人力でGO

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シングルスピードで300Kmチャレンジ・・・ギブミードロップハンドル

2016-07-25 08:30:00 | 自転車/マラソン
 

■ シングルギアで300kmを走れるのか? ■






昨年は熱中症でヘロヘロになった300kmチャレンジ。あれから1年、色々な熱中症対策を導入しました。

1) 頭から水を浴びながら走る(ボトルの1本を真水に)
2) ミニッツメイドのマルチミビタミン&ミネラルを休憩時に1つ摂る
3) 日焼け止めクリームを塗る
4) 日焼け予防の長袖クールインナを着る
5) 11時~15時は全開走行は避ける

これらの効果があって、最近では走行中に目の前が何だか白く霞んできて・・・なんて事は無くなりました。ロングライドの後に体が1週間程度ダルくなる事もありません。

そこで日照時間の長いこの時期に恒例となった「300Kmチャレンジ」を敢行しました。ギア付バイクでは面白く無いので、シングルギアーで出かけます。輪行バックを持ていると途中で心が折れるかもしれないので、本日は家に置いていきます。まさに「背水の陣」で挑みます。

■ 小野田坂道の呪い? ■

朝3:30に浦安を出発しましたが、5:00頃から強烈なダルさに襲われます。この時間帯、徹夜仕事をしていても体温がグーっと下がって眠気が強くなる時間ですが、自転車を漕いでいても体の芯が眠くなる様です。勝手に「体が前の日と次の日を切り替える瞬間」と解釈していますが、体の奥深くでリセットが掛って再起動が始まるイメージ。眠い訳ではありませんが、ダルくて路肩に何度か停車する始末。

朝日を浴びてもシャッキリしません。こういう時は歌が一番。脳は音に敏感に反応します。スポーツ選手が力を入れる瞬間に叫ぶのも音で脳のリミッターを外す為。そこで思わず歌った歌がアニソンって・・・小野田坂道の呪いだろうか・・・。

■ 養老渓谷温泉郷の先に、その秘境はあった・・・ ■

養老渓谷到着は7:00。そろそろセミが鳴き始め、気温が上昇し始めます。ここから山道に入りますが、シングルギアなので劇坂の麻綿原は避けて裏清澄ルートを選びます。

いつもは老川十字路から筒森トンネルに登って行くのですが、本日は養老渓谷温泉郷から林道を使ってみます。今は崩れてしまいましたが、弘文洞と呼ばれる川回しのトンネル跡に向かう道です。

養老清澄ラインを右折するとすぐにトンネルが現れます。このトンネル、不自然に天井が高いのですが・・・なんとトンネルの上にトンネルの出口が・・・。



素掘りトンネルマニアに名高い「共栄トンネル」って、こんな所にあったのですね。多分、古いトンネルの下に、新たな素掘りトンネルを掘ったのでしょう。写真では観た事が有りますが・・・怖い・・・。

トンネルから先、急坂を登ると道は林の中へ。路面は所々ダートになっており、ブレーキに泥が詰まってシクロクロス状態・・・。
パンクに注意しながら進みます。すると、短い素掘りトンネル2連ちゃん。さらにその先には少し眺めの素掘りトンネルが。これ、凄いです。ディズニーのセンター・オブ・ジアースのリアルバージョンみたい。ドリルマシンで荒削りした様な岩肌。斜行する地層。ドロドロの路面。林道というよりは「坑道」と呼ぶに相応しい。




この先、道端をイノシシが掘り起こした場所では、猪突猛進攻撃に注意を払いながら筒森の集落へ到着。養老川の支流と並走する林道ですが、「秘境感」たっぷりな穴場。(秋には紅葉狩の観光客で賑わうのでしょう)

■ 鴨川はトロピカルムード満点のフェスティバル開催中 ■

裏清澄の最大斜度は8%程度。距離もそれ程長く無いのでシングルギアでも問題無く登れます。交通量も少ないので清澄山を最高時速70km/jで下り一路鴨川へ。

ビーチでは何やらトロピカルなフェステェバルを開催していました。ハワイにでもありそうな屋台が並んでいます。娘と合流して朝食を食べる事に。







和田にあるクジラサンドの店「和田パン」が出店していたので「クジラサンド」を注文します。なんと、これ1日4食限定だとか。和田は日本で5か所しか指定されていない近海クジラの水揚げ漁港です(網走、函館、鮎川(石巻)、和田(千葉)、太地(和歌山))

水揚げされるクジラは小型のツチクジラですが各港の割り当て頭数は多くは無いので、土クジラの肉はミンククジラよりも貴重品です。味はサッパリしています。一緒にパンに挟まっているのは地元和田のナス。このナスもしっかりした触感で味が凝縮されて美味。今度は是非、和田にあるお店に伺ってみたいと思います。(いつも前を通るのですが、「クジラ + サンドイッチ」という微妙な組合わせに勇気が今一つ足りなくて・・・)

鴨川で2時間ものんびりしてしまいました。明るいうちに千葉市街まで戻りたいのでちょっと休憩が長すぎたかな・・・。

■ 追い風に乗って・・・ ■ 

房総半島最南端の野島崎には追い風に乗ってあっと言う間に到着。






焼きそばとドリンクを買いましたが・・・気温が高くなって来ました。風向きも横風に変わりました。熱中症が怖いので27Km/hペースにダウンします。

洲崎を難なくクリアーして一路館山へ。気温と湿度は比較的低いのですが、容赦なく照りつける日差しがジワジワと気力を奪ってゆきます。(体力では無く)

