアラビアが付く事は
アラブの国民感情的に考えられず、
もしサウジアラビア政府がイスラエルを擁護すれば、
シーア派を中心に、サウジ王族と打倒する動きが顕著になるでしょう。
結局、現在の中東で戦乱が発生すれば、
アメリカの中東覇権が消失する事になります。
先のヒラリー論文でも、アメリカは中東から手を引いて
環太平洋の覇権国を目指す様なので、
もしかすると、アメリカの中東撤退のセレモニーとして
中東戦争が準備されている可能性は否定出来ません。
■ 原油高はインフレの引き金を引くが、ドル防衛には繋がらない ■
ところで中東で戦乱が発生した場合、ドルは持ち直すのでしょうか?
私は答えは「否」だと思います。
前回の石油ショックの裏で糸を引いていたのはアメリカです。
当時のアラブ諸国のリーダーはサウジアラビアで、
OPECもサウジアラビアが仕切っていました。
ヤマニ石油相が裏でアメリカと結託して原油高を演出していったのです。
当時は原油の決済通貨がドルしか無かったのでドルに有利に有利でした。
しかし、現在の世界では、ユーロも、ルーブルも元もあります。
イランやアラブ各国は中東有事ともなれば、
一斉に原油の決済通貨をドル以外の通貨にする事が可能です。
原油に裏打ちだれたユーロやルーブルや元は、
国際通貨としての地位を高め、
逆にドルは終焉の道を真っ逆さまに転げ落ちる事になります。
最も、原油価格はしっかりと上昇しますから、
世界全体では資源インフレが発生します。
世界の負債を清算する為に、ECBや中国やロシアが紙幣を大量に増刷しても
最終的には原油がそれらの紙幣を吸収して、
ハイパーインフレの発生を防ぐかも知れませ。
インフレ率が石油価格の上昇率と同等に、
5年間で1000%程度であれば、
各国の債務は相対的に軽減されます。
多少の混乱の後に、ユーロやルーブルや元が
国際通貨としての地位を不動の物とするかも知れません。
■ 日本は原発を再稼働するしか生き残れない ■
日本は中東の原油に6割依存しています。
イランがホルムズ海峡を封鎖すれば、
日本はあっと言う間に、石油が枯渇します。
日本の経済界はアメリカの要求するイラン制裁をどうにかして回避したいのです。
ところが、ガイトナーがイラン制裁に踏み切らない日本政府を恫喝に訪れます。
野田首相がイラン制裁に踏み切れば、
イランは日本への原油輸出を止めるでしょう。
いえ、それ以前に、イラン制裁とはイランからの原油の禁輸ですから
当然、日本の原油輸入の1割以上が失われる事になります。
福島原発以降、点検休止した原発が再稼働出来ていない日本ですが、
オイルショックが到来すれば、そんな悠長な事は言っていられません。
原発が稼働出来なければ、産業用の電力が不足します。
さらに、電力コストが跳ね上がり、多くの企業が海外の流出して、
日本の雇用が大きく失われます。
これは不思議な現象です。
放射線では誰も死なないのに、
原発を稼働出来ないばかりに日本の産業と雇用が滅亡するのです。
政府は原発事故以降、LNT仮説の検証を怠ってきました。
メディアに至っては、「LNT仮説」をさらに補強してしまいました。
そのツケはまたしても国民に回されます。
「とっても怖い原発だけど、仕方無いから稼働させる」という
最悪の決断が成されるのです。
■ 暖房器具無しで石油ショックの予行練習 ■
夏場のクーラーの無い我が家ですが、
冬場は石油ファンヒーターを使用しています。
しかし、今年は未だ灯油を購入していません。
何故なら、ガソリンスタンドまで灯油を買いに行くのが私の役目だからです。
そして、ガソリンスタンドの廃業が相次いで、
結構遠くまで自転車で買い出しに行くのは、寒くて辛いのです。
そこで、とりあえずモコモコのスリッパを買ってみました。
これは暖かい!!
私はシーズン初めに、ナイキのアウターをジョギング用に購入しました。
最近のスポーツウエアーは暖かくて、通気性も良く、しなやか。
ほとんど部屋着と化しています。
(アウター一着でひと冬の灯油代を越えるので、経済にも大いに貢献)
最近のマンションは保温性が高いので、
我が家は、暖房無しで全く問題無く冬を乗り切れそうです。
これは思わぬメリットを生み出します。
先ず、ファンヒーターの前から動けないという状況が解消します。
さらに、ファンヒーターで頭がボーとしないので、仕事がはかどります。
さらに、風邪を引きません。
そして、気温差が少ないので、外に出る事が億劫では無くなります。
但し、熱帯魚にはシンドイ様です。
あまりに可哀そうなので、こちらは3年ぶりに
ヒーターを入れてあげました・・・。
■ エアコン暖房を使いながら「変原発」を唱える矛盾 ■
「反原発」を主張するなら、エアコンを冬場に使うなんて論外です。
「子供を放射線から守らなくちゃ」
「風邪をひかない様に、エアコンで温かくしなくちゃ」
「外から帰ってきたら、除菌石鹸で手を洗うのよ」
・・・これが「にわか反原発」の行動パターンです。
これでは、これからやってくる過酷な時代に
子供達は生き残る事は出来ないでしょう。
「子供は風の子」。
ハナ垂らしてナンボのもんです!!
■ 日本から撤退する国際石油資本 ■
ところで、ガソリンスタンドが消滅するのは何故でしょうか?
先日、エクソン・モービル(ロックフェラー)が
日本の石油小売から撤退すると発表しました。
看板だけは残すそうですが、日本に会社に事業は写されます。
これは日本の景気低迷でガソリンスタンド事業の
収益性が無くなっているからだと説明されています。
実際に、有利子負債が膨らんでいます。
シェル(ロスチャ)も同様の経営状態の様で、
シェルも撤退するかどうか注目が集まっています。
都会では若者は車の免許すら持っていませんし、
私達の世代でも、駅近に住んでいる家庭は車を手離しています。
地方では、若者人口の減少でガソリン需要はどんどん減っています。
こんな状況に日本で、石油危機が発生したら、
ガソリンの需要がどうなるなど、簡単に想像出来ます。
国際石油資本が日本から撤退する理由を深読みすると、
中東での戦乱が近々あるのでは無いかと思える、今日この頃です。
本日は中東戦争の可能性とその影響について妄想してみました。