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IKEAの家具は引っ越しで苦労する・・・杓子定規な日本人

2019-03-06 05:00:00 | 分類なし
 

■ IKEAの家具は引越屋が運んでくれない ■

この春で娘も無事大学を卒業します。ようやく親業が終わるのでホットしています。

娘は大学が借り上げていたアパートから職場近くのアパートに引越す事になりますが、一つ問題が発生しました。・・・それは、IKEAの家具を引越業者が運んでくれない

オシャレで安くて大人気のIKEAの家具ですが、引越業者(大手のアー〇)は、先ず「IKEAの家具は有りますか?」と聞いて来たそうです。

娘の部屋は、ベット、学習机、ダイニングセット、本箱と、IKEAの家具のオンパレードな訳ですが)私、実はIKEAの家具を作るのが大好きです)、「ベットはご自分で分解していただかないと運べません」と言われたとか。「スエーデンは日本と違い、引越す事を前提に家具が作られていないので、分解すると壊れてしまうんです」という意味不明な説明があったらしい。

娘は「だって、ベットはシングルだし、ベット自体、マットレスと同じ大きさだから、玄関のドアだって分解しないでも通るハズですよ」と食い下がったらしい。しかし、業者は下見に来て、ベットの組み立て方法を確認すると「やはり、このタイプはご自身で分解して下さい」との一点張りだったそうな。

「はじめ引越し代金は15万円って言われたんだけど、〇〇ちゃんは〇〇引越しセンターで〇〇万円だって言われたから〇〇万円にして!!と値切ったのがイケなかったのかな・・・」と娘は憤慨しています。

尤も、被害は私に来る訳で、「お父さん、ベット分解してよね。引越し出来ないから」・・と命令が下る訳です。

■ ネットで調べたらIKEAの家具は本当に業者が運んでくれないらしい ■

まったく女子大生だからって引越業者も舐めてるな。きっと値切られたから、断らせる為の口実だろう・・・そう思ってネットを検索してみました。

本当にIKEAの家具は分解しないと引越業者が運んでくれないと様々な所に書いてありまあります!

1) 日本の家具は引越しを前提に、いくつかのパーツに分解できるように出来ている
2) 日本の家具は分解でネジを外す場所には、ネジ穴が金属になっている

3) IKEAの家具は部分的に分解する事を前提に作られていない
4) 分解するとバラバラになってしまう
5) 部分的に分解したパーツの強度が保てない
6) 木ビスを直接,木にねじ込んであるので、一度外すとネジ穴がバカになってしまう

7) 分解と組み立てに時間が掛かるので、引越しに時間が掛かる
8) 分解・組み立てで壊れてしまうケースが多い


だいたい、この様な理由が挙げられています。

一方で、「IKEAの家具を運びます」とか「専門のスタッフが分解、組み立て致します」などという小さな業者も有る様ですが、1点組み立て5000円などと別途料金を取る所もある様です。

■ 分解したら・・・・ジョイントパーツが壊れた・・・ ■



これが問題のIKEAのシングルベット。引出しが付いているタイプです。

ヘッドボードが無いので、大きさは本当にマットレスと同じで、これを分解しないと玄関から運び出せないという業者はバカか・・・と思いますが、そこは杓子定規の日本人の事、会社の規定で仕方無いのでしょう。

尤も、私だったら、引越作業に来たお兄ちゃんに「袖の下」で解決させるでしょう。1枚も渡せば、喜んで分解せずに運ぶハズ。運ぶ、運ばないで揉めている間にはトラックに収まりますから。



IKEAの家具は本当に合理的に出来ていて、私は大好きです。特に、コーナーのジョイントパーツが秀逸。ネジを使わずに、金物のソケットを金属パーツで固定する方法。ドライバーで受け側のパーツを90度程捻れば固定完了。

この、木工加工は穴あけだけしておけば良く、固定金具を同梱して出荷するだけ。誰でも簡単に組み立てが出来るの。

1) 組み立て工程は購入者の役割
2) 分解して梱包されているので、在庫がかさ張らず、輸送コストも安い







問題となるのは、木部に直接ネジ込まれているパーツやネジ類です。下手に外すとネジ穴が広がってしまい、次に組み立てた時に固定力が不足します。

又、柔らかな木で出来た位置出しようの丸棒も曲者です。真っすぐに抜かないと穴が広がりますし、丸棒の素材が柔らかいので、無理にペンチで挟んで外そうとすると棒が潰れて使い物にならなくなります。

コーナーのジョンと金物も曲者で、外れる角度が回転の終点で無い・・・。これを知らずに無理に外そうとすると・・・ジョイント金物が破損します。



小一時間掛かり、なおかつ、途中でペンチを買いにダイソーに走りましたが、どうにか分解が完了しました。引出しは分解しなくて良いとの事で助かりました。まあ、ベットなんて分解してしまえばこんなサイズになってしまうのが流石はIKEA。

尤も、ジョイント金物1つと、木の丸棒二つが使い物にならなくなりました・・。



壊れたジョイントパーツですが、IKEAのお店に行けば予備パーツが手に入ります。在庫が無くても2週間で取り寄せ出来ます。後日、船橋のIKEAで手に入れて来ました。


■ IKEAの商品は「定番」を買うべき ■

船橋のIKEAが近いので、様々なIKEA家具を買った経験から、「IKEAの家具は定番商品を買うべき」という鉄則が私の中には成立しています。

IKEAの家具の板材は、細かなチップを接着剤で固めた「パーティクルボード」が用いられている事が多いのですが、この密度が低い。だから、固定用の穴がすぐにスカスカになってしまいます。特に、安い商品でこの傾向が強い。引出しもすぐに底板がたわんでしまったり、引出し自体が分解してしまったり、レールの固定ネジが外れて来ます。

ある程度、定番の商品は、そこそこの強度を持っていますが、やはりネジ類が緩みやすい傾向が有ります。分解しないのであれば、組み立て地にネジ穴に木工ボンドを流し込んだり、ネジ穴補修材を入れておくと良いのでしょうが・・・。

同じ北欧系の家具でも、高級家具は「MDボード」を使用しています。これは非常に細かなおが屑を高密度に接着剤で固めたもので、ノコギリなどでは容易に切断出来ません。当然、重く、強度も高く、変形もしません。倒産してしまいましたが、村田合同という会社の北欧系の家具がMDボードです。後はフリッツハンセンのテーブルの天板など。

最近ではBoConcept.など、中国生産でIKEAよりもしっかりした北欧系の家具も有りますが、これもパーチクルボード。ただ、組み立ては専門のスタッフがやってくれますし、ボードの厚さがあるので、強度には問題は有りません。


■ 日本の家具屋は衰退の一途 ■

世界を相手にする北欧家具は、安い家具も、高い家具も本当に良く出来ています。それに比べると「一点もの」や「匠の技術」で勝負して来た日本の家具屋は勝負になりません。

ただ、IKEAの家具は、狭い日本の家屋には大きすぎる事や、引っ越しに不便なので、ニトリが上手にそのすき間に入り込んで成長しています。

工業化やグローバリゼーションの荒波は、あらゆる分野に及んでいますが、街中から家具屋さんが消えて久しい。

次に消えるのは大塚・・・ゲフン、ゲフン。