館山に着いた時には輪行バックを家に置いて来た事を後悔し始めました。スマホで「館山 民宿 素泊まり」なんて検索する程には・・・。

それでも意を決して先に進みます。ビーチにはフンドシ姿の高校生の一団が・・。とうとう暑さで頭をやられたかと思いましたが、どうやらこれ巣鴨学園の夏の恒例行事の様です。一瞬、館山水産高校の生徒かとも思いましたが、皆色白でお腹の辺りがプヨプヨしているので・・・違うなと思いました。

館山のビーチは海の家も立ち並んで、すっかり夏真っ盛りですが・・・毎年気になるこちらのお店は今年も健在。しかし「くろんぼ」って名前はいろいろマズくないのかな・・・私は嬉しいですが・・・。



時間は午後3時。暑さのピークをようやく過ぎようとしていますが、空腹に耐えきれず船形漁港の定食屋にピットイン。「とまや定食」はアラ煮(カンパチ)、サザエのツボ焼き、刺身3品、つみれ汁が付いて1580円。アラ煮だけで十分定食になるボリュームです。これで元気が回復して浦安を目指します。



■ 「崖観音」は絶景かな ■

館山の隣、那古船形と言えば「崖観音」。大福時という真言宗那智派のお寺ですが、海と街を望む断崖絶壁に作られた観音堂は京都の清水寺や山形の立石寺同様の「懸崖造り」。実はこの観音堂、しばらく大改修をしていて足場に囲われていました。今年7月に1年ぶりに全貌が拝める様になりました。

717年に僧行基が山の岩肌の自然石に十一面観世音菩薩を彫んだのが始まりと伝わる大福時。断崖にはいくつかの四角い岩屋が穿たれていますが、修行僧が修行の為に籠ったのでしょう。

観音堂は平安時代に建てられた物は1653年に火災で焼失しており、その後債権された物は関東大震災で崩壊しました。現在の建物は大正14年に再建されたものです。




回廊からは館山湾と船形の街が一望できます。




驚くべきは海面から50m以上の標高があろうかと思われるこの断崖絶壁に「海蝕」の後が見られる事。房総半島は海底から隆起して出来たので当然と言えば当然ですが、草木に覆われている所が多いので、小山の頂き付近に海蝕の露頭が見られる場所は少ないかと・・。

岩場の上にも仏像が安置されています。



■ ヤバイ、暗くなってしまった・・・ ■

観音見物でまた時間を使ってしまいました。木更津から先の国道は道に陥没や隆起が多いので出来る事なら明るい内に通過したい。気温も下がって来たので30Km/hペースで一気に君津を目指します。(ここから先はスマホの電池が切れたので写真は有りません)

富津の上り坂をクリアーして君津手前のコンビニで大休止。頭から水を被ってリフレッシュします。ここからは日没との戦いです。木更津市内の高架は左からの合流も多いので全速力。35km/hオーバーで突っ走らないと合流車両と速度差が大きくて怖いです。シングルギアーなので小野田坂道ばりのハイケイデンス走行です。(傍から見ているとコマネズミの様ですが・・・)

袖ヶ浦手前で日は暮れ、だんだんと道が暗くなります。道路の切れ目毎に隆起や陥没が有る最悪の路面状況。大光量のLEDライトを点灯していますが、走行速度はガクンと落ち、さらに神経をすり減らします。交通量の少ない工業地帯なので脇をすり抜けて行く大型車両は結構なスピードです。歩道に退避してみますが、こちらも草が両側から迫り、予期せぬ凹凸が有るので車道よりも危険。あわてて車道に復帰し22Km/h程度で進みます。

五井の先で市街地に復帰してホット一息。ここからは車の流れに乗って速度が上がりますが、ちょっと頭が疲れて来ました。茂原街道との分岐の手前でコンビニ休憩。エナジージェルとおにぎり2個を腹に入れます。

胃袋が強いのか、固形物を食べ続けられるのでロングライドの後半の苦しみは少ない方かも知れません。固形物を受け付けなくなるとライフポイントが一気に減って行きますから。

■ 最後は余裕でゴール出来たが・・・ ■

エナジージェルが効いたのか元気がモリモリ回復しました。千葉からは時折35km/hオーバーの拘束巡航で一気に浦安も戻ります。10時ジャストに帰宅できました。

300Kmにちょっと及ばず 286km
朝3:30から夜22:00まで掛って、総合計時間は18.5時間
メーター読みのAVは 24.7km/h

まだ100Kmは走れそうです。

ところで今回は初めてのシングルギアーでの300km近いロングライドでしたが、途中ギアが欲しいと思った場所は一箇所も有りませんでした。むしろ不用意に大きなギアを踏まないので、脚と体力の温存になった様で、いつもは疲労困憊する距離も無理無く走れました。

硬いかなと思われた、クッションの無いタイオガのスケルトンのサドルは、むしろクッション入りよりも調子が良く、最後までオシリは痛くなりませんでした。


ただ、一つだけ問題が・・・

ハンドルが「シングルっぽく」ブルホーンなのですが、これ乗車姿勢が限定されるので結構辛いです。特に手の平がジンジンして来ます。やはりロングライドにドロップハンドルは必須かも知れません。

尤も、ブルホーンは下りのブレーキ操作が確実なので、下り坂で思いきりスピードが出せます。ギアー比2.87なので基本的には下りは自重落下で加速しますが、久々に70km/h弱の速度が出ていました。多分、清澄山の下りでしょう。


まあ、完璧では有りませんが、アルミのシングルギアーのロングライドは意外にも付かれる事も、脚が終る事も無く、楽しい一日が過ごせる事が証明されたと言えます。


50才のオレ、良く頑張った!!