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米株に握られる日本株の運命・・・トランプラリー以降何が変わったのか?

2018-02-15 06:01:00 | 時事/金融危機
 


ダウ平均株価(3年)



日経平均株価(3年)

■ トランプラリー以降、出来高が増大したダウ ■

投資をされている方は短期の値動きが気になると思いますが、陰謀論者の私は長期の値動きが気になります。

ちなみに上のグラフはダウ平均と日経平均の3年間のグラフですが、ダウはトランプラリー以降出来高が増大し、明らかに市場が過熱している事が分かります。

1980年代以降のアメリカの「商業不動産バブル」、「ITバブル」、「不動産バブル」の平均継続期間95か月(約8年)。最長はITバブルの120か月です(10年)。(前のバブル崩壊から次のバブル崩壊の間の期間)

リーマンショックが2008年9月ですから)今年は10年目に当たり「ITバブル」並みのバブルの継続中だと言えます。バブル末期は相場が急騰する事が観測されていますから、トランプラリー以降のアメリカの株式市場は、明らかにバブル末期の状態にあると判断されます。

■ 日経平均株価はダウに吊られて上がっただけ ■

一方、日経平均株価の出来高を見ると、最近はトランプラリー以降は出来高が低下しています。それなのに株価は上昇しています。これは日経平均株価がダウの上昇に吊られて上がっただけで、市場が盛り上がっている訳では無い事を示しています。

だから、直近の下落後も値を戻す勢いがあるダウ平均に比べ、日経平均は戻りが悪いというか、下落傾向に歯止めが掛からない。

細かく見れば、ダウでの損失を日本株を売って穴埋めしている・・・などと説明されるのでしょうが、いずれにしても市場参加者の「勢い」に違いがあります。

■ トランプラリー以降のアメリカ株が異常なのでは? ■

改めてダウ平均株価のグラフを見ると、トランプラリー以前と以後の出来高の違いが際立っています。トランプ政権はFRBの金融緩和継続や、ボルガールールの緩和や減税、さらには公共投資の拡大を約束していましたから、市場がこれを好感したと解釈されますが、そんなに急激に「期待」が膨らむものなのでしょうか・・・。

政権運営も経済運営も未知数で、むしろマイナスのイメージの強いトランプ政権で「根拠無き期待」がこれ程までに膨らむ法が異常では無いでしょうか?

■ AIが作り出した相場? ■

昨今のビットコインの暴騰と暴落に当たり、仮想通貨の世界での「Webbot(ウェブボット)」の暗躍が話題になっています。

「Webbot(ウェブボット)」は未来予知型AIとも言えるもので、投資家達のチャットやSNSでの発信をクロール(収集)して、市場の先読みをするソフトです。そして、投資家達の期待を先読みして「期待が高まる様な相場を作る」事までしています。

これは「ポンプ・アンド・ダンプ」という手法で、株式市場などでは意図的に相場を吊り上げて暴落させる事は法律に触れます。ただ、仮想通貨の世界ではグレーゾーンで、実際に仮想通貨の支配者達は、二つ異常の仮想通貨の取引を繰り返して相場を吊り上げていた事が分かっています。

とは言うものの仮想通貨が無限に生み出され無い限り、そうそう相場は吊り上げられませんが、ドルと連動すると言われたテザー(Tether)がドルの裏打ち無に発行されていた様で、これを使って仮想通貨市場が吊り上げられていたらしい。

同様な事が株式市場でも実行可能なのでは無いか?

1) トランプ政権発足と同時に株の買い上げを行い相場を上昇させる
2) 「トランプラリー」という「期待」をネットやマスコミで振りまく
3) 先物を使って相場をグイグイと引き上げる
4) 海外の投資マネーや個人投資家の資金を引き寄せる
5) 頃合いを見て、先物を絡めて相場を下落させる

単独では不可能ですが、いくつかのAIが協調すれば不可能ではありませんし、特定の銘柄の株価操作をしている訳では無いので、法的にも問題が有りません。(協調がバレなければ)

■ 「頃合い」がいつなのか? ■

上の書いた様な内容は投資に興味が在る方ならば凡そ分かっていらっしゃるでしょうから、多く方が気になるのは「頃合い」がいつなのかという点。

これは「バブルの継続限界」と同じ意味ですから、経験的には過去はITバブルの120か月(10年)が一つの目安となります。

10年と言うのは単なる「経験則」であって、実際には金利水準がバブル継続条件を満たさなくなった時にバブルは崩壊します。今回の株価下落の直接的原因も米長期債の急激な金利上昇でした。

実際にはFRBの利上げや、日欧の金融緩和の縮小がジワジワと市場を締め上げて行きます。日本は国債購入額を年額80兆円から、金利操作付き異次元緩和に切り替えた時点で60兆円に縮小し、さらにはこれを60兆円にまで絞っていますから「ステルステーパリング」を実行しています。

確実に市場に供給される資金が減少している中で、FRBがジリジリと利上げを実行する訳ですから、今後の市場は利上げに相当に敏感になるハズです。

■ 市場は勝手に崩壊するのでは無く、誰かが崩壊させる ■

バブル崩壊は勝手に起こると思われていますが、必ず仕掛けたヤツが居ます。日本のバブル崩壊の時の株の暴落も、アメリカの投資銀行が「日本売りファンド」を組んで、株と日本国債を買い上げた後、日本国債を売り浴びせて金利を吊り上げ、次に株を売り浴びせるという波状攻撃で暴落を演出したものです。

金融緩和バブルがいつまでも継続出来るもので無い異常、バブルを仕掛ける連中は、自分達の資金が十分に稼いだ後、安全な場所に逃避させ終わったら、今度はバブル崩壊で利益を拡大します。

AIが市場を支配する現在、フラッシュクラックは一瞬で発生し、これから個人投資家が逃げる事は不可能です。だから、ここから先の市場は丁半バクチであって、まともな投資では無い。

■ 最期に生贄になるのは庶民の資金 ■

実はここからが本日の主題なのですが・・・・

個人投資家が得をしようが、損をしようが私には関係の無い事です。ある種のギャンブルなのですから、スリルを楽しめば良い。

問題なのは、年金資金(GPIF)や、個人年金の運用資金、保険会社の運用資金、投資ファンドなどの運用資金がバブル崩壊に巻き込まれて大きく棄損する事です。

現在、金利が消失した世界で、日本人の多くが無自覚にリスク性の資産を保有しています。かんぽ生命の個人年金や学資保険が元本保証で無い事を理解している人は少ない。庶民がコツコツと貯めたお金が少しでも増える様にと掛けている保険や年金が、今度のバブル崩壊によって「溶ける」或いは「燃える」・・・・。

下手をすれば、中小の金融機関の幾つかが破綻する可能性も有ります。生保、損保だって破綻する可能性は低くありません。生保が破綻した場合は、掛け金が8割になって別の生命保険会社に引き継がれますから、加入者は2割の損失を被ります。

投資信託は仕方無いと思います。だって、リーマンショックで多くの方が損をしたのですから、こんなものを買う方が悪い。

この様に、大規模なバブルの崩壊は、最後は個人の資産を巻き上げる事で収束します。そもそも市場には初めから全ての人の利益は存在しないのですから、1割の勝者に9割が負けるのです。