
本日は「にわかテッチャン」の記事。
いつもの事ながら自転車で鴨川に出かけて行きました。すると外房線の線路傍にカメラの三脚が並んでいます。「何かイベントでもあるのですか?」と聞くと、「今日と明日、SLが走るんですよ、客車を曳いて」とのお返事が。
早速、娘を誘って見に行こうとすると・・・「あ、それ・・毎日学校から見てる」とのつれない返事。どうやら一週間程、試運転をしていたらしい。
K-Popのミュージックビデオに夢中の娘を残し、私一人でSLを見に行く事に。場所はやはり「あそこ」しか無い。


内房線の江見駅と太海駅の間、道の駅オーシャンパークのすぐ近くに線路が入江の鉄橋の上を走る場所があります。googleマップで確認すると、入江の砂浜の上を線路が通っているのが分かると思います。

この「山生(やまめ)橋梁」は鉄道橋では日本初の鉄筋コンクリートT型梁形式の橋梁であり形式もアーチから桁・梁構造へと進化する記念碑的な意義を持つ橋梁で「土木遺産」に登録されています。
現代的な建築方式の橋梁は、見た目は「普通」ですが、実は歴史的に価値のある建造物なのです。
この橋の素晴らしいのは、ロケーションです。狭い入江で山が海に落ち込む場所に建てられていますが、隣を国道128号線が並走しています。こちらは海の上に架橋されています。

下の砂浜からがフォトロケーションとなります。砂浜には国道の館山寄りの海側から急な階段で下りる事が出来ます。
浜に降りると既に鉄道マニアや近所の方が大勢カメラを構えて場所取りしていました。


実はこの入江、砂浜の岩がゴツゴツと露出しているのですが、黒い岩や、灰色の岩や、白い岩が有ります。これ、海底で出来た泥岩、左岸、凝灰岩が隆起したものですが、非常に複雑で面白い。
そんな砂浜を探索しているうちにも遠くに機関車の煙が立ち上り始めました。風に乗って汽笛の音の聞こえてきます。人々の期待が高まった時、モクモクと黒煙を吐いて、黒光りする鉄の塊が橋の上を疾走してきました。
カシャカシャカシャカシャとカメラのシャッターが連鎖される音が響きます。フゥォーーーーンと機関車が汽笛を高らかに鳴らします。車窓の乗客達が手を振っています。浜辺の人達も手を振ります。
機関車(D51)は一気に橋梁を渡り後に客車が続きます。最後尾には赤いディーゼル車が連結されています。転車台(ターンテーブル)が無いので、館山からは機関車はバックで最後尾に付きます。この時はディーゼル機関車が先頭で牽引するのです。
ほんの一瞬の光景でしたが、多分一生記憶に残るでしょう。
尤も、SLは母の実家の在る静岡県金谷町の大井川鐡道で子供の頃から見慣れているのですけどね・・。