■ 南北首脳会談の裏で? ■
南北首脳会談が4月に開かれるという。朝鮮半島情勢はオリンピックを期に急速な進展を見せています。
この流れをある程度予測していたのが板垣英憲氏です。元毎日新聞の記者ですが、現在は「陰謀論者」として一部の方々には有名です。彼の記事は「妄想」と片付けられる事も多いのですが、「キッシンジャー博士が南北統一を働き掛けている」と彼は書いていまいした。
彼の情報源は「天皇陛下に近い筋」とか、いかにも妄想じみているので、多くの人が「マユツバ」と片付けてしまいがちですが、偽情報に本当の情報を混ぜて流出させる事も、陰謀を行う側の手口の一つと私は妄想しています。9割の事実に1割の嘘を混ぜるのが表のマスコミならば、9割の嘘に1割の真実を混ぜるのが陰謀側に加担する「陰謀論者」の手口だと・・・。
■ 朝鮮半島の非核化は実現するのか? ■
私は北朝鮮はアメリカの傀儡国家だと妄想していますし、北朝鮮の核武装はアジアの火薬庫である朝鮮半島で軍事的均衡を保つ為に不可欠だと考えています。北朝鮮が核放棄する時は、北朝鮮が地図から消える時だと妄想しています。
■ 北朝鮮の消滅はアジアの緊張を高める ■
北朝鮮が仮に地図から消えた場合、朝鮮半島で在韓米軍と中国の人民解放軍が国境で睨み合いをする訳で、アジアの軍事的緊張は今よりも高まります。
仮に在韓米軍が朝鮮半島から撤退したとしても、現在の北朝鮮の国境付近に迎撃用のTHAADミサイルを配備するなど、中国やロシアが嫌がる事態が発生するでしょう。
プーチンが先に次世代の核攻撃システムを発表した背景には、こういった事態への牽制の意味があったのかも知れません。
■ 統一朝鮮が中露側に付くというシナリオ ■
アジアの安定を考えると、統一朝鮮が中露側に付く方が現実的かも知れません。それならば朝鮮半島を非核化しても問題は少ない。
次なる金融危機でドルの信用が揺らいだ場合、アメリカは財政的に世界の警察の役割を維持する事は難しくなります。米軍のトランスフォーメーションのロードマップの通り、東アジアから撤退して、ハワイ・グアムラインに退く可能性が高い。
この状態で北朝鮮が存続すると、北朝鮮が韓国に侵攻するという事態も起こり兼ねず、無駄に血が流れます。それを防ぐ為には、南北統一を先行させ、在韓米軍が撤退し、統一朝鮮が徐々に中露側にすり寄っていくパターンが好ましい。
■ 日本は中露と対峙するが、北朝鮮の暴発の心配は無くなる ■
朝鮮半島が統一され、中露側に付いた場合、日本はアジアで中露朝と対峙する事になります。但し、日本海を挟んでいるので、国境を接している現在の南北朝鮮の様な「一発即発」的な危機は起こりにくくなります。
地政学的にはシーパワーとランドパワーがきれいに住み分ける事で、むしろ安定性が増すとも言えます。
この様な変化が実現するのに、どの位の時間が掛かるか?東西ドイツの統一などは一気に進行しましたから、意外に南北統一は速やかに実現するのかも知れません。
■ 又もやハシゴを外される安倍首相? ■
第一次安倍内閣は北朝鮮問題でアメリカに梯子を外されて退陣しました。安倍首相の頭を飛び越えて米朝会談が行われ、北朝鮮に強硬姿勢で挑む事で国民の支持を得ていた安倍政権の基盤が崩れたのです。
何だか、今回も似た様な空気が漂って来ました。既に森友問題で安倍政権の屋台骨が揺らいでおり、憲法改正は現実的には不可能な状況です。政権に不信感が高まる中で、高齢者の多くは憲法改正に反対票を投じるはずです。これでは国民投票で過半数を確保する事は難しい。
唯一、国民が憲法改正を支持するケースがあるならば、北朝鮮のミサイルが日本の領海内に落下するケースでしたが、南北融和が進めば「援護射撃」は期待できなくなります。
冒頭で取り上げた板垣氏のブログによれば、安倍首相は二階幹事長に退陣の意向を伝えているそうで・・・仮に安倍退陣、南北統一となれば、「オオカミ少年」と揶揄される板垣氏の面目躍如となるのでしょう。(「お前が言うか!!」とツッコまれそうですが)
いずれにしても、本日、国会に提出される財務省の資料如何によっては、安倍首相が又もやパージされる可能性も有ります。
■ 変わりゆくアジアの軍事バランスと日本のスタンス ■
安倍政権は、解釈改憲による集団的自衛権の容認や、ヘリコプター護衛艦の空母化の検討など、本来タブーとされてきた軍事的リミッターを外す事に成功しています。自衛隊の軍事的オプションは格段に拡大しました。
一方で、アジアの安定の為には、あまり好戦的な政権は好ましくありません。日本会議的なアナクロ主義は、現実的な緊張の前には影を潜め、実務的に中露朝と付き合える政権に代わって行くのでしょう。
石破氏あたりが適任で、岸田氏や河野氏がそれを支える様な政権がバランスが良いと思うのですが、国会中継では野田氏が派手な色のスーツで、首相の後ろでやけに目立っています・・・